大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【壁の向こう】
話は、【ひょうたんからこま】の終わりの部分で電話が切れたところから始める。
場所は、道後温泉《どうご》の置き屋の入り口にて…
電話の応対をしていたチーママが激しく動揺していた。
この時、ソヒ姐《ねえ》はんが帰宅した。
ソヒ姐《ねえ》はんは、ものすごい血相でチーママさんに詰め寄った。
「あんた…あんた!!」
「はい?」
「さっきの電話は、よーくんからだったわね!!」
「えっ?」
チーママさんがキョトンとした表情で答えたので、ソヒ姐《ねえ》はんは怒った声で言い返した。
「あんた!!うちの声が聞こえないの!?」
チーママさんは、困った表情で『あれは…間違い電話だったのよ〜』と言うたあと『みんなのごはんを用意しなきゃ〜』と言いながら台所へ向かった。
ソヒ姐《ねえ》はんは、右手で髪の毛をかきむしりながら『キーッ!!』と怒り狂った。
………………………
置き屋でもめごとが発生した頃であった。
私は、松山観光港から水中翼船に乗って広島宇品港へ向かっていた。
水中翼船から降りたあと、私は広電の路面電車《トラム》と新幹線を乗り継いで岡山駅へ向かった。
岡山駅に到着したのは、夕方4時過ぎだった。
…………………………
時は、夕方4時15分頃であった。
またところ変わって、岡山駅の西口あるレンタカー屋の店内にて…
私が店内に入った時、クリーム色のトレンチコートを着た男性刑事ふたりがいた。
店内に入った私は、店の人に声をかけた。
「すみません…すみません!!」
「はい…おクルマを借りに来たのですか?」
「違います!!…あの、ケーサツの方がいたのでなにがあったのか…ちょっと気になったので…」
この時、ふたりの男性刑事が私に声をかけた。
「大阪府警の捜査一課長《いっかちょう》の糸原ともうします。」
「大阪府警の捜査一課刑事の森下ともうします。」
「私は…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします。」
初対面のごあいさつをかわしたあと、糸原捜査一課長《いっかちょう》が私に対して『どなたを探しているのですか?』と言うた。
私は、ショルダーバックの中に入っていたメモパッドを取り出したあと、問題のカリーナのことが書かれているメモ書きを探した。
「えーと…あった…」
(ピーッ…)
私は、メモ書きされている用紙を1枚外したあと糸原捜査一課長《いっかちょう》に手渡した。
「こちらでございます…メモ用紙に書かれているそのカリーナを探しているのです!!」
この時、森下刑事がおどろいた声で言うた。
「捜査一課長《いっかちょう》…あの事件で使われた車両です!!」
「なんだって!?」
私は、森下刑事に声をかけた。
「すみません。」
「はい。」
「あの事件ってなんですか?」
「そのことについては、外で話しましょう!!…店の中で話すことはできまへん!!」
「ああ、分かりました〜」
…………………………
またところ変わって、岡山駅の西口広場にて…
私は、糸原捜査一課長《いっかちょう》と森下刑事と3人で話しをした。
糸原捜査一課長《いっかちょう》は、私に対して事件の概要を説明した。
「事件が発生したのは、先月25日の午後2時55分頃…事件現場は、大阪市天王寺区《てんのうじ》にある大手都市銀行の支店です。」
「それって…銀行強盗事件…ですか?」
「そうです。」
「ってことは…問題のカリーナが事件に使われた…と言うことでしょうか?」
「そうです。」
「それで…容疑者《ホシ》は何人いたのですか?」
「容疑者《ホシ》は男3人組です…うちふたりは外国籍です。」
「ふたりの男は、外国籍でしたね。」
糸原刑事は、私に対して声をかけた。
「外国籍の男は、事件の2日後に逮捕されました。」
「逮捕された?」
「ええ…日本人の世話人の人と一緒に(警察署に)出頭しました。」
「もう一人の男は…逃走中ですね。」
「はい。」
糸原刑事は、私に対して声をかけた。
「コリントさま、コリントさまがさがしていた問題のカリーナは、盗難車だったのです!!」
私は、おどろいた声で言うた。
「盗難車…それじゃあ、あのカリーナはどこかで盗まれたと言うことですか!?」
「はい。」
「その盗難にあったカリーナに被害届は…」
「提出されていませんでした。」
「なんてこった〜」
…………………………
それからまた3日後のことであった。
私は、岡山市・倉敷市とその周辺の地域を歩き回って盗難の被害を受けたカリーナのことについて調べた。
