大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第71話・悲しみがとまらない

【アメリカ橋】

時は、正午過ぎであった。

この時間、高松市内の空は灰色の雲におおわれていたが雨はやんでいた。

雲のすきまから陽の光がたくさんさしていた。

またところ変わって、高松北警察署の会議室にて…

会議室には、生活安全課の男性職員2人と私の3人がいた。

私と一緒にトラックに乗っていた夫婦は、生活安全課に連れて行かれたあと職員たち一緒に今後のことについて話し合いをしていた。

その一方で、運転手《うんちゃん》は危険な運転をしていたなど…道路交通法《ホーリツ》にテイショクする事象があったので現行犯逮捕された。

宇高連絡船《れんらくせん》の乗り場で起こした傷害事件についても、容疑が固まり次第再逮捕する方針であった。

運転手《うんちゃん》に暴力を振るわれた養父母のうち、養父は全身を強く打つなど…重傷を負った。

養母もまた、重傷を負った。

場合によっては、運転手《うんちゃん》は殺人の容疑で逮捕される可能性も高くなった。

……………………

私は、生命安全課《セイアン》の職員から『お二方の実家のご家族の方が起こしになるまで待ってください。』と言われたので、外へ出ることができなかった。

私は、近くにいる男性職員ふたりに対して怒った声で言うた。

「すみません!!」
「はい?」
「いつになったら出られるのですか!?」
「あの、しばらくのあいだお待ち下さい〜」
「だから、いつまでここにいたらいいのですか!?」
「あの〜、お二方の実家のご家族さまたちが起こしになるまで…」
「こっちは急いでいるのですよ!!」
「分かっています〜」
「それと、あのクソなさけない夫婦を始末せえよ!!」
「分かってますよ〜」
「分かっているのだったら、あのクソなさけない夫婦をしわいてよ(叩いてよ)!!」
「しわくは、島の名前ですよ〜」
「香川県の諸島《しま》の名称の話しじゃねえんだよ!!あの夫婦は寝ぼけたことを言ってるからしわいて(叩いて)言うことを聞かせろと言ってるのだよ!!」
「夫婦は20代で大人ですよ〜」
「あんたらがなんと言おうとあのふたりはまだ子どもだ!!」
「分かってますよ〜」
「ほんならあのクソなさけないアホンダラ夫婦をしわいてこい(叩いてこい)!!」
「分かりましたよ〜」

男性職員ふたりは、ものすごく困った表情でオタオタとオタついた。

…………………………

またところ変わって、署内にある個室トイレにて…

洋式便器に腰かけている私は、思い切りイラつきながらつぶやいた。

最近の若いもんはけしからん!!

『結婚』をなんだと思っているのだ…

考えただけでも腹がたつ!!

…………………………

(ボトン!!ボチャーン!!)

便器の水たまりにイラついたものがおちた音が聞こえた。

「いつになったら二人の実家の人間は来るのか…」

……………………………

時は、夕方5時50分頃であった。

この時、東の空が暗くなった。

都会《まち》に灯りが灯り始めた。

またところ変わって、会議室にて…

私は、右腕につけているロレックスの腕時計を見ながらイラついた声で言うた。

「もうすぐ6時だと言うのに…いつになったら2人の実家の家族のみなさまは到着するのだ!!」

私は、時計をみたあとふたりの男性職員に対して怒った声で言うた。

「コラ!!」
「はい?」
「あのクソなさけない夫婦の実家の家族たちはまだ到着しないのか!?」
「向かってますよ〜」
「コラ!!」
「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ〜」
「もうすぐ到着しますと言うておいて何時間が経過したと思っているのだ!?」
「あの…奥さまのご実家は…愛媛県の…島の方に…」
「このやろうふざけるな!!」
「ですから、奥さまのご実家は…ヌワジマにあるのですよ〜」
「ヌワジマかなに島か知らないけど…こっちはソートー怒り狂っているのだよ!!」
「すみません〜」
「ほんならここから出せ!!」
「出しますよ…ですが、お二方の実家の人たちはきちんとしたお礼がしたいと言うてるのです〜」

私は、ものすごく怒った声で言い返した。

「オレは、カネ払ったら許してもらえると言う考え方はすごくムカつくのだよ!!」
「お気持ちはよく分かります〜」
「ほんならここから出せ!!」
「出せません〜」
「出せと言うたら出さんかい!!」
「出せません〜」
「オレは、あのクソなさけない夫婦におちょくられたので怒り狂っているのだよ!!」
「おちょくってませんよ〜」
「ふざけるな!!」
「すみません〜」

このあと、双方が押し問答をしたのでヨレヨレになった。

結局、クソなさけない夫婦の実家のご家族のみなさまは警察署《ここ》に来なかった。

クソなさけない夫婦の妻の実家は怒和島《ヌワジマ》…

ダンナの実家は、隠岐郡《おきぐん》(島根県)にある小さい島…

…にそれぞれ実家がある。

夫婦の実家の家族たちは、カーフェリーと国道経由で車移動をしていた。

高松《こちら》に到着する時刻は、予定よりも大きく遅れることぐらいは分かっている…

だけど、クソなさけない夫婦のせいで予定変更をしいられた私の身にもなれよ!!

