大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【意気地なし】

時は、11月19日の朝8時半頃であった。

またところ変わって、今治市大新田町《しないおおしんでんちょう》の住宅地にて…

真樹《さなき》とお見合いをした女性が家から出た時であった。

真樹《さなき》は、また女性に接近したあと愛を求めた。

「ねえ〜」
「イヤ!!」
「なんで断るのだよ〜」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「ぼくはお付き合いがしたいのだよ〜」

この時であった。

地区の住人の男性が真樹《さなき》に対して殴りかかった。

「オドレストーカー野郎!!」

男性に殴られた真樹《さなき》は逃げ出した。

この時、真樹《さなき》は身分証明書を落としたようだ。

…………………………

それからまた3分後であった。

私は、この地区の近辺にやって来た。

この時、女性が数人の住人と一緒にいたところを見た。

私は、住人の男性に声をかけた。

「あの〜、すみません〜」
「はい。」
「一体、なにがあったのですか?」
「(近隣の家の娘さん)にストーカーをしていた男に注意したのですよ!!」
「それで?」
「ストーカーしていた男が逆ギレを起こした末に住人に暴力をふるったのです!!」
「一体、どこの家のご子息かしら〜」
「ストーカー男の親御《おや》は子どもをきちんと教育することができないのよ!!」
「だから子どもがストーカーになったのよ〜」
「そうよそうよ〜」

住人たちは、女性をストーカーしていた男の親御《おや》きょうだいシンルイたちをボロクソに言いまくった。

この時であった。

アレ?

アレはなんや…

…………………

私は、50メートル先に落ちていた黒い入れ物を見つけた。

私は、ピンセットを使って黒い入れ物をひろったあとジッパー付きの中型のビニールにゆっくりと収納した。

…………………

それからまた2時間後であった。

またところ変わって、今治市旭町《しないあさひまち》にある警察署にて…

私は、署内にある遺失物係の窓口にいた。

私は、窓口にいる職員に対して例のものを差し出したあとこう言うた。

「これ、大新田町《おおしんでん》の住宅地で拾いました。」
「あっ、はい…受け取ります。」

職員が例の物を受け取ったあと、私はひらいた手帳に記載されているメモ書きをみながら言うた。

「あの〜、それともう一つ話しがありますがよろしいでしょうか?」
「はい。」
「今から2時間ほど前に、大新田町《おおしんでん》の住宅地でストーカーの男が地区で暮らしている住人の女性ともめていたと言う話を聞きました。」
「ストーカー?」
「ええ…すみませんけど、ちがう部署の職員の方はいらっしゃいますか?」

この時であった。

会計課の課長さんがものすごくおたついた様子でやって来た。

「おーい、泉口《いずぐち》くんと連絡が取れないのか!?」
「課長!!落ちついてください!!」

私は、職員に対して声をかけた。

「あの〜」
「はい。」
「なにかあったのですか?」
「会計課《かいけい》の男性職員が無断欠勤をしたのです。」
「無断欠勤?」
「ええ…(近くにいる職員に言う)泉口《いずぐち》さんはなんで無断欠勤したの?」
「お見合い相手の父親から『娘をあきらめろ』と言われたことがつらいから無断欠勤しているのよ〜」
「なさけないわね〜」
「女の子は、まだたくさんいるのにねぇ〜」
「その前に、ピッカピカになるまで自分みがきをしてよね〜」
「ほんとうね〜」
「泉口《いずぐち》さんは、自分さがしばかりしていたからきらわれたのよ〜」
「そうよね〜」

近くにいた女性職員たちは、真樹《さなき》の悪口をボロクソに言いまくった。

……………………

(ブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブー…)

時は、夕方4時頃であった。

またところ変わって、波止浜港の付近にて…

私は、可動橋の手前にある遮断器の前に立っていた。

可動橋の橋げたは、港湾を通過する船の通り道を確保するためにあがっていた。

遮断器の横にある警笛のブザー音が夕暮れ時の空に響いていた。

遮断器の外にいる私は、夕暮れ時の空を見つめながら考え事をしていた。

真樹《さなき》は、どこのどこまで意気地なしだ…

お見合いをことわられた原因がなんであったか…

…と言う理由が分からないのか…

…………………

それから5分後であった。

可動橋の橋げたがもとにもどったあと遮断器のバーがあがった。

私は、可動橋を渡って向こう側の地区へ向かった。

……………………

時は、夕方5時頃であった。

またところ変わって、渡し場の近くにある釣具店に併設されているたばこ屋にて…

私は、カウンターに設置されている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

かけた先は、真樹《さなき》の中学高校時代の友人宅であった。

「もしもし、夕方のお忙しい時間にもうしわけございません…近見町にお住まいの◎◎■さまのお宅でございますか?…私・コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…あの、私は興信所からおつかいをたのまれたのです…あの…そちらに泉口真樹《いずぐちさなき》さまはいらっしゃいますか?…はいその泉口《いずぐち》でございます…すみませんけれど、ご本人さまがお宅をたずねられたら伝えてほしいことがあるのです…あの、伝言を預かっているのでお伝えいたします…(手帳を見ながら言う)…おとーさんとおかーさんは真樹《さなき》さんに素敵な花嫁さんが見つかるまで応援しているよ…と言うてました…すみませんけど、よろしくお願いいたします〜」

(ガチャ…チャリン…)

受話器を置いたと同時に、返却口に10円玉1枚が出た。

私は、赤のラッションペンを使ってメモパッドに確認済みと書いた。

(カチャ…チャリンチャリン…ジー、ジー…)

その後、再び受話器をあげた。

投入口に10円玉2枚を入れたあとダイヤルをまわした。

(プルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル…カチャ…)

電話がつながったあと話をした。

「もしもし、夕方の忙しい時間にもうしわけございません…」

………………………

このあと、私は7〜8軒の家に電話をかけた。

…………………………

時は、夜8時50分頃であった。

またところ変わって、波方の海山城の展望台にて…

ベンチの上に今治市と越智郡陸地部西部の住宅地図がひらいた状態で置かれていた。

私は、ゼブラシャーボーの赤ボールペンを使って地図上に書き込みをしながらパスコのジャムパンを食べていた。

真樹《さなき》と親しい友人知人方に電話で問い合わせたが、真樹《さなき》は来ていなかった。

ジャムパンを全部食べたあと、赤ボールペンで書き込んだ地図を見て確認を取った。

もうだめだと思う…

今の真樹《さなき》は…

お見合い相手の女性に対して…

一方的に思いを募らせている…

真樹《あのバカ》の親御《おや》きょうだいシンルイたちは無関心だから…

真樹《あのバカ》を止めずに…

真樹《あのバカ》とグルになって…

お見合い相手の女性につきまとうと思う…

………………………

このままでは危険だ…

真樹《あのバカ》をとめるすべはないのか?

どうしたらいいのだ…

………………………
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