その結果、4月7日頃に盗難被害を受けたカリーナの借り主が判明した。
…………………………
時は、4月7日の朝10時頃であった。
またところ変わって、岡山駅西口にあるレンタカー屋にて…
私は、レンタカー屋の人から3月20日から30日までの間のレンタカーの予約状況が書かれている書面《コピー》を受け取ったあと一項目ずつ探して行った。
その結果、盗難被害を受けた問題のカリーナの借り主が26歳の男子大学生であったことが判明した。
26歳の男子大学生が借り主だった…
なんで…
………………………
それからまた2時間後のことであった。
またところ変わって、岡山市津島中《しないつしまなか》にある大学の敷地内にある広場にて…
私は、学内にいた男子大学生のグループ11人たちと一緒にいた。
私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら話をした。
「えーと…先月の20日にみなさまが岡山駅西口にあるレンタカー屋さんでカリーナを借りたことは間違いないですね。」
私の問いに対して、大学生たちは私に声をかけた。
「間違いありません。」
「ああ、間違いない。」
「あの、ぼくたちは…被害を受けたのですよ〜」
「ああ、私はケーサツじゃないので、みなさまを疑うようなことはいたしませんので…あの…心配することはありません…私は、人探しをしている途中で…事件に遭遇したのです…大丈夫ですよ…私はケーサツではありません。」
「よかった〜」
「うんよかった〜」
「みなさま。」
「はい。」
「ここ2〜3日のあいだに、ケーサツの方がお越しになられた…と言うことはありましたか?」
「あったよね。」
「ああ、あったあった。」
「たしか、大阪府警の刑事だったと思います。」
「それじゃあ、みなさま方は…大阪府警のふたりの刑事からあれこれと聞かれたのですね。」
「はい。」
「ぼくたちは、覚えてないと言いました。」
「そうですか…」
この時、黒縁メガネでイガイガ頭の男子大学生が私に声をかけた。
「コリントさま。」
「はい。」
「問題のカリーナは…不測の事態が生じたので…(レンタカー屋で)借りました。」
「不測の事態が生じた?」
「はい。」
私は『不測の事態が生じたので、レンタカー屋でカリーナを借りた〜』と言いながらメモ書きをしたあと、再び話をした。
「えーと、その…3月20日なのですが、みなさまはどこかへ行かれる予定があったのですか?」
この時、むらさき色に髪を染めている男子大学生が私に対して声をかけた。
「その日は、ドライブへ行く予定でした。」
「ドライブ?」
「はい。」
「どちらへ行かれる予定だったのですか?」
「たしか…小豆島へ行く予定でした。」
「小豆島。」
「はい。」
「大学のサークルの合宿へ行く予定でした。」
「サークル?」
「映画製作のサークルです。」
私は『映画製作のサークルの合宿…』と言いながらメモ書きをしたあと、再び話をした。
「それで、みなさまは3月20日からどれくらいの予定で小豆島へ行かれる予定だったのですか?」
「30日まででした。」
「3月30日まで…(と言いながらメモ書きをした)」
この時、黒縁メガネのイガイガ頭の男子大学生が私に対して声をかけた。
「ぼくたちは…最初は16人で行く予定でした。」
「…ってことは、みなさまと他に5人の方と一緒に小豆島へ行く予定でしたね。」
「はい。」
「それで、不測の事態が生じたと言うのはどう言うことでしょうか?」
私の問いに対して、金髪の男子大学生が私にこう答えた。
「不測の事態と言うのは、乗り合わせて行くワゴン車が1台使えなくなったのです。」
「それはどう言うことでしょうか?」
私の問いに対して、むらさき色に髪を染めている男子大学生がこう答えた。
「ぼくたちは、ワゴン車2台で小豆島へ行く予定でした。」
「ワゴン車は何人乗りですか?」
「2台とも11人乗りです…使えなくなったのは、▲▲美が運転する予定だった(マツダの)ボンゴでした。」
「(マツダの)ボンゴ?」
「はい。」
「その…▲▲美さんが運転する予定だったボンゴが出発前になんらかのアクシデントに遭われたのですね。」
この時、そり込みが入っている男子大学生が私にこう言うた。
「あいつ…うちから出発しようとした時に…嫂《おねえ》に止められたのです。」
「なんで?」
「あいつの嫂《おねえ》は、電話のベルが鳴っていたからあいつを止めたのです。」
「電話のベルが鳴っていたから止めた?」
この時、派手な色のTシャツを着ている男子大学生が私にこう言うた。
