大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【砂の十字架】

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、3月16日の深夜3時半頃であった。

ショルダーバックを持って旅を続けている私は、国道378号線を歩いて西へ向かった。

車道には、たくさんの自動車が往来していた。

これから先…

私は…

どうすればいいのだ…

………………………

明け方5時50分頃であった。

またところ変わって、国鉄伊予長浜駅の待合室にて…

待合室に入った私は、左腕につけているロレックスの腕時計をみて時間を確認したあと切符の自販機コーナーへ向かうとした。

この時であった。

黒縁メガネをかけたグダグダ顔の警官が私に声をかけた。

「あの〜」
「はい、なんでしょうか?」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーさまは…」
「コリントは私ですけど…」
「あの〜」
「なんでしょうか!?」
「すみませんけど、あの〜、その〜…交番まで来ていただけますか?」
「交番!?」
「すみません、上の人から連れてこいと言われたのです…ちょっと来ていただけますか?」

まためんどくさいことが増えた〜

………………………

またところ変わって、駅のすぐ近くにある交番にて…

デスクの上に置かれているグレーのプッシュホンの受話器が無造作に置かれていた。

交番にいる警官がソワソワした表情であたりを見渡していた。

そこへ、グダグダ顔の警官が私を連れて中に入った。

もう一人の警官が私に声をかけた。

「コリントイワマツヨシタカグラマシーさま…」
「私でございますが!!」
「お電話がかかっています。」
「どなたから?」
「女の人からです。」
「女…」

疲れた表情を浮かべている私は、受話器を手にしたあと話をした。

「はいもしもしかわりました。」

受話器のスピーカーからほたるさんの声が聞こえた。

「もしもしよーくん〜」
「その声は…ほたるさん!?」

またところ変わって、どこかの都市《まち》にあるスラム街にて…

ほたるさんは、10円の赤電話機が設置されているコーナーから電話をかけていた。

「もしもし…よーくんは伊予長浜《ながはま》にいるのね…」
「ああ…ほたるさんは今どこにいるの!?」
「ごめんなさい…理由あって話すことができないの…それよりもよーくん…この最近だけど…三永《みえ》ちゃんかルツコちゃんのどちらかを見たの!?」

またところ変わって、交番の中にて…

私は、受話器越しにいるほたるさんに声をかけた。

「えっ!?…三永《みえ》さんかルツコのどちらかを見なかった…って…ほたるさん…もしもしほたるさん!!」
「よーくん、くわしいことはまたあとで話すから…」

(ガチャン!!ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)

電話は、そこで切れた。

私は、叫び声をあげた。

「ほたるさん!!ほたるさん!!」

…………………………

一体…

なにがあったのだ…

ほたるさん…

ほたるさん!!

………………………

それからまた60分後であった。

またところ変わって、駅のすぐ近くにあるたばこ屋にて…

私は、ズボンのポケットの中に入れている10円玉20枚を取り出そうとした。

その時であった。

(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)

カウンターに設置されている10円の赤電話機からけたたましいベルが鳴り響いた。

私は、店の奥にいるおばちゃんに対して『出ますよ!!』と声をかけた。

店の奥にいるおばちゃんは『お願いします〜』と返答した。

私は、受話器をあげたあと話をした。

「はいコリントイワマツヨシタカグラマシー!!」

受話器のスピーカーから三永《みえ》さんの声が聞こえた。

「三永《みえ》です。」
「三永《みえ》さん。」
「ヨシタカさん、ヨシタカさん聞こえる?」
「ああ、聞こえるよ。」

またところ変わって、国鉄堀江駅《ほりええき》の近くに設置されている電話ボックスにて…

三永《みえ》さんは、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「ヨシタカさんは、伊予長浜《ながはま》にいるのね。」
「ああ、三永《みえ》さんはどこにいるの?」
「堀江駅よ。」
「堀江。」
「うん。」

私は、三永《みえ》さんに対して声をかけた。

「三永《みえ》さん、今朝6時前にほたるさんから電話がかかってきたよ…どこにって…伊予長浜駅《ながはまのえき》の近くにある交番だよ…なんでか分からないけど…それよりも三永《みえ》さんに聞きたいことがあるのだよ…ゆうべ、粟井坂《あわい》にあるラブホから電話をかけたよね…あの時は、部屋に男がいたので…話すことができなかったよね…三永《みえ》さん、ハルナさんが特大規模の借金をしていたことを知っているかな?…今からメモを取る準備をするから…待っていてね。」

私は、ショルダーバックの中から黒のラッションペンとメモパッドを取り出した。

メモを取る準備ができたあと、私は受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。

「お待たせしました…三永《みえ》さん。」

三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。

「ヨシタカさん…ハルナさんが経営していた松山市三番町《さんばんちょう》のファッションクラブのことだけど…実はね…」

このあと、三永《みえ》さんは私に対してハルナさんのことを全部しゃべった。

メモを取りながら電話の応対をしていた私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。

「よしわかった…それじゃあ…またあとで…はい、はい…はい。」

(カチャ…)

私は、右手で白のフックを押したあと受話器を置いた。

…………………………

時は、朝10時過ぎであった。

たばこ屋から少し離れた場所に設置されている桟敷席の上に1981〜1983年の3年手帳がひらいた状態で置かれていた。

私は、たばこ屋のとなりにある駄菓子屋で購入したブルーベリージャムとピーナッツバターのヤマザキランチパックを食べながら万年筆を使ってメモパッドに記載された内容を手帳に書き込んでいた。

ハルナさんが抱えていた特大規模の借金の使い道がまだ解明されていない…

一体…

どうなっているのだ…

ハルナさんは…

今…

どこにいるのだ…

…………………………
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