大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【しあわせ芝居】
時は、5月8日の朝7時10分頃であった。
ところ変わって、尾鷲市《なんきおわせ》にあるてつろうの実家にて…
実家の大広間に家族たち8人が集まっていた。
テーブルの上には、家事代行サービスの女性さんが作った朝ごはんが並んでいた。
この時であった。
半兵衛《はんべえ》がつらそうな声でまさよに言うた。
「まさよさん。」
「(まさよ、怒った声で謂う)なんでしょうか!?」
「てつろう…」
「てつろうのことは言わないでください!!」
「なんで言うたらいかんのぞ?」
「てつろうは、うちら家族たちと鳥居《よそ》の家の家族たちに暴力をふるったあと鳥居《よそ》の家の大事なひとり娘を連れて家出したのよ!!」
「だけどな〜」
「義父《おとう》さまはなさけないわね!!フツーだったら、義父《おとう》さま自身が市役所に行って手続きを取りに行かなきゃいかんのよ!!」
「なんでワシが市役所に行くのだ?」
「義父《おとう》さま!!てつろうは鳥居《よそ》の家の大事なひとり娘をユーカイしたのよ!!あやまちを犯したてつろうを潮崎《このいえ》の戸籍《せき》から外すのよ!!」
「潮崎《このいえ》の戸籍《せき》からてつろうを外せだと!?」
「義父《おとう》さまは、潮崎《このいえ》を守っていく意思はあるの!?ないの!?」
「ちょっと待ってくれ〜…なんでてつろうを潮崎《このいえ》の戸籍《せき》を外さなきゃいかんのだ!?」
「義父《おとう》さま!!」
(ガーン!!)
この時であった。
思い切りブチ切れた弘輝《ひろき》が席から立ったあと右足で席をけとばした。
その後、カバンを持って家から出た。
家事代行サービスの女性さんは、テーブルの上に置かれていたお弁当を持って外へ出た。
「弘輝《ひろき》さん、お弁当!!」
それからまた1分後であった。
まさよは、怒った声で半兵衛《はんべえ》に言うた。
「義父《おとう》さま!!」
「なんだよ〜」
「うちは、鳥居のひとり娘とてつろうが結婚することは猛反対です!!」
「なんで猛反対するのだよ〜」
「猛反対と言うたら猛反対です!!」
「それじゃあ、どう言った相手ならいいのだ?」
「ちがう相手であっても、てつろうは結婚できません!!」
「なんでできないのだ!?」
「義父《おとう》さまは、てつろうが子どもの時に悪いことをしたのよ!!」
「悪いことをしたから結婚できない理由を説明しろ!!」
「てつろうは子どもの時に親バレのトラブルを起こしたのよ!!中学にいた時も親バレのトラブルを起こした!!高校にいた時は、女子生徒をレイプして妊娠させたのよ!!義父《おとう》さまがてつろうを甘やかしてばかりいたから悪い子になったのよ!!」
(ガーン!!)
思い切りブチ切れた隆輝《りゅうき》は、しょうゆが入っている小びんを半兵衛《はんべえ》に投げつけたあとサックスバーの大きめのスーツケースを持って席を立った。
その後、怒った声で言うた。
「オレ、しばらくのあいだ家を離れて大阪へ行くから…」
「大阪。」
「なんで大阪へ行くのよ?」
「職場から出向を命ぜられたから行くのだよ!!」
思い切りブチ切れた隆輝《りゅうき》は、サックスバーの大きめのスーツケースを持って家から出た。
半兵衛《はんべえ》は、泣きそうな表情で『隆輝《りゅうき》〜』と言うた。
(バーン!!)
