大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【挽歌】

時は、12月12日の夕方5時過ぎであった。

失意の私は、水俣《みなまた》にやって来た。

場所は、水俣市丸島町《しないまるしまちょう》の水俣川《みなまたがわ》の河口付近にあるさら地にて…

失意の私は、ラジオを聴きながら海を見つめていた。

イヤホンからKBCラジオが流れていた。

この時間は、RCCラジオ制作の『柏村武昭のサテライトナンバーワン』が放送されていた。

この日の歌のゲストは、村下孝蔵さんであった。

『春雨』『歌人』『松山行きフェリー』『ゆうこ』…

いろんな歌が流れていた。

夕方5時半頃に、『挽歌』が流れた。

歌を聴いていた私は、つらそうな表情でつぶやいた。

私は…

この先、どうやって生きればいいのだよ…

大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんは…

どこにいるのだろうか…

このまま、放浪生活がつづいたら…

私は…

生きるすべをすべて喪《うしな》うことになる…

ああ…

困った…

助けてくれ~…

………………………

それからまた1時間後であった。

私のもとに電報配達の男性がやって来た。

男性は、私に声をかけた。

「コリントイワマツヨシタカグラマシーさまでございますね。」
「はい。」
「電報をお届けに参りました。」
「あっ、はい。」

私は、受け取った電報を読んだ。

モトヅカマサノリハオンナヲツレテトウボウシタ…

モトヅカトイッショニイルイルオンナハ…

ミエダ…

……………………

なんだって…

三永《みえ》さんが…

元塚《もとづか》と一緒にいるだと…

元塚《あのヤロー》!!

絶対に許さん!!

……………………

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

それからまた2時間後であった。

私は、ヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

トラックは、国道3号線から2号線を通って、山口方面へ向かった。

(ボーッ!!ボーッ!!ボーッ!!ボーッ!!)

時は、12月13日の朝8時頃であった。

柳井港でトラックを降りた私は、防予汽船のフェリーに乗って三津浜港へ向かった。

三津浜港に到着したあとは、ヒッチハイクした長距離トラックに乗って南予方面へ向かう予定である。

元塚《あのヤロー》は…

また事務長はんの家に行くと思う…

これ以上勝手なことしたら…

ただじゃ済まないぞ(激怒)

< 685 / 900 >

この作品をシェア

pagetop