大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【硝子(がらす)の摩天楼(まてんろう)】

時は、午後3時半頃であった。

またところ変わって、魚市場《いちば》の近くにある電話ボックスにて…

私は、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし、平戸市鏡川町《しないかがみかわまち》にお住まいの△□さまのお宅でございますか?…お世話になります…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…えーと…△□さまの家の近くにあります長屋のこと…あっ、以前お住まいになられていたのですね…そうでしたか…分かりました…あの、お話と言いますのは、11年前に発生した自動車事故で亡くなられた熊口《くまご》さんの母娘《おやこ》のことでおたずねしたいことがあります…あのですね…ええ!?…知らない…そうですか…分かりました…お手数をおかけしてもうしわけございませんでした…お世話になりました。」

(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)

私が右手でフックを下ろした時、返却口に10円玉がたくさん出た。

私は、赤のラッションペンを使ってメモパッドに『確認済み』と記入した。

その後、私は平戸市内《しない》のあちらこちらの家に電話をかけた。

しかし、雅弥《まや》の母妹《かぞく》は知らないと言う答えがつづいた。

一体、どうなっているのだ…

………………………

それからまた70分後であった。

またところ変わって、平戸港《みなと》の待合室にて…

ベンチの上にスーパーマップルの九州地方の道路地図がひらいた状態で置かれていた。

私は、万年筆を使って地図上に書き込みをしていた。

平戸市内《しない》のあちらこちらの家に電話をかけて雅弥《まや》の母妹《おやきょうだい》のことについてたずねたが、これと言った手がかりを得ることはできなかった。

これから先…

どうしたらいいのだ…

………………………

時は、夜8時半頃であった。

またところ変わって、平戸城の公園の敷地にある電話ボックスにて…

私は、黄色の四角のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし、夜分遅くにお電話をおかけしてもうしわけございません…平戸市職人町《しないしょくにんまち》にお住まいの■村さまのお宅でございますね…お世話になります…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…え~とですね、平戸市鏡川町《しないかがみかわまち》にあります長屋で暮らしていた熊口《くまご》さんの母娘《おやこ》のことでおたずねしたいことがございますが…ああ、ご存じでしたね…すみません…あのお時間をお取りしてもよろしいでしょうか?…よろしくお願いいたします〜」

このあと、私は黒のラッションペンを使ってメモパッドにメモ書きをしながら電話のやり取りを続けた。

きょう1日かけて平戸市内《しない》のあちらこちらに電話をかけて問い合わせたが、これと言った情報を得ることはできなかった。

また明日出直しだ…

……………………………
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