大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【あす陽炎】

(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…キーッ!!…バタン)

時は、夜7時20分頃であった。

またところ変わって、五十崎町平岡にある昌也《まさや》さんの実家(宮出さんの家)の前にて…

けたたましいサイレンを鳴らしながら走行していたニッサンスカイラインのパトカーが急停車した。

パトカーが停車したあと、家の前で待機していた警察官が後部座席のドアをあけた。

後ろの座席に乗っていた私は、ショルダーバッグを持ってパトカーから降りた。

その後、大急ぎで家の中に入った。

「奥さま!!奥さま!!」

…………………………

(ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ…ガラ!!)

またところ変わって、家の広間にて…

広間のテーブルに昌也《まさや》さんのお母さま(宮出さんの奥さま)と◎原さん(弁護士さん)と池原捜査一課長《いっかちょう》と西口が集まっていた。

家の中に激しい足音が響いたあと、ふすまがひらいた。

ふすまをあけた私は、奥さまに声をかけた。

「奥さま!!ただいま到着しました!!」
「コリントさま。」
「これは一体、どう言うことですか!?」
「わけは、池原捜査一課長《いっかちょう》さんから聞いてください!!」

奥さまは、しかめた声で言うたあと口を閉ざした。

池原捜査一課長《いっかちょう》は、私に対して大きめの茶封筒を手渡しながら『こちらでございます〜』と言うた。

私は、池原捜査一課長《いっかちょう》に対して封筒に入っている中身がなにかとたずねた。

「封筒の中に入っている書面は、なんですか?」
「和歌山県警から送られてきた遺体の鑑定書です。」
「遺体の鑑定書…」

私は、大急ぎで封筒の中に入っている書面を取り出した。

書面に記載されていたのは、和歌山県の山中で発見された老人男性の身元など…であった。

セヴァスチャンじいさんと思われる老人男性の遺体が違う人であったことがわかった。

書面を見た私は、怒った声で言うた。

「これは一体なんですか!?」

池原捜査一課長《いっかちょう》は、困った声で『遺体の鑑定書ですよ〜』と答えた。

私は、怒った声で言うた。

「そんなことは聞いてない!!私が聞いてるのは、和歌山県の山中で発見された老人男性の遺体の身元が違う人物であった…と言うことは、セヴァスチャンイワマツキザエモンはまだ生きていた…それはどう言うことですか!?」

ますます苦しい表情を浮かべていた池原捜査一課長《いっかちょう》は、ひとことも言わなかった。

私は、ものすごく怒った声で言うた。

「捜査一課長《いっかちょう》!!なんで答えないのですか!?…セヴァスチャンイワマツキザエモンは、死亡した男性に影武者をたのんでいたことが明らかになったのですよ!!警察《そしき》は、それを知っていたのになぜ公表しなかったのですか!?」

…………………………

なんなのだ一体…

…………………………

(ドスーン!!)

よりし烈な怒りに震えていた私は、テーブルの上に書面を置いたあと握りこぶしでドスーンとたたきつけたあと『ふざけるな!!』と言うて叫び声をあげた。

…………………………

よくも私をだましたな!!

ふざけるな!!

…………………………

時は、深夜11時半頃であった。

またところ変わって、溝端屋の前にて…

周辺の通りにある店は、全部閉まっていた。

そんな中で、包帯姿の番頭《ばんと》はんが雨戸を激しくたたきながら中にいる丁稚《でっち》どんたちを呼んだ。

(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン…ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン…ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン…)

「お~い!!開けろ!!オレだ開けろ!!」

(ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ…)

この時、雨戸がひらいた。

雨戸がひらいたと同時に、中にいた丁稚《でっち》どんが顔を出した。

「番頭《ばんと》はん!!」
「おい、中へ入れろ!!」
「番頭《ばんと》はん、ご主人さまがお待ちになられています。」
「分かってるよ!!」

このあと、番頭《ばんと》はんは中に入った。

(ピシャ…)

その後、丁稚《でっち》どんが雨戸を閉めた。

………………………

またところ変わって、ダンナの部屋にて…

うすぐらい灯りがともっている部屋の中に、溝端屋のダンナと二岡総裁《そうさい》と田嶋組長《くみちょう》と小林がいた。

(ガラ…)

ふすまがひらいたあと、丁稚《でっち》どんが声をかけた。

「ダンナさま…ダンナさま〜」
「どうした?」
「番頭《ばんと》はんが帰られました。」
「分かった。」

その後、包帯姿の番頭《ばんと》はんが部屋に入った。

丁稚《でっち》どんがふすまを閉めたあと、ダンナが番頭《ばんと》はんに声をかけた。

「竹宮。」
「ダンナ。」
「大丈夫か?」
「へえ。」
「誰にやられた?」
「わかりやせん。」
「そうか。」

番頭《ばんと》はんは、ダンナに対して山岡が殺されたことを伝えた。

「ダンナ…山岡が…殺されたやした。」

話を聞いた田嶋組長《くみちょう》が不気味な声で言うた。

「山岡が殺されただと!?」
「へえ。」
「山岡を殺した連中はどこの組の者だ!?」
「正体は…分かりません…山岡は…その前に伊豆原《いずはら》の命《タマ》を取りやした。」
「そうか…伊豆原《いずはら》は死んだのか。」

二岡総裁《そうさい》は、どすのきいた声で言うた。

「竹宮を襲った連中は、武藤会の系統の連中だと思うが…正体が分からないので探しようがないな…」

小林は、怒った声で言うた。

「それじゃあ、どうすればいいのだ!?」

ダンナは、落ち着いた声で言うた。

「きょうのところはここまでにして、また明日の朝…ゆっくり話し合おう。」

話し合いは、そこで終わった。

このあと、みんなは眠りについた。

………………………
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