大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第73話・すずめの涙
【生きぬいて】
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…)
時は、12月29日の朝7時過ぎであった。
またところ変わって、国鉄壬生川駅の前にある電話ボックスにて…
私は、コイン投入口に10円玉をたくさん入れたあとボタンを押した。
(プルルルル…カチャ)
電話がつながった。
受話器のスピーカーから女性の声が聞こえた。
女性の声は、ソヒ姐《ねえ》はんであった。
「もしもし、ソヒです。」
「ソヒ姐《ねえ》はん!!」
「その声はよーくんね!!」
「うん。」
「今、どこにいるのよ!?」
「壬生川駅。」
「壬生川駅…なんでそんなところにいるのよ!?」
「ソヒ姐《ねえ》はん!!こっちは非常事態におちいっているのだよ!!」
「それはそうだけど…」
「大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんの居場所が分からない…連絡網をシャダンされている…その中でどうやって問題を解決しろというのだよ!?」
「そうだったわね…ごめんなさい。」
またところ変わって、道後温泉伊佐爾波坂《どうごいさにわざか》にある置屋にて…
ソヒ姐《ねえ》はんは、ダイヤル式の黒電話機にかかってきた電話の応対をしていた。
ソヒ姐《ねえ》はんは、受話器越しにいる私に声をかけた。
「よーくん、話変わるけど…この最近、ほたるさんと会ったの?」
「ほたるさん…さあ、あってないけど。」
「会ってないのね。」
「ああ。」
「おかしいわね〜」
またところ変わって、壬生川駅の入り口付近にある電話ボックスにて…
私は、受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんに怒った声で言うた。
「おかしいわね…って…それどう言う意味なんだよ!?」
「違うのよよーくん。」
「それじゃあ、どう言うことなのだよ!?」
「よーくん…よーくんに聞くけど、ほたるさんから預かっているものはないの?」
預かっているもの?
もしかしたら…
三永《みえ》さんに届けようとしていた…
例の親展書《ことづけ》か?
……………………
私は、ぼんやりした表情でつぶやいた。
受話器のスピーカーからソヒ姐《ねえ》はんの声が聞こえた。
「もしもし…もしもしよーくん…よーくん!!」
私は、ややあわてた声で言うた。
「えっ?…預かってるもの!?…えー…ちょっと待って…オレ…頭の中で大混乱が生じて…よく思い出せないのだよ…ああ…どうしよう…」
受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんは、困った声で言うた。
「よーくん…おぼえてないの?」
「えっ?」
「よーくん。」
「なに!?」
「よーくん、よーく思い出してよ…去年(1981年)の10月の第二週の週末頃だったと思うけど…その日によーくんはほたるさんと会ったよね。」
「会ったけど…」
「その時、ほたるさんはよーくんに対してなにかを頼んだと思うけど…」
ううううううううううううううううう…
おぼえてない…
いや…
思い出せない…
受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんは、イライラした声で私に言うた。
「よーくん…よーくん!!」
ソヒ姐《ねえ》はんに怒鳴られた私は、ものすごくオタついた声で言うた。
「ソヒ姐《ねえ》はん…オレ…よくおぼえてないのだよ…ほたるさんと会ったのは会ったけど…あの時は…え~と…(松山市)二番町のスナックでお酒をのみながら身の上話をしていただけだよ!!」
「身の上話をしていただけよね。」
「そうだけど…」
「分かったわ…それともう一つよーくんに聞きたいことがあるけど…」
「だからなに!?」
「きのうの夜に…三永《みえ》さんが波方公園で行方不明になったわよ~」
「えっ?三永《みえ》さんが行方不明になった!?」
「うん…よーくん、何か知ってる?」
「いや…聞いてない…ソヒ姐《ねえ》はん…ソヒ姐《ねえ》はん!!」
「よーくん、もう一度聞くけど、よーくんはほたるさんと最後に会った日は去年の10月だったわね〜」
「そうだよ!!」
「その時に、よーくんはほたるさんから頼まれたものはあったの?」
「だから、あの日の夜は二番町にあるほたるさんの店でお酒をのみながら身の上話をしていたのだよ!!」
「よーくんは、何時頃に店から出たの?」
「おぼえてないよ!!」
「ねえ、よく思い出してよ〜」
「ソヒ姐《ねえ》はん、オレ…ゆうべ寝てないのだよ…すごくしんどいのだよ…」
「ごめんなさい。」
「ソヒ姐《ねえ》はん!!」
「よーくん、ほたるさんと三永《みえ》さんのことで分かったことがあったらまた電話してくれるかな?」
「分かった。」
「よーくん…うちはすごく困っているのよ…お願い…」
「わかってるよ!!」
…………………………
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
それからまた2時間後であった。
電話を終えた私は、壬生川駅から上りの各駅停車《どんこう》に乗って伊予小松駅まで行った。
伊予小松駅で列車を降りた私は、ヒッチハイクをする場所まで歩いて行った。