玄関から激しい音が聞こえた。
「行ってくる!!」
つづいて、遥輝《はるき》が手提げカバンを持って家から出た。
その後、あずさもハンドバッグを持って家から出た。
つづいて、昌輝《まさき》と和子も食卓から出た。
まさよは、怒った声で半兵衛《はんべえ》に言うた。
「義父《おとう》さま!!」
「なんだよ〜」
「てつろうのことよりも、隆輝《りゅうき》と昌輝《まさき》と和子のことを最優先に考えてください!!」
「てつろうはどうなってもいいのか?」
「てつろうは潮崎《このいえ》の子供じゃないのよ!!結婚と言うのであれば、隆輝《りゅうき》の結婚問題を解決させることを最優先にしてください!!」
「なんで隆輝《りゅうき》の結婚問題を解決させることが最優先なのだ?」
「隆輝《りゅうき》は39よ39!!」
「39だからどうしろと言うのだ?」
「男性の39と40は違うのよ!!」
「だからどう違うと言うのだ?」
「40を過ぎたら(結婚相手の)条件が悪くなるのよ!!」
「だからなんで決めつけるのだよ〜」
「義父《おとう》さま!!うちはものすごくあせっているのよ!!」
「だからワシにどうしろと言うのだ!?」
「結婚が決まったカップルさんを別れさせてよ!!」
「なんでそんなリフジンなことをするのだよ?」
「隆輝《りゅうき》が悦んでいる顔が見たいからよ!!」
「わかったわかった…カップルを別れさせたらいいんだろ!!」
「頼りないわねボケジジイ!!」
思い切りブチ切れたまさよは、半兵衛にはき捨てる言葉を言うたあと大広間から出て行った。
「ああああああああああああああああああああああああ!!」
(ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガシャーン!!)
思い切りブチ切れた半兵衛《はんべえ》は、叫び声をあげながら食卓をひっくり返した。
その後、半兵衛《はんべえ》は叫び声をあげながら暴れまわった。
またところ変わって、和歌山県田辺市《なんきたなべ》の朝日ヶ丘にある特大和風建築の家にて…
家は、ゆりこの次兄《あに》・穴吹智久《あなぶきともひさ》(45歳・医師)と佐和子《さわこ》(44歳・専業主婦)の夫婦と長女・ことは(高2)と次女・りの(中2)が暮らしている家である。
豊《ゆたか》みつよの夫婦は、尾鷲《おわせ》の家で暮らして行くことができなくなったのでこの家に移り住んだ。
和久は、長男が犯したバスジャックの主犯でケーサツに逮捕された。
和久の妻子は、事件を苦に港湾《がんぺき》で入水した。
………で身寄りがいなくなったので、この家に転がり込んだ。
……………
話は変わって…
テーブルの上には、佐和子が作ったあさごはんが並んでいた。
ふたりの娘は、ごはんを食べたあとカバンを持ってそれぞれの学校へ向かった。
それから数秒後であった。
佐和子は、ものすごく心配げな声で言うた。
「義父《おとう》さま、義母《おかあ》さま。」
「佐和子さん。」
「どうなさるおつもりですか?」
「どうなさるおつもりですかって?」
「ゆりこさんのことですよ。」
智久《ともひさ》は、ものすごく怒った声で言うた。
「ゆりこのことはかまうなと言うただろ!!」
「あなた!!」
「ゆりことてつろうが結婚することは猛反対だ!!」
「あなた!!」
「てつろうとゆりこは、好きと結婚をコンドウさせているからねぼけているのだよ!!」
智久《ともひさ》は、豊《ゆたか》に対して怒った声で言うた。
「父さん!!」
「なんやねん〜」
「ゆりこの結婚相手になる人は安定した収入があって、職場と家庭だけを往復する暮らしを続けていくことができる人だと決めたのだよ!!」
「しかしだな…」