時は、12月15日の朝6時過ぎであった。

私は、会議室で一夜を明かしたがイッスイもできなかった。

私は、ロレックスの腕時計を見ながら言うた。

「あのクソなさけないアホンダラ夫婦の実家の家族たちはいつになったらここに到着するのだ!?…もしかしたら…途中で気持ちが変わったから引き返したのではないのか!?」

この時であった。

会議室に黒スーツ姿の男性刑事がやって来た。

黒スーツ姿の男性刑事は、生活安全課《せいあん》の男性職員ふたりに対して耳打ちで話をしていた。

この時、なさけない夫が今から3年ほど前に宿毛市内の居酒屋で発生した大乱闘事件を起こしていたことが明らかになった。

なさけない夫は、このあと高知県警へ移送されることになった。

なさけない夫の実家の家族たちは隠岐郡《おきぐん》から高松《こちら》へ向かっていたと思っていた…

しかし、あとになって実家の家族たちは『(なさけない夫)は、遠いむかしにカンドーしました!!』と言う理由でむかえに行くことを拒否していたことがわかった。

そして、人妻さんの実家の家族たちも人妻さんをむかえに行くことを強く拒否したことが分かった。

それでは、人妻さんの身元を引受ける人は一体だれや!!

私は、ガマンの限度が来たので爆発しそうになった。

……………………

それからまた10分後であった。

会議室に生活安全課《せいあん》の男性職員3人がやって来た。

男性職員の1人が『(人妻)さんのいとこさんにあたる男性がむかえに来ました〜』と会議室にいた男性職員ふたりに言うた。

それを聞いた私は、ショルダーバックを持って席から立ち上がった。

その後、私はショルダーバックを持って会議室から出ようとした。

この時、私は生活安全課《せいあん》の職員に止められた。

「待ってください〜」
「なんですか!?」
「どちらへ行かれるのですか?」
「どこへ行こうとオレの勝手だ!!」
「あの〜、(人妻)さんのご親族の方がお礼を持ってこられたのですよ〜」
「おことわりいたします!!」
「どうしておことわりするのですか?」
「ことわると言うたらことわる!!」
「ご親族の方は、ご両親のピンチヒッターで来られたのですよ〜」
「ことわると言うたらことわる!!」
「それじゃあ、お礼のごあいさつだけでもして行ったらどうですか?…今、(人妻)さまのいとこさまをお連れしました〜」
「…ったくも!!」

生活安全課《せいあん》の職員たちがどうしてもと言うたので、私は仕方なくたのみを聞いた。

それからまた1分後であった。

人妻さんのいとこがむらさきの風呂敷包みを持って会議室に入った。

人妻さんのいとこさんは、ものすごくいい子さんの表情で私に声をかけた。

「あの〜」
「コラ!!」
「はい?」
「てめえは、(人妻)さんとどんな関係があるのだ!?」
「ぼくと(人妻)さんは、いとこですよ〜」
「ふざけるな!!」
「ぼくはお礼をもってきたのですよ〜」
「本来なら(人妻)さんのご両親がお礼を持ってくるのがスジだろが!!」
「(人妻)さんのご両親は、忙しいから…」
「ふざけるな若造《クソガキ》!!」
「ああ、落ち着いてください〜」

この時、私の近くにいた生活安全課《せいあん》の男性職員ふたりが私を止めた。

男性職員ふたりは、おだやかな声で私に言うた。

「あの…(いとこ)さまは、あなたにお礼を受け取ってほしいと言うてるのです〜」
「お礼は、(いとこ)さまのおじい様が大切にしていたコットウ品を売却したのですよ〜」
「ここはひとつ、お受け取りになられたほうがいいと思いますよ〜」

私は、ものすごく怒った声で言うた。

「なんや!!もういっぺん言うてみろ!!今なんて言うた!?」
「ですから『お礼を受け取ってください〜』と言うたのですよ〜」
「拒否する!!」
「どうして拒否するのですか?」
「拒否すると言うたら拒否する!!」
「(いとこ)さまは、受け取ってくださいと言うてるのですよ〜」

生活安全課《せいあん》の職員たちが私に対して上から目線でものを言うた。

思い切りブチ切れた私は、人妻さんのいとこさんに対して怒鳴りつけた。

「おい若造《クソガキ》!!」
「はい。」
「オドレのオジイはどこのどこまでお人好しだ!?」
「おじいちゃんは、人助けをするためにコットウ品を売却したのですよ〜」
「やかましいだまれ!!」

生活安全課《せいあん》の職員たちは、ものすごく困った声で私に言うた。

「あの〜、(いとこ)さんが…待っていますよ〜」
「そうですよ…(いとこ)さんは、お礼を受け取ってくださいと言うてるのですよ〜」

生活安全課《せいあん》の男性職員たちから上から目線で言われた私は、いとこさんに対してよりし烈な怒鳴り声をあげた。

「オドレ若造《クソガキ》!!よこせおら!!」

私は、人妻さんのいとこさんが持っていた風呂敷包みを強奪した。

その後、ショルダーバックの中に収納した。

いとこさんは、ものすごくつらそうな表情を浮かべていた。

私は、よりよりし烈な怒りをこめながらいとこさんに言うた。

「なんやその顔は…オレに対していちゃもんつける気か!?」
「つけてませんよ〜」
「口答えするな!!」
「すみませんでした〜」

その後、私はいとこさんと生活安全課《せいあん》の男性職員たちを怒鳴りつけた。

「オドレらはオレをグロウしたから許さない!!オドレらの頭の中は『カネ』しかないのか!?」
「ちがいますよ〜」
「ふざけるな!!…もう終わりましたので出ていいですか!?」
「あっ、はい〜」
「ほな、失礼します!!」

思い切りブチ切れた私は、会議室から出たあと『ああ!!いらつくわもう!!』と叫び声をあげた。

人妻さんのいとこさんと生活安全課《せいあん》の男性職員たちは、ものすごくあきれた表情で『態度が悪いのぉ〜』とつぶやいた。
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