大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【家路】

時は、朝9時過ぎであった。

またところ変わって、三津浜港にて…

ショルダーバッグを持ってフェリーから降りた私は、長距離トラックをヒッチハイクしたあと南予方面へ向かう予定であった。

この時であった。

私は、モカブラウンのトップス・黒と白の水玉柄のスカートと黒のストッキングを着ている人妻さんと白いはちまきをまいている運転手《うんちゃん》が激しいやりとりをしているのを見た。

人妻さんは、運転手《うんちゃん》に対して愛を求めた。

「お願いです!!アタシを抱いてください!!主人と娘を忘れさせてください!!」
「奥さん!!ダメですよ!!」
「イヤ!!お願い抱いて!!」

一体、なにがどうなっているのかさっぱり分からない…

……………………

ひどくコンワクした表情を浮かべていた私は、ヒッチハイクを断念しようかと思った。

人妻さんは、運転手《うんちゃん》に対して愛を求めつづけた。

「お願いです!!アタシを抱いてください!!」
「奥さん!!もう一度ダンナとやり直せ!!」
「イヤ!!できない!!」
「やり直せ!!」
「イヤと言うたらイヤ!!」

これはダメだ…

そう感じた私は、いよてつバスの乗り場へ行こうとした。

この時、白いはちまきを巻いた運転手《うんちゃん》が私に声をかけた。

「あんた!!あんた!!」
「はい。」
「ちょっと頼みがあるのだ!!」
「頼み?」

運転手《うんちゃん》は、私に対して1000万円を現金で渡した。

受け取った私は、運転手《うんちゃん》に声をかけた。

「おっちゃん、おっちゃん!!」
「なんぞぉ!!」
「なにがあったのですか!?」
「夕方5時にヤクソクしている所用があるのだよ!!」
「私は、五十崎へ向かうのですが…」
「あとにしてくれ!!こっちは一分一秒を争っているのだよ!!」
「分かりましたよぅ〜」

私は、現金1000万円をショルダーバッグに収納したあと人妻さんと一緒にトラックに乗り込んだ。

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ!!)

時は、朝9時半頃であった。

運転手《うんちゃん》と人妻さんと私が乗り込んだ日野クルージングレンジャー(特大トラック)は、大可賀《おおかが》・北吉田の工場地帯付近から松山空港を通って松前町《まさき》方面へ向かった。

トラックのコックピットにて…

運転席にいる運転手《うんちゃん》は、ものすごくしかめた表情で運転していた。

真ん中の席に人妻さん…

右端の席に私…

…が座っていた。

私は、ショルダーバッグに収納していたスーパーマップルの四国地方の道路地図を取り出した。

ショルダーバッグからボロボロになった道路地図を取り出した私は、松山市の沿岸部の地図をひらいたあと万年筆を使って地図上に書き込みをしながらつぶやいた。

………………………

おっちゃんは…

夕方5時までに目的地に行かないと手遅れになると私に言うた…

おっちゃんは…

人妻さんに対してやり直しの機会を与えたいと言うた…

おっちゃんが言うた目的地は…

一体どこなのか?

…………………………
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