大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【何故(なぜ)】
時は、3月31日の午前10時半過ぎであった。
またところ変わって、臼杵港の待合室にて…
ベンチの上に81〜83年の3年手帳がひらいた状態で置かれていた。
私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。
転記作業は、午前11時半に終了した。
私は、メモパッドと手帳と万年筆をショルダーバックに収納したあとフタをした。
時計のはりは、午前11時55分をさしていた。
待合室のテレビの画面は、NHK総合テレビの気象情報が映っていた。
ショルダーバックをひざの上に乗せた状態でベンチに座っている私は、売店で購入したパスコのこしあんパンと白あんパンを食べながらテレビを観ていた。
三永《みえ》さんは、正午過ぎに到着する九四フェリーに乗って臼杵港《ここ》に来る予定であった。
もうすぐ12時だ…
………………………
テレビの画面は、正午を知らせる時報〜正午のNHKニュースに変わった。
港の岸壁にて…
岸壁に八幡浜港からやって来た九四フェリー(九四オレンジフェリー)が接岸した。
岸壁に設置されている歩行者用のタラップがフェリーにつながった。
その後、フェリーに乗っていたおおぜいの乗客たちが次々と下船した。
おおぜい乗客たちの中に三永《みえ》さんはいなかった。
……………………
時は、午後12時20分頃であった。
待合室のテレビの画面は『ひるのプレゼント』に変わった。
待合室にいる私は、左腕に着けているロレックスの腕時計を見ながら言うた。
「三永《みえ》さん、今どこにいるのだ…もしかしたら…もめごとに巻き込まれたかもしれない!!」
………………………
(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…キーッ!!)
それからまた80分後であった。
臼杵港《みなと》の敷地内に青緑色の電々公社のロゴ入りのダイハツミラ(軽四)が急停車した。
…………………………
またところ変わって、待合室の中にて…
ショルダーバックをひざの上に乗せた状態でベンチに座っている私は、ひざをバタバタと震わせながらいらだっていた。
遅い!!
三永《みえ》さんは、どこでなにをしているのだ!?
まさか…
(フェリーに)乗り遅れたかもしれない!!
この時であった。
電話局の従業員さんふたりが私のもとにやってきた。
従業員さんの1人が私に声をかけた。
「あの〜」
「はい!!」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーさまでしょうか?」
「そうですけど!!」
「臼杵電話局《でんわきょく》の電話交換室《こうかん》ですが…電話局《きょく》へ来ていただけますか?」
「えっ?…電話局《きょく》の交換室《こうかん》へ来ていただけますか?」
……………………………
(ガチャ…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…ガチャ…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…)
それからまた30分後であった。
またところ変わって、臼杵電話局《でんわきょく》の電話交換室《こうかんしつ》にて…
電話交換室《こうかんしつ》の中にある特大規模の機械の音が響いていた。
………………………
私は、電話局の従業員さんたちに案内される形で電話交換台《こうかんだい》に座ったあと、ヘッドフォン型の受話器を頭につけた。
電話局の人が私に対して『(電話が)つながりました。』と言うたあと会話を始めた。
「はいコリントイワマツヨシタカグラマシー!!…もしもし…もしもし三永《みえ》さん!!…なんで待ち合わせ時刻に来なかったのだよ!!」
………………………
またところ変わって、御荘町の中心部にあるバスセンターの待合室にて…
三永《みえ》さんは、公衆電話のコーナーに設置されている四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「ごめんなさい…臼杵港《うすき》に12時に到着するフェリーに乗ることができなかったの…だから…寝坊しちゃったのよ…どこにいるって…御荘町《みしょう》…愛媛県の御荘町《みしょう》よ!!」