「父さん!!てつろうは過去に悪いことをしているのだよ!!高校生の時に女子生徒をレイプして妊娠させた…被害を受けた女子生徒が命を絶ったのだよ!!それでもてつろうがいいと言うのか!?」
「しかしだな〜」
「父さんと母さんが認めても、オレが猛反対と言うているからだめだ!!」
「智久《ともひさ》〜」
佐和子は、怒った表情で言うた。
「義父《おとう》さま!!主人は今、来年度のことで頭がいっぱいなのよ!!主人は和歌山県医師会《けんのいしかい》の理事長に選出されるために必死になっているのよ!!義父《おとう》さまは、主人が和歌山県医師会《けんのいしかい》の理事長に就任してほしいと思わないの!?」
豊《ゆたか》は、つらそうな声で言うた。
「なってほしいよ…智久《ともひさ》は和歌山県《けんみん》のためにずっと働いてきたのだから…医師会の理事長になってほしいよ〜」
佐和子は、小生意気な声で豊《ゆたか》に言うた。
「だったら、ゆりこさんとてつろうさんを合わせないでくださたさい!!」
「わかった!!」
豊《ゆたか》は、ひねた声で言うたあとぷんとひねた。
佐和子は、過度にやさしい声で智久《ともひさ》に言うた。
「あなた。」
「なんだ。」
「ゆりこさんの結婚相手の職業は、どんなひとがふさわしいと思う?」
「さっきもいっただろ…職場と家庭だけを往復できる人だと…」
「それだけじゃわからないわよ。」
「フツーのサラリーマンでいいと言うただろ!!」
「だけどあなた…」
「フツーのサラリーマンの方がゆりこを大事にすることができるのだよ!!」
「それじゃあ、会社経営者はだめだと言うの?あなた!!」
「うるさい!!行くぞ!!」
思い切りブチ切れた智久《ともひさ》は、お医者さんカバンを手にしたあと食卓から出た。
佐和子は、玄関を出て家から出た智久《ともひさ》の背中をだまって見送った。
さて、その頃であった。
またところ変わって、京都府京田辺市《きょうたなべ》の松井ヶ丘にある特大和風建築の家にて…
和風建築の家は、健介さんの実家であった。
家の食卓には、健介さんの両親・久信《ひさのぶ》かずえ夫婦と健介さんの姉・桃子(42歳・パート)と桃子の子どもふたり(5歳女の子と3歳男の子)がいた。
桃子の夫(41歳・商社マン〜ムコヨウシ)は、南米アルゼンチンにタンシンフニンチュウで家に不在であった。
テーブルの上には、桃子が作ったあさごはんがならんでいた。
この時、かずえが困った声で久信《ひさのぶ》に言うた。
「あなた。」
「どうしたのだ?」
「健介はいつになったら家に帰って来るのかな?」
「さあ、聞いてないけど…」
「困ったわね〜」
この時、柱についている時計のはりが8時に5分前をさしていた。
桃子は、やさしい声でふたりの子どもに言うた。
「ふたりとも、保育園に行く支度をしようね。」
「うん。」
「うん。」
桃子は、ふたりの子どもを連れてとなりの部屋に移った。
かずえは、困った声で久信《ひさのぶ》に言うた。
「あなた。」
「なんだ?」
「公則《まさのり》さん(ムコ)と連絡は取れないの?」
「公則《まさのり》さんは今、アルゼンチンで進めている巨大事業で忙しいと言うてるのだよ~」
「それじゃあ困るわよ…」
かずえは、ものすごく困った声で久信《ひさのぶ》に言うた。
「あなた。」
「なんだ?」
「やっぱり、健介に花嫁さんを迎えた方がいいと思うけど…」
「またその話か…近くに健介を思ってくださる相手《おあいて》がいないのにどうやって見つけるのだ?」
「だから、健介とゆりこちゃんを結ばせたいのよ。」
「ゆりこちゃんは、大学にいた時に知り合った男性《あいて》と結婚したのじゃないのか?」
「だけど、挙式前日にもめごとが起こったのよ!!」
「もめごとが起こった?」
「男性《あいて》がよその家の大事な娘さんを傷つけたのよ!!それで関係がハタンしたのよ!!」
