大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【身勝手な女】

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

日付が変わって、12月31日の深夜1時10分頃であった。

私は、自販機コーナーから出発したあと国道56号線を歩いて南へ向かった。

この時間、私は大洲市新谷《おおずしにや》付近の国道56号線の歩道を歩いていた。

車道にたくさんの自動車が走っていた。

これから先…

どこへ行こうか…

大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんたちの居場所がわからない…

イワマツを作るプロジェクトを始めるための準備が出来上がったのに、お仕事を始めることができない…

次から次へとややこしいもめ事ばかりがつづいた…

ひとりの力だけで対処することができない…

これから…

どうすればいいのだ…

…………………

その後、私は国道56号〜197号線を歩いて八幡浜市へ向かった。

朝7時半頃に八幡浜港に到着した。

……………………

時は、7時45分頃であった。

またところ変わって、八幡浜港の待合室にある公衆電話のコーナーにて…

(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…ジー、ジー、ジー、ジー…)

私は、10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

私は、受話器を手に取ったあとコイン投入口に10円玉をたくさん入れた。

その後、ダイヤルを回した。

(ジリリリリリリリリン!!ジリリリリリリリリン!!)

またところ変わって、道後温泉伊佐爾波坂《どうごいさにわざか》にある置屋にて…

上がり口の居間に置かれている黒のダイヤル式の型の古い電話機のベルが鳴り響いていた。

ソヒ姐《ねえ》はんは、受話器をあげたあと話をした。

「もしもしソヒです…その声は…よーくんね…今どこにいるのよ?…八幡浜…なんでそんなところにいるのよ!?」

またところ変わって、八幡浜港の待合室にある公衆電話のコーナーにて…

私は、ムッとした表情でソヒ姐《ねえ》はんに言うた。

「ソヒ姐《ねえ》はん!!それはどう言う意味だよ!?…こっちはすごく困っているのだよ!!大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんの居場所が分からない!!…次から次へとややこしいもめ事が起こっている!!…心身ともにボロボロで苦しい…一人で対処することができずに困っている…それなのに『なんでそんなところにいるのよ!?』ってどう言うことや!?」

またところ変わって、置屋にて…

ソヒ姐《ねえ》はんは、ものすごく困った声で私に言うた。

「なんで怒った声で言うのよ〜」
「怒りたくもなるよ!!」
「よーくんお願い…落ち着いてよ!!」

またところ変わって、八幡浜港の待合室にある公衆電話のコーナーにて…

受話器の向こう側からソヒ姐《ねえ》はんの声が聞こえた。

「それよりもよーくんに聞きたいことがあるのよ〜」

私は、怒った声で『聞きたいことってなんだよ!?』と言うた。

受話器越しにいるソヒ姐《ねえ》はんは、困った声で私に言うた。

「よーくん、去年の10月10日の夜のことだけど…」
「去年の10月10日…去年の10月10日がどうかしたのかよ!?」
「よーくん、怒らないで落ち着いて聞いてよ〜」
「だから去年の10月10日になにがあったと言うのだよ!?」
「去年の10月10日の夜に三永《みえ》さんかほたるさんのどちらかに会ったよね?」
「三永《みえ》さんとほたるさんのどちらかと会ったよね…って…それどう言うことだよ!?」
「よーくん答えてよ!!」

ソヒ姐《ねえ》はんがイラついた声で言うたので、私は怒った声で言い返した。

「ソヒ姐《ねえ》はん!!それはいくらなんでも無理だよ!!」
「どうして答えないのよ!?」
「ソヒ姐《ねえ》はんこそなんや!!ソヒ姐《ねえ》はんは、いつから刑事になったのだよ!?」
「よーくん落ち着いてよ〜」
「ソヒ姐《ねえ》はんはオレにどうしろと言いたいのだよ!?」
「アタシは、三永《みえ》さんかほたるさんのどちらかに会ったか会わなかったかをたずねているのよ!!」
「だからなんでオレにそんなことをたずねるのだよ!?」
「よーくん、三永《みえ》さんとほたるさんは…深刻なもめ事をかかえているのよ…」
「深刻なもめ事?…それってまさか…」
「そのまさか…よ…」
「まさか…ヤクザがからんでいたとか…」
「そうよ。」
「なっ、なんだって!?」
「よーくん、気を確かにしてよく聞いて!!…三永《みえ》さんが武藤会にいた若頭と交際していたのよ…三永《みえ》さんは…別れ話がもつれたことが原因でもめたのよ!!」
「別れ話がもつれたことが原因でもめた!?」
「そうよ…その上に、三永《みえ》さんが若頭を私物化していたことが明らかになったのよ!!」
「なんだって!?」
「そのもめ事が発生した日は10月3日だったのよ!!」
「10月3日…」
「そうよ…よーくん、これで分かったでしょ。」
「ああ。」
「もう一度よーくんに聞くけど、10月10日の夜に三永《みえ》さんかほたるさんに会わなかった?」
「おぼえてねーよ!!」
「思い出してよ!!」
「おぼえてねーと言ったらおぼえてねーよ!!」

(ガチャン!!ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)

思い切りブチ切れた私は、受話器をガチャンと置いた。

同時に、返却口に10円玉がたくさん出た。

なんだよ一体もう!!

ソヒ姐《ねえ》はんは、私を悪者呼ばわりしたから許さんぞ!!

……………………

(ボーッ、ボーッ、ボーッ…)

時は、正午過ぎであった。

私が乗り込んだ宇和島運輸フェリーが八幡浜港から出港した。

船室《キャビン》にて…

ショルダーバックをひざの上にのせた状態で座席に座っている私は、窓に写っている風景を疲れた表情で見つめていた。

もう生きていくのも疲れたよ…

疲れた表情を浮かべていた私は、なにを思っていたのだろうか…

……………………
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