電話交換台《こうかんだい》に座っている私は、怒った声で言うた。
「御荘町《みしょう》!?…なんで御荘町《みしょう》にいるのだよ!!…まさか…フェリーに乗り遅れたことに負い目を感じたから…」
「違うわよ!!」
「なにがどう違うのだ!?」
三永《みえ》さんは、御荘町《みしょう》まで来たわけを受話器越しにいる私に説明した。
「アタシが御荘町《みしょう》まで来たのは、フェリーに乗り遅れたので負い目を感じたこともあるけど…それとはまた別の目的で来たのよ!!」
「それとはまた別の目的だと!?」
「ゆうべ、八幡浜の商店街《アーケード》の裏の露地で聞いた話しで気になることがあったのよ!!」
「気になることがあっただと!?」
「ヨシタカさん、アタシ…次に出発する宿毛行きの(宇和島自動車の)バスに乗るから…」
「分かった…このあとの(宇和島自動車の)バスに乗って宿毛方面へ行くのだね。」
「うん…それじゃあ、またあとで…」
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)
三永《みえ》さんが受話器をフックにかけたと同時に、返却口に10円玉がたくさん出た。
…………………………
時は、夜9時頃であった。
またところ変わって、小才角《こさいかく》(高知県大月町)にある釣り宿の40畳の大広間にて…
大広間には、溝端屋と取り引きしている卸問屋《とんや》の社長連中《じじいれんちゅう》30人たちと溝端屋の番頭《ばんと》はんと身体《からだ》に白いサラシを巻いた目つきの悪い男がいた。
目つきの悪い男は、右手にサイコロ3個を…
左手にベージュの筒状のプラスティックの入れ物を…
…を持っていた。
番頭《ばんと》はんは、社長連中《じじいれんちゅう》に対して声をかけた。
「さあさあみなさま〜、どちらさまもよござんすね〜…今から(入れ物に3個のサイコロを)入れやすよ〜…」
(カラカラカラ…パフ…)
目つきの悪い男は、サイコロ3個をプラスティックの入れ物に入れたあと入れ物の中でまんべんなく転がした。
その後、入れ物を赤色のマットの上に伏せた状態で置いた。
「入《へえ》った〜…さあはったはった!!」
番頭《ばんと》はんの合図とともに、社長連中《じじいれんちゅう》は札束(百万円単位)を出しながら『丁か半』を言うた。
「丁」
「丁」
「丁」
「丁」
「丁」
「半」
「半」
「丁」
「半」
「半」
「丁」
「丁」
「半」
「丁」
「半」
「丁」
「半」
…………………………
社長連中《じじいれんちゅう》が全員札束を出したあと、番頭《ばんと》はんが声をかけた。
「チョウハンそろいやした〜…ショーブ!!」
番頭《ばんと》の合図と同時に、プラスティックの入れ物が取られた。
入れ物の中から3個のサイコロがあらわになった。
番頭《ばんと》はんは、社長連中《じじいれんちゅう》たちに結果を伝えた。
「三・三・四の丁!!」
このあと、回収係の男がつっかえ棒で負けた社長《じいさま》がかけた札束を回収した。
番頭《ばんと》はんは、負けた社長《じいさま》に声をかけた。
「タキノの社長《じいさん》、今日はついてなかったね〜…気ぃ落とすなよ〜…負けた方、次はあててや…ほな、いくぞ〜」
………………………
時は、夜9時半頃であった。
またところ変わって、三永《みえ》さんが宿泊している部屋にて…
三永《みえ》さんは、四角のハンドル式の黒電話機の後ろにある壁に聴診器が2つついているひもをセットした。
その後、受話器のマイクにもう1個の聴診器をつけた。
となりの部屋には、溝端屋のダンナと二岡総裁《におか》と田嶋組長《くみちょう》の3人がいる…
急がなきゃ…
……………………
三永《みえ》さんは、臼杵電話局《でんわきょく》にいる私に知らせる準備ができたあと、備え付けの懐中電灯をつけた。
その後、天井に吊り下げている蛍光灯の灯りを消した。
……………………
(カチャ…グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル…)