「そうか…そうなのか…」
「だったら決めましょうよ。」
「だから何をだよ?」
「健介のお嫁さんをゆりこちゃんにすると言うことよ…健介とゆりこちゃんは、小ちゃい時から仲良しで、いつもうちに遊びに来たじゃない…一緒におままごとしていたところも見ていたのよ…あなたそうしましょう〜」
かずえから言われた久信《ひさのぶ》は、ものすごく困った表情を浮かべた。
かずえは、健介さんとゆりこを結ばせようと大ハリキリした。
ところ変わって、尾鷲市《なんきおわせ》にあるてつろうの実家にて…
実家の大広間に家族たち8人が集まっていた。
テーブルの上には、家事代行サービスの女性さんが作った朝ごはんが並んでいた。
この時であった。
半兵衛《はんべえ》がつらそうな声でまさよに言うた。
「まさよさん。」
「(まさよ、怒った声で謂う)なんでしょうか!?」
「てつろう…」
「てつろうのことは言わないでください!!」
「なんで言うたらいかんのぞ?」
「てつろうは、うちら家族たちと鳥居《よそ》の家の家族たちに暴力をふるったあと鳥居《よそ》の家の大事なひとり娘を連れて家出したのよ!!」
「だけどな〜」
「義父《おとう》さまはなさけないわね!!フツーだったら、義父《おとう》さま自身が市役所に行って手続きを取りに行かなきゃいかんのよ!!」
「なんでワシが市役所に行くのだ?」
「義父《おとう》さま!!てつろうは鳥居《よそ》の家の大事なひとり娘をユーカイしたのよ!!あやまちを犯したてつろうを潮崎《このいえ》の戸籍《せき》から外すのよ!!」
「潮崎《このいえ》の戸籍《せき》からてつろうを外せだと!?」
「義父《おとう》さまは、潮崎《このいえ》を守っていく意思はあるの!?ないの!?」
「ちょっと待ってくれ〜…なんでてつろうを潮崎《このいえ》の戸籍《せき》を外さなきゃいかんのだ!?」
「義父《おとう》さま!!」
(ガーン!!)
この時であった。
思い切りブチ切れた弘輝《ひろき》が席から立ったあと右足で席をけとばした。
その後、カバンを持って家から出た。
家事代行サービスの女性さんは、テーブルの上に置かれていたお弁当を持って外へ出た。
「弘輝《ひろき》さん、お弁当!!」
それからまた1分後であった。
まさよは、怒った声で半兵衛《はんべえ》に言うた。
「義父《おとう》さま!!」
「なんだよ〜」
「うちは、鳥居のひとり娘とてつろうが結婚することは猛反対です!!」
「なんで猛反対するのだよ〜」
「猛反対と言うたら猛反対です!!」
「それじゃあ、どう言った相手ならいいのだ?」
「ちがう相手であっても、てつろうは結婚できません!!」
「なんでできないのだ!?」
「義父《おとう》さまは、てつろうが子どもの時に悪いことをしたのよ!!」
「悪いことをしたから結婚できない理由を説明しろ!!」
「てつろうは子どもの時に親バレのトラブルを起こしたのよ!!中学にいた時も親バレのトラブルを起こした!!高校にいた時は、女子生徒をレイプして妊娠させたのよ!!義父《おとう》さまがてつろうを甘やかしてばかりいたから悪い子になったのよ!!」
(ガーン!!)
思い切りブチ切れた隆輝《りゅうき》は、しょうゆが入っている小びんを半兵衛《はんべえ》に投げつけたあとサックスバーの大きめのスーツケースを持って席を立った。
その後、怒った声で言うた。
「オレ、しばらくのあいだ家を離れて大阪へ行くから…」
「大阪。」
「なんで大阪へ行くのよ?」
「職場から出向を命ぜられたから行くのだよ!!」
思い切りブチ切れた隆輝《りゅうき》は、サックスバーの大きめのスーツケースを持って家から出た。
半兵衛《はんべえ》は、泣きそうな表情で『隆輝《りゅうき》〜』と言うた。
(バーン!!)
