大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【赤い運命】

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…)

時は、9月29日の朝9時半頃であった。

この日は、朝から雷をともなった雨が降っていた。

ところ変わって、奥鈍川《にぶかわ》にある高級旅館にて…

高級旅館は、温泉街から南西よりに10キロほど離れた山奥にあった。

旅館の前に大型の円タクが到着した。

文金高島田姿《はなよめすがた》のママは、つきそいの人たち8人と一緒に円タクから降りたあと館内に入った。

その後、ママは館内にある控室に入った。

出席者のみなさまは、午前11時過ぎにお越しになる予定であった。

ママは、祝言《しゅうげん》が始まるまでのあいだ控室に待機することになった。

(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)

時は、午前11時頃であった。

雨の降り方が少しずつ強くなった。

その頃、旅館内におおぜいの人たちが次々とお越しになられた。

沙知代《さちよ》と和義《かずよし》は、まだ旅館《ここ》に到着していなかった。

祝言《しゅうげん》は正午頃から始まる予定であったが、この時に深刻なもめ事が発生した。

この時、和田山の次男坊が新郎の控え室にいなかった。

大広間に集まった親類の人たちの間で非常に激しい動揺が生じた。

和田山の次男坊は、どこでなにをしているのだ…

和田山の次男坊は、甘えている…

間に立っている家のメンモクをつぶす気か…

この時、旅館内がより危険な状態におちいった。

ところ変わって、ママがいる控え室にて…

文金高島田姿《はなよめ》のママは、胎内にいる私に呼びかけた。

「よーくん…ごめんね…カナダに帰れなくなったの…ごめんね…ごめんね…」

この時であった。

道後から駆けつけて来たドナ姐《ねえ》はんが母子保護施設のスタッフさんたち8人と一緒に控え室に入った。

「きょうこちゃん!!きょうこちゃん!!助けに来たよ!!」
「ドナ姐《ねえ》はん!!」

母子保護施設のスタッフさんたち8人は、ママを抱きかかえたあとゆっくりと控え室から出た。

その後、控え室の外にいた子守女《こもりめ》さんたち100人と一緒に非常口から脱出した。

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…)

時は、午後12時半頃であった。

この時、雨の降り方がさらに強くなった。

文金高島田姿《はなよめすがた》のママは、子守女《こもりめ》さんたち100人と母子保護施設のスタッフさんたち8人とドナ姐《ねえ》はんと一緒に旅館から脱出したあと自動車が待機している待避所ヘ歩いて向かった。

ところ変わって、待避所にて…

待避所には、大型自動車30台が停まっていた。

文金高島田姿《はなよめすがた》のママとドナ姐《ねえ》はんと母子保護施設のスタッフさんたち8人と子守女《こもりめ》さんたち300人が到着した。

「時間がないわよ!!急いで!!」

ワゴン車に乗っていたマァマがドナ姐《ねえ》はんと施設のスタッフさんたち8人と子守女《こもりめ》さんたち300人に呼びかけた。

このあと、丁稚《でっち》どんたち1000人が手助けに入った。

車の中にて…

文金高島田姿《はなよめすがた》のママは、ドナ姐《ねえ》はんと母子保護施設のスタッフさんたち8人と子守女《こもりめ》さんたちと一緒に40人乗りの大型乗用車に乗り込んだ。

「きょうこちゃん大丈夫!?」
「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」

マァマに抱きついたママは、くすんくすんくすんと泣き出した。

このあと、子守女《こもりめ》さんたちと丁稚《でっち》どんたちが30台の大型乗用車に分乗した。

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

午後1時10分頃に30台の大型乗用車が待避所から出発した。

マァマに抱きついているママは、くすんくすんと泣いていた。

車30台は、現場から出発したあと国道317号線〜県道北条玉川線を通って風早町《かざはやちょう》(今の松山市)へ抜けた。

その後、国道196号線を通って松山市中心部へ向かった。

さて、その頃であった。

旅館内で大パニックが発生した。

花嫁さんの控え室にいた花嫁さんが行方不明になったので、祝言《しゅうげん》ができなくなった…

…と和田山の家の親類たちが騒いだ。

この時、仲人さんが城島《きじま》の家に電話をかけた。

またところ変わって、今治市松本町《しないまつもとちょう》にある城島《きじま》の家にて…

家で新たなもめ事が発生した。

次女の香那《かな》が9月29日の昼前にボロボロに傷ついた姿で帰宅した。

香那《かな》は、前夜に男たちから集団レイプの被害を受けた…

男たちは、香那《かな》と付き合っていた若い衆の知人たちであった。

香那《かな》は、この最近若い衆が暮らしているアパートの部屋に入り浸りになっていたことが明らかになった。

香那《かな》が犯したあやまちのせいで沙知代《さちよ》と和義《かずよし》はママの祝言《しゅうげん》に行くことができなかった。

家の大広間に若い衆の親きょうだいたちとボロボロに傷ついた香那《かな》と和義《かずよし》と沙知代《さちよ》がいた。

沙知代《さちよ》は、仲人さんからかかって来た電話の応対をしていた。

沙知代《さちよ》は、ものすごくいらついた声で仲人さんに言うた。

「もしもし!!今うちは大問題が発生したので、祝言《しゅうげん》どころじゃないのよ!!…次女がよその男が暮らしている部屋に入り浸りになっていた上に、ゴーカンの被害を受けたのよ!!…その上に…次女がよその男の子供を身ごもったのよ!!…できたら次女に変えたいけど、次女はまだ14だから無理よ!!…三女はまだ13だから無理よ!!…無理と言うたら無理よ!!」

(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロドザー!!ドザー!!ドザー!!ドザー!!)

この時、よりしれつな雷鳴が轟いたあと1時間に80ミリに相当するもうれつな雨が今治市内《しない》に降った。
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