三永《みえ》さんは、受話器をあげたあとハンドルをゆっくりと回した。
……………………………
またところ変わって、臼杵港の待合室にて…
ベンチの上に81〜83年の3年手帳がひらいた状態で置かれていた。
私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。
転記作業は、午前11時半に終了した。
私は、メモパッドと手帳と万年筆をショルダーバックに収納したあとフタをした。
時計のはりは、午前11時55分をさしていた。
待合室のテレビの画面は、NHK総合テレビの気象情報が映っていた。
ショルダーバックをひざの上に乗せた状態でベンチに座っている私は、売店で購入したパスコのこしあんパンと白あんパンを食べながらテレビを観ていた。
三永《みえ》さんは、正午過ぎに到着する九四フェリーに乗って臼杵港《ここ》に来る予定であった。
もうすぐ12時だ…
………………………
テレビの画面は、正午を知らせる時報〜正午のNHKニュースに変わった。
港の岸壁にて…
岸壁に八幡浜港からやって来た九四フェリー(九四オレンジフェリー)が接岸した。
岸壁に設置されている歩行者用のタラップがフェリーにつながった。
その後、フェリーに乗っていたおおぜいの乗客たちが次々と下船した。
おおぜい乗客たちの中に三永《みえ》さんはいなかった。
……………………
時は、午後12時20分頃であった。
待合室のテレビの画面は『ひるのプレゼント』に変わった。
待合室にいる私は、左腕に着けているロレックスの腕時計を見ながら言うた。
「三永《みえ》さん、今どこにいるのだ…もしかしたら…もめごとに巻き込まれたかもしれない!!」
………………………
(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…キーッ!!)
それからまた80分後であった。
臼杵港《みなと》の敷地内に青緑色の電々公社のロゴ入りのダイハツミラ(軽四)が急停車した。
…………………………
またところ変わって、待合室の中にて…
ショルダーバックをひざの上に乗せた状態でベンチに座っている私は、ひざをバタバタと震わせながらいらだっていた。
遅い!!
三永《みえ》さんは、どこでなにをしているのだ!?
まさか…
(フェリーに)乗り遅れたかもしれない!!
この時であった。
電話局の従業員さんふたりが私のもとにやってきた。
従業員さんの1人が私に声をかけた。
「あの〜」
「はい!!」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーさまでしょうか?」
「そうですけど!!」
「臼杵電話局《でんわきょく》の電話交換室《こうかん》ですが…電話局《きょく》へ来ていただけますか?」
「えっ?…電話局《きょく》の交換室《こうかん》へ来ていただけますか?」
……………………………
(ガチャ…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…ガチャ…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…)
それからまた30分後であった。
またところ変わって、臼杵電話局《でんわきょく》の電話交換室《こうかんしつ》にて…
電話交換室《こうかんしつ》の中にある特大規模の機械の音が響いていた。
………………………
私は、電話局の従業員さんたちに案内される形で電話交換台《こうかんだい》に座ったあと、ヘッドフォン型の受話器を頭につけた。
電話局の人が私に対して『(電話が)つながりました。』と言うたあと会話を始めた。
「はいコリントイワマツヨシタカグラマシー!!…もしもし…もしもし三永《みえ》さん!!…なんで待ち合わせ時刻に来なかったのだよ!!」
………………………
またところ変わって、御荘町の中心部にあるバスセンターの待合室にて…
三永《みえ》さんは、公衆電話のコーナーに設置されている四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「ごめんなさい…臼杵港《うすき》に12時に到着するフェリーに乗ることができなかったの…だから…寝坊しちゃったのよ…どこにいるって…御荘町《みしょう》…愛媛県の御荘町《みしょう》よ!!」
