大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【ジョニィへの伝言】

時は、朝7時45分頃であった。

またところ変わって、道後温泉伊佐爾波坂《どうごいさにわざか》にある置屋にて…

夜のお勤めを終えた芸姑《げいこ》はんたちとコンパニオンさんたちが置屋に帰ってきた。

芸姑《げいこ》はんたちとコンパニオンさんたちの対応は、ソヒ姐《ねえ》はんが務めていた。

「ただいま帰りました〜」
「おかえりなさい〜、朝ごはんできてるわよ〜」

この時であった。

(ジリリリリリリン!!)

居間に置かれているダイヤル式の黒電話機のベルが鳴った。

ソヒ姐《ねえ》はんは、受話器をあげたあと話をした。

「もしもし…ソヒよ…よーくんね…今どこにいるの?」

またところ変わって、久玉町の国道389号線沿いにある電話ボックスにて…

私は、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「ソヒ姐《ねえ》はん、今どこにいるって…ウシブカ…天草のウシブカだよ!!…オレ、大阪府警《ふけい》のふたりの刑事《デカ》からめんどいことを聞かれたのだよ…行方不明になっているしずくさんがスンシャクかカンシャクかなんぞ知らないけど…重要参考人になっていると言うたのだよ…ソヒ姐《ねえ》はん、こっちはすごく困っているのだよ!!…大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんが行方不明になっているのだよ…ほたるさんも行方不明になっているのですごく困っているのだよ!!…もしもし!!」

(ガチャ…ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)

電話はそこで切れた。

ソヒ姐《ねえ》はん…

こっちはすごく困ってるのだよ…

…………………………

(ボーッ、ボーッ、ボーッ、ボーッ…ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、朝9時頃であった。

私は、牛深港からフェリーに乗って再び旅に出た。

長島(鹿児島県)の港でフェリーから降りたあと、ヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

午前11時20分頃であった。

トラックが国鉄折口駅の近くにある国道の交差点に停まった。

ショルダーバッグを持ってトラックから降りた私は、運転手《うんちゃん》に一礼を述べたあと再び旅に出た。

時は、午前11時58分頃であった。

またところ変わって、国道3号線沿いにあるラーメン屋にて…

店の中には、私ひとりだけがいた。

私は、ぎょうざダブルとみそラーメンの大盛りと白ごはんでランチを摂っていた。

店内に置かれている18型のナショナルクイントリックス(カラーテレビ)の画面にNHK総合テレビの『天気予報』が映っていた。

天気予報が終わったあと正午の時報を知らせる音が鳴った。

画面は、正午のNHKニュースに替わった。

白髪の男性アナウンサーが『正午のニュースです〜』と言うたあと『まず今入って来たニュースをお伝えします〜』と言うた。

それによると、国電小倉駅の新幹線口で例の寸借詐欺《スンシャク》の男が逮捕されたあと新幹線で護送する予定だったが、逃走した…

逃走した男は、駅前に停めていたタクシーを盗んで東へ逃げた…

ニュース速報を聞いた私は、顔が真っ青になった。

たいへんだ…

もしかしたら…

私に…

身の危険が及ぶかもしれない…

………………………
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