大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【おもいで河】

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…キーッ、プシュー…)

時は、午前11時50分頃であった。

特急南風1号が大歩危駅に到着した。

大勢の乗客たちは、列車から降りたあと駅から国道へ向かって歩いた。

ショルダーバックを持って列車から降りた私は、駅から出たあと山へ向かって歩いた。

列車は、午前11時頃に阿波池田ー高知間で徐行運転する形で運行が再開された。

しかし、途中の小歩危駅で雷を伴った非常に激しい雨が降り出したので列車の運行がまた止まった…

その後、列車の運行が再開されたが再び激しい雨が降り出したので大歩危駅で運行を取りやめになった。

このため、乗客たちは国鉄が用意したバスに乗って阿波池田駅へ引き返すことになった。

私は、バスに乗らずに山の方へ歩いて向かった。

今の私は、とてもとは言えないが心身ともにヒヘイしていた。

もうつかれた…

しんどい…

…………………

(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)

時は、午後2時半頃であった。

またところ変わって、祖谷のかずら橋の下にて…

この時、雷を伴った非常に激しい雨が降っていた。

雨に濡れた状態で立っている私は、中島みゆきさんの作詞・作曲の歌で『おもいで河』を震える声歌いながら川辺を見つめていた。

………………………

なんで…

なんで私は…

過酷な人生を選んだのか…

こんなことになるのであれば…

普通の人生を送りたかった…

小学校から大学へ行って…

大卒後に、大手企業に就職して…

職場で出会った素敵なカノジョと恋をして…

結婚して…

子どもを産み育てる…

普通の生き方が良かった…

普通の生き方ができなかった…

なんで普通の生き方ができなかったのか?

……………………

普通の生き方ができなかった原因はなんや…

私の人生設計を勝手に決めたのはだれだ!!

もうつかれた…

もうつかれた…

…………………………

「うううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう…」

ひと通り歌を歌い終えた私は、その場に座り込んだあと震える声で泣いた。
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