電話交換台《こうかんだい》に座っている私は、怒った声で言うた。
「御荘町《みしょう》!?…なんで御荘町《みしょう》にいるのだよ!!…まさか…フェリーに乗り遅れたことに負い目を感じたから…」
「違うわよ!!」
「なにがどう違うのだ!?」
三永《みえ》さんは、御荘町《みしょう》まで来たわけを受話器越しにいる私に説明した。
「アタシが御荘町《みしょう》まで来たのは、フェリーに乗り遅れたので負い目を感じたこともあるけど…それとはまた別の目的で来たのよ!!」
「それとはまた別の目的だと!?」
「ゆうべ、八幡浜の商店街《アーケード》の裏の露地で聞いた話しで気になることがあったのよ!!」
「気になることがあっただと!?」
「ヨシタカさん、アタシ…次に出発する宿毛行きの(宇和島自動車の)バスに乗るから…」
「分かった…このあとの(宇和島自動車の)バスに乗って宿毛方面へ行くのだね。」
「うん…それじゃあ、またあとで…」
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)
三永《みえ》さんが受話器をフックにかけたと同時に、返却口に10円玉がたくさん出た。
…………………………
時は、夜9時頃であった。
またところ変わって、小才角《こさいかく》(高知県大月町)にある釣り宿の40畳の大広間にて…
大広間には、溝端屋と取り引きしている卸問屋《とんや》の社長連中《じじいれんちゅう》30人たちと溝端屋の番頭《ばんと》はんと身体《からだ》に白いサラシを巻いた目つきの悪い男がいた。
目つきの悪い男は、右手にサイコロ3個を…
左手にベージュの筒状のプラスティックの入れ物を…
…を持っていた。
番頭《ばんと》はんは、社長連中《じじいれんちゅう》に対して声をかけた。
「さあさあみなさま〜、どちらさまもよござんすね〜…今から(入れ物に3個のサイコロを)入れやすよ〜…」
(カラカラカラ…パフ…)
目つきの悪い男は、サイコロ3個をプラスティックの入れ物に入れたあと入れ物の中でまんべんなく転がした。
その後、入れ物を赤色のマットの上に伏せた状態で置いた。
「入《へえ》った〜…さあはったはった!!」
番頭《ばんと》はんの合図とともに、社長連中《じじいれんちゅう》は札束(百万円単位)を出しながら『丁か半』を言うた。
「丁」
「丁」
「丁」
「丁」
「丁」
「半」
「半」
「丁」
「半」
「半」
「丁」
「丁」
「半」
「丁」
「半」
「丁」
「半」
…………………………
社長連中《じじいれんちゅう》が全員札束を出したあと、番頭《ばんと》はんが声をかけた。
「チョウハンそろいやした〜…ショーブ!!」
番頭《ばんと》の合図と同時に、プラスティックの入れ物が取られた。
入れ物の中から3個のサイコロがあらわになった。
番頭《ばんと》はんは、社長連中《じじいれんちゅう》たちに結果を伝えた。
「三・三・四の丁!!」
このあと、回収係の男がつっかえ棒で負けた社長《じいさま》がかけた札束を回収した。
番頭《ばんと》はんは、負けた社長《じいさま》に声をかけた。
「タキノの社長《じいさん》、今日はついてなかったね〜…気ぃ落とすなよ〜…負けた方、次はあててや…ほな、いくぞ〜」
………………………
時は、夜9時半頃であった。
またところ変わって、三永《みえ》さんが宿泊している部屋にて…
三永《みえ》さんは、四角のハンドル式の黒電話機の後ろにある壁に聴診器が2つついているひもをセットした。
その後、受話器のマイクにもう1個の聴診器をつけた。
となりの部屋には、溝端屋のダンナと二岡総裁《におか》と田嶋組長《くみちょう》の3人がいる…
急がなきゃ…
……………………
三永《みえ》さんは、臼杵電話局《でんわきょく》にいる私に知らせる準備ができたあと、備え付けの懐中電灯をつけた。
その後、天井に吊り下げている蛍光灯の灯りを消した。
……………………
(カチャ…グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル…)
三永《みえ》さんは、受話器をあげたあとハンドルをゆっくりと回した。
……………………………