玄関から激しい音が聞こえた。
「行ってくる!!」
つづいて、遥輝《はるき》が手提げカバンを持って家から出た。
その後、あずさもハンドバッグを持って家から出た。
つづいて、昌輝《まさき》と和子も食卓から出た。
まさよは、怒った声で半兵衛《はんべえ》に言うた。
「義父《おとう》さま!!」
「なんだよ〜」
「てつろうのことよりも、隆輝《りゅうき》と昌輝《まさき》と和子のことを最優先に考えてください!!」
「てつろうはどうなってもいいのか?」
「てつろうは潮崎《このいえ》の子供じゃないのよ!!結婚と言うのであれば、隆輝《りゅうき》の結婚問題を解決させることを最優先にしてください!!」
「なんで隆輝《りゅうき》の結婚問題を解決させることが最優先なのだ?」
「隆輝《りゅうき》は39よ39!!」
「39だからどうしろと言うのだ?」
「男性の39と40は違うのよ!!」
「だからどう違うと言うのだ?」
「40を過ぎたら(結婚相手の)条件が悪くなるのよ!!」
「だからなんで決めつけるのだよ〜」
「義父《おとう》さま!!うちはものすごくあせっているのよ!!」
「だからワシにどうしろと言うのだ!?」
「結婚が決まったカップルさんを別れさせてよ!!」
「なんでそんなリフジンなことをするのだよ?」
「隆輝《りゅうき》が悦んでいる顔が見たいからよ!!」
「わかったわかった…カップルを別れさせたらいいんだろ!!」
「頼りないわねボケジジイ!!」
思い切りブチ切れたまさよは、半兵衛にはき捨てる言葉を言うたあと大広間から出て行った。
「ああああああああああああああああああああああああ!!」
(ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガシャーン!!)
思い切りブチ切れた半兵衛《はんべえ》は、叫び声をあげながら食卓をひっくり返した。
その後、半兵衛《はんべえ》は叫び声をあげながら暴れまわった。
またところ変わって、和歌山県田辺市《なんきたなべ》の朝日ヶ丘にある特大和風建築の家にて…
家は、ゆりこの次兄《あに》・穴吹智久《あなぶきともひさ》(45歳・医師)と佐和子《さわこ》(44歳・専業主婦)の夫婦と長女・ことは(高2)と次女・りの(中2)が暮らしている家である。
豊《ゆたか》みつよの夫婦は、尾鷲《おわせ》の家で暮らして行くことができなくなったのでこの家に移り住んだ。
和久は、長男が犯したバスジャックの主犯でケーサツに逮捕された。
和久の妻子は、事件を苦に港湾《がんぺき》で入水した。
………で身寄りがいなくなったので、この家に転がり込んだ。
……………
話は変わって…
テーブルの上には、佐和子が作ったあさごはんが並んでいた。
ふたりの娘は、ごはんを食べたあとカバンを持ってそれぞれの学校へ向かった。
それから数秒後であった。
佐和子は、ものすごく心配げな声で言うた。
「義父《おとう》さま、義母《おかあ》さま。」
「佐和子さん。」
「どうなさるおつもりですか?」
「どうなさるおつもりですかって?」
「ゆりこさんのことですよ。」
智久《ともひさ》は、ものすごく怒った声で言うた。
「ゆりこのことはかまうなと言うただろ!!」
「あなた!!」
「ゆりことてつろうが結婚することは猛反対だ!!」
「あなた!!」
「てつろうとゆりこは、好きと結婚をコンドウさせているからねぼけているのだよ!!」
智久《ともひさ》は、豊《ゆたか》に対して怒った声で言うた。
「父さん!!」
「なんやねん〜」
「ゆりこの結婚相手になる人は安定した収入があって、職場と家庭だけを往復する暮らしを続けていくことができる人だと決めたのだよ!!」
「しかしだな…」
「父さん!!てつろうは過去に悪いことをしているのだよ!!高校生の時に女子生徒をレイプして妊娠させた…被害を受けた女子生徒が命を絶ったのだよ!!それでもてつろうがいいと言うのか!?」
「しかしだな〜」
「父さんと母さんが認めても、オレが猛反対と言うているからだめだ!!」