これはただ事ではない…
下手したら…
私のいのちが危ないかもしれない…
どうしたらいいのだ…
………………………
時は、12月29日の朝7時過ぎであった。
またところ変わって、国鉄壬生川駅の前にある電話ボックスにて…
私は、コイン投入口に10円玉をたくさん入れたあとボタンを押した。
(プルルルル…カチャ)
電話がつながった。
受話器のスピーカーから女性の声が聞こえた。
女性の声は、ソヒ姐《ねえ》はんであった。
「もしもし、ソヒです。」
「ソヒ姐《ねえ》はん!!」
「その声はよーくんね!!」
「うん。」
「今、どこにいるのよ!?」
「壬生川駅。」
「壬生川駅…なんでそんなところにいるのよ!?」
「ソヒ姐《ねえ》はん!!こっちは非常事態におちいっているのだよ!!」
「それはそうだけど…」
「大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんの居場所が分からない…連絡網をシャダンされている…その中でどうやって問題を解決しろというのだよ!?」
「そうだったわね…ごめんなさい。」
またところ変わって、道後温泉伊佐爾波坂《どうごいさにわざか》にある置屋にて…
ソヒ姐《ねえ》はんは、ダイヤル式の黒電話機にかかってきた電話の応対をしていた。
ソヒ姐《ねえ》はんは、受話器越しにいる私に声をかけた。
「よーくん、話変わるけど…この最近、ほたるさんと会ったの?」
「ほたるさん…さあ、あってないけど。」
「会ってないのね。」
「ああ。」
「おかしいわね〜」
またところ変わって、壬生川駅の入り口付近にある電話ボックスにて…
私は、受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんに怒った声で言うた。
「おかしいわね…って…それどう言う意味なんだよ!?」
「違うのよよーくん。」
「それじゃあ、どう言うことなのだよ!?」
「よーくん…よーくんに聞くけど、ほたるさんから預かっているものはないの?」
預かっているもの?
もしかしたら…
三永《みえ》さんに届けようとしていた…
例の親展書《ことづけ》か?
……………………
私は、ぼんやりした表情でつぶやいた。
受話器のスピーカーからソヒ姐《ねえ》はんの声が聞こえた。
「もしもし…もしもしよーくん…よーくん!!」
私は、ややあわてた声で言うた。
「えっ?…預かってるもの!?…えー…ちょっと待って…オレ…頭の中で大混乱が生じて…よく思い出せないのだよ…ああ…どうしよう…」
受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんは、困った声で言うた。
「よーくん…おぼえてないの?」
「えっ?」
「よーくん。」
「なに!?」
「よーくん、よーく思い出してよ…去年(1981年)の10月の第二週の週末頃だったと思うけど…その日によーくんはほたるさんと会ったよね。」
「会ったけど…」
「その時、ほたるさんはよーくんに対してなにかを頼んだと思うけど…」
ううううううううううううううううう…
おぼえてない…
いや…
思い出せない…
受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんは、イライラした声で私に言うた。
「よーくん…よーくん!!」
ソヒ姐《ねえ》はんに怒鳴られた私は、ものすごくオタついた声で言うた。
「ソヒ姐《ねえ》はん…オレ…よくおぼえてないのだよ…ほたるさんと会ったのは会ったけど…あの時は…え~と…(松山市)二番町のスナックでお酒をのみながら身の上話をしていただけだよ!!」
「身の上話をしていただけよね。」
「そうだけど…」
「分かったわ…それともう一つよーくんに聞きたいことがあるけど…」
「だからなに!?」
「きのうの夜に…三永《みえ》さんが波方公園で行方不明になったわよ~」
「えっ?三永《みえ》さんが行方不明になった!?」
「うん…よーくん、何か知ってる?」
「いや…聞いてない…ソヒ姐《ねえ》はん…ソヒ姐《ねえ》はん!!」
「よーくん、もう一度聞くけど、よーくんはほたるさんと最後に会った日は去年の10月だったわね〜」
「そうだよ!!」
「その時に、よーくんはほたるさんから頼まれたものはあったの?」
「だから、あの日の夜は二番町にあるほたるさんの店でお酒をのみながら身の上話をしていたのだよ!!」
「よーくんは、何時頃に店から出たの?」
「おぼえてないよ!!」
「ねえ、よく思い出してよ〜」
「ソヒ姐《ねえ》はん、オレ…ゆうべ寝てないのだよ…すごくしんどいのだよ…」
「ごめんなさい。」
「ソヒ姐《ねえ》はん!!」
「よーくん、ほたるさんと三永《みえ》さんのことで分かったことがあったらまた電話してくれるかな?」
「分かった。」
「よーくん…うちはすごく困っているのよ…お願い…」
「わかってるよ!!」
…………………………
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
それからまた2時間後であった。
電話を終えた私は、壬生川駅から上りの各駅停車《どんこう》に乗って伊予小松駅まで行った。
伊予小松駅で列車を降りた私は、ヒッチハイクをする場所まで歩いて行った。
これはただ事ではない…
下手したら…
私のいのちが危ないかもしれない…
どうしたらいいのだ…
………………………