「▲▲美のおじいがくも膜下出血で倒れたのです。」
「その…▲▲美さまは、合宿に参加を取りやめたのですね。」
「ええ…あいつから電話があって…『おじいがキトクになったので、これから西脇の実家へ帰る…』と言いました。」
「▲▲美さまは、そのボンゴに乗って西脇へ帰られたのですね。」
「ええ…お兄の夫婦の家族たちを乗せて行きました。」
「それからどうなされたのですか?」
黒縁メガネのイガイガ頭の男子大学生は、むらさき色に髪を染めている男子大学生にたずねた。
「なあ、▲▲美の他に車を持っていたのは…」
「ああ、△井だった…△井のは(スバルの)ドミンゴだった。」
「みなさまは、△井さまが運転する(スバルの)ドミンゴに乗り合わせる予定だったのですね。」
そり込みが入っている男子大学生は、私に対してこう言うた。
「ところが、△井の野郎も出発しようとしたら嫂《おねえ》に止められたのです。」
「なんで?」
「その時、おにいの息子(6歳)が熱を出したのです。」
「それじゃあ、△井さまも行くことができなかったのですね。」
「あの時、車を運転することができたのは△井だけだったのです。」
「それはどうして?」
「あいつのおにいは、一ヶ月前にメンテーの処分を受けたので、(警察に免許を)取り上げられたのです。」
「免許停止になったおにいさまに変わって運転しなければならなくなったのだ。」
「はい。」
「最終的には14人になった…と言うことで、レンタカー屋へカリーナを借りに行ったと言うことですね。」
「はい。」
そり込みが入っている男子大学生は、私に対してこう言うた。
「カリーナに乗っていたのは、■沢と□中と△岡の3人だった。」
「分かりました…えーと…みなさまはレンタカー屋を出発したあと日生《ひなせ》の港へ行かれたのですね。」
「ええ。」
「予定としては、日生《ひなせ》の港からフェリーに乗って小豆島方面へ行く…小豆島に上陸したあとに合宿先へ行く…と言うことになっていた…あの…話と言うのは、問題のカリーナが盗難被害に遭ったことについてですが…日生《ひなせ》の港へ行く途中で…休憩のためにどこかへ立ち寄られましたか?」
「えっ?」
「あの…トイレ休憩などでどこかへ立ち寄らた場所があったどうかをたずねているのです。」
この時、そり込みが入っている男子大学生が怒った声で私に言うた。
「思い出した…思い出した!!」
「えっ?」
「あの3人が乗っていたカリーナは、途中でどこかへ行ったと思う!!」
「…と言うことは、3人さまが乗られていたカリーナがワゴン車について行かずに、違う場所へ向かった…と言うことでしょうか!?」
「ああ、そうだよ!!」
黒縁メガネでイガイガ頭の男子大学生は、私に対してこう言うた。
「あの3人は、かわいい女性や美人の女性をみた瞬間に我を忘れやすいタイプなのだよ!!」
私は、黒縁メガネの男子大学生に声をかけた。
「それじゃあ、カリーナに乗っていた3人の男子大学生はどうなったのですか!?」
「あの3人は、美人の女性が運転していた(ダイハツ)ミラを追いかけ回したのですよ!!」
「なんてこった〜…最後におたずねしますが…3人の方が乗られていたカリーナは、どのあたりまで一緒だったのですか?」
「岡山ブルーライン(有料道路)を走っていた時まで…どのあたりまで一緒だったのか…までは覚えていない。」
「そうですか…分かりました。」
………………………
問題のカリーナは…
岡山ブルーラインを走行中に…
別の場所へ走っていった…
問題の3人の男子大学生たちは…
連絡網を絶ったあと、行方不明になったようだ…
あの3人の男子大学生たちに…
なにがあったのか…
………………………
場所は、道後温泉《どうご》の置き屋の入り口にて…
電話の応対をしていたチーママが激しく動揺していた。
この時、ソヒ姐《ねえ》はんが帰宅した。
ソヒ姐《ねえ》はんは、ものすごい血相でチーママさんに詰め寄った。
「あんた…あんた!!」
「はい?」
「さっきの電話は、よーくんからだったわね!!」
「えっ?」
チーママさんがキョトンとした表情で答えたので、ソヒ姐《ねえ》はんは怒った声で言い返した。
「あんた!!うちの声が聞こえないの!?」
チーママさんは、困った表情で『あれは…間違い電話だったのよ〜』と言うたあと『みんなのごはんを用意しなきゃ〜』と言いながら台所へ向かった。
ソヒ姐《ねえ》はんは、右手で髪の毛をかきむしりながら『キーッ!!』と怒り狂った。
………………………
置き屋でもめごとが発生した頃であった。
私は、松山観光港から水中翼船に乗って広島宇品港へ向かっていた。
