大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【靴音】

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、夜7時20分頃であった。

私は、別府観光港でフェリーから降りたあと歩いて国鉄別府駅へ向かった。

その後、別府駅から19時5分頃に出発した博多行きの特急にちりんに乗って再び旅に出た。

車内にて…

ショルダーバックをひざの上にのせた状態で座っている私は、窓に写っている車窓の風景を見つめながら考え事をしていた。

もし私が…

一般の人たちと同じ暮らしをしていたら…

私の人生は…

360度変わっていたと思う。

一流大学を卒業して…

大手のプライム企業に就職していたと思う…

そして、素敵なカノジョと出会って…

素敵な恋をして…

結婚して、子供が生まれて家庭を持っていた…

55歳の定年まで家族のために働き通したあとユーユージテキの暮らしに入る…

そして…

60の還暦のお祝いに…

赤いチャンチャコを着て…

家族みんなにカンレキのお祝いの席に座っていた…

…のはずだったのに…

なんなのだ一体これは…

つらい…

悲しい…

………………………

(コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン…)

時は、深夜11時50分頃であった。

私は、小倉駅で特急列車《れっしゃ》を降りたあと門司港行きの各駅停車《どんこう》に乗り継いで門司港駅まで行った。

門司港駅で列車を降りたあと、私は歩いて旅に出た。

この時間、私は関門トンネルの歩道を歩いていた。

トンネル内に私の靴音が響いていた。

私はこのまま…

一人ぼっちで人生を終えるのか…

そう思いながら、私は歩きつづけた。

1982から1983年にかわる瞬間は、トンネルを歩いている時に迎えた。
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