「智久《ともひさ》〜」
佐和子は、怒った表情で言うた。
「義父《おとう》さま!!主人は今、来年度のことで頭がいっぱいなのよ!!主人は和歌山県医師会《けんのいしかい》の理事長に選出されるために必死になっているのよ!!義父《おとう》さまは、主人が和歌山県医師会《けんのいしかい》の理事長に就任してほしいと思わないの!?」
豊《ゆたか》は、つらそうな声で言うた。
「なってほしいよ…智久《ともひさ》は和歌山県《けんみん》のためにずっと働いてきたのだから…医師会の理事長になってほしいよ〜」
佐和子は、小生意気な声で豊《ゆたか》に言うた。
「だったら、ゆりこさんとてつろうさんを合わせないでくださたさい!!」
「わかった!!」
豊《ゆたか》は、ひねた声で言うたあとぷんとひねた。
佐和子は、過度にやさしい声で智久《ともひさ》に言うた。
「あなた。」
「なんだ。」
「ゆりこさんの結婚相手の職業は、どんなひとがふさわしいと思う?」
「さっきもいっただろ…職場と家庭だけを往復できる人だと…」
「それだけじゃわからないわよ。」
「フツーのサラリーマンでいいと言うただろ!!」
「だけどあなた…」
「フツーのサラリーマンの方がゆりこを大事にすることができるのだよ!!」
「それじゃあ、会社経営者はだめだと言うの?あなた!!」
「うるさい!!行くぞ!!」
思い切りブチ切れた智久《ともひさ》は、お医者さんカバンを手にしたあと食卓から出た。
佐和子は、玄関を出て家から出た智久《ともひさ》の背中をだまって見送った。
さて、その頃であった。
またところ変わって、京都府京田辺市《きょうたなべ》の松井ヶ丘にある特大和風建築の家にて…
和風建築の家は、健介さんの実家であった。
家の食卓には、健介さんの両親・久信《ひさのぶ》かずえ夫婦と健介さんの姉・桃子(42歳・パート)と桃子の子どもふたり(5歳女の子と3歳男の子)がいた。
桃子の夫(41歳・商社マン〜ムコヨウシ)は、南米アルゼンチンにタンシンフニンチュウで家に不在であった。
テーブルの上には、桃子が作ったあさごはんがならんでいた。
この時、かずえが困った声で久信《ひさのぶ》に言うた。
「あなた。」
「どうしたのだ?」
「健介はいつになったら家に帰って来るのかな?」
「さあ、聞いてないけど…」
「困ったわね〜」
この時、柱についている時計のはりが8時に5分前をさしていた。
桃子は、やさしい声でふたりの子どもに言うた。
「ふたりとも、保育園に行く支度をしようね。」
「うん。」
「うん。」
桃子は、ふたりの子どもを連れてとなりの部屋に移った。
かずえは、困った声で久信《ひさのぶ》に言うた。
「あなた。」
「なんだ?」
「公則《まさのり》さん(ムコ)と連絡は取れないの?」
「公則《まさのり》さんは今、アルゼンチンで進めている巨大事業で忙しいと言うてるのだよ~」
「それじゃあ困るわよ…」
かずえは、ものすごく困った声で久信《ひさのぶ》に言うた。
「あなた。」
「なんだ?」
「やっぱり、健介に花嫁さんを迎えた方がいいと思うけど…」
「またその話か…近くに健介を思ってくださる相手《おあいて》がいないのにどうやって見つけるのだ?」
「だから、健介とゆりこちゃんを結ばせたいのよ。」
「ゆりこちゃんは、大学にいた時に知り合った男性《あいて》と結婚したのじゃないのか?」
「だけど、挙式前日にもめごとが起こったのよ!!」
「もめごとが起こった?」
「男性《あいて》がよその家の大事な娘さんを傷つけたのよ!!それで関係がハタンしたのよ!!」
「そうか…そうなのか…」
「だったら決めましょうよ。」
「だから何をだよ?」
「健介のお嫁さんをゆりこちゃんにすると言うことよ…健介とゆりこちゃんは、小ちゃい時から仲良しで、いつもうちに遊びに来たじゃない…一緒におままごとしていたところも見ていたのよ…あなたそうしましょう〜」
かずえから言われた久信《ひさのぶ》は、ものすごく困った表情を浮かべた。
かずえは、健介さんとゆりこを結ばせようと大ハリキリした。