水中翼船から降りたあと、私は広電の路面電車《トラム》と新幹線を乗り継いで岡山駅へ向かった。
岡山駅に到着したのは、夕方4時過ぎだった。
…………………………
時は、夕方4時15分頃であった。
またところ変わって、岡山駅の西口あるレンタカー屋の店内にて…
私が店内に入った時、クリーム色のトレンチコートを着た男性刑事ふたりがいた。
店内に入った私は、店の人に声をかけた。
「すみません…すみません!!」
「はい…おクルマを借りに来たのですか?」
「違います!!…あの、ケーサツの方がいたのでなにがあったのか…ちょっと気になったので…」
この時、ふたりの男性刑事が私に声をかけた。
「大阪府警の捜査一課長《いっかちょう》の糸原ともうします。」
「大阪府警の捜査一課刑事の森下ともうします。」
「私は…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします。」
初対面のごあいさつをかわしたあと、糸原捜査一課長《いっかちょう》が私に対して『どなたを探しているのですか?』と言うた。
私は、ショルダーバックの中に入っていたメモパッドを取り出したあと、問題のカリーナのことが書かれているメモ書きを探した。
「えーと…あった…」
(ピーッ…)
私は、メモ書きされている用紙を1枚外したあと糸原捜査一課長《いっかちょう》に手渡した。
「こちらでございます…メモ用紙に書かれているそのカリーナを探しているのです!!」
この時、森下刑事がおどろいた声で言うた。
「捜査一課長《いっかちょう》…あの事件で使われた車両です!!」
「なんだって!?」
私は、森下刑事に声をかけた。
「すみません。」
「はい。」
「あの事件ってなんですか?」
「そのことについては、外で話しましょう!!…店の中で話すことはできまへん!!」
「ああ、分かりました〜」
…………………………
またところ変わって、岡山駅の西口広場にて…
私は、糸原捜査一課長《いっかちょう》と森下刑事と3人で話しをした。
糸原捜査一課長《いっかちょう》は、私に対して事件の概要を説明した。
「事件が発生したのは、先月25日の午後2時55分頃…事件現場は、大阪市天王寺区《てんのうじ》にある大手都市銀行の支店です。」
「それって…銀行強盗事件…ですか?」
「そうです。」
「ってことは…問題のカリーナが事件に使われた…と言うことでしょうか?」
「そうです。」
「それで…容疑者《ホシ》は何人いたのですか?」
「容疑者《ホシ》は男3人組です…うちふたりは外国籍です。」
「ふたりの男は、外国籍でしたね。」
糸原刑事は、私に対して声をかけた。
「外国籍の男は、事件の2日後に逮捕されました。」
「逮捕された?」
「ええ…日本人の世話人の人と一緒に(警察署に)出頭しました。」
「もう一人の男は…逃走中ですね。」
「はい。」
糸原刑事は、私に対して声をかけた。
「コリントさま、コリントさまがさがしていた問題のカリーナは、盗難車だったのです!!」
私は、おどろいた声で言うた。
「盗難車…それじゃあ、あのカリーナはどこかで盗まれたと言うことですか!?」
「はい。」
「その盗難にあったカリーナに被害届は…」
「提出されていませんでした。」
「なんてこった〜」
…………………………
それからまた3日後のことであった。
私は、岡山市・倉敷市とその周辺の地域を歩き回って盗難の被害を受けたカリーナのことについて調べた。
その結果、4月7日頃に盗難被害を受けたカリーナの借り主が判明した。
…………………………
時は、4月7日の朝10時頃であった。
またところ変わって、岡山駅西口にあるレンタカー屋にて…
私は、レンタカー屋の人から3月20日から30日までの間のレンタカーの予約状況が書かれている書面《コピー》を受け取ったあと一項目ずつ探して行った。
その結果、盗難被害を受けた問題のカリーナの借り主が26歳の男子大学生であったことが判明した。
26歳の男子大学生が借り主だった…
なんで…
………………………
それからまた2時間後のことであった。
またところ変わって、岡山市津島中《しないつしまなか》にある大学の敷地内にある広場にて…
私は、学内にいた男子大学生のグループ11人たちと一緒にいた。
私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら話をした。
「えーと…先月の20日にみなさまが岡山駅西口にあるレンタカー屋さんでカリーナを借りたことは間違いないですね。」
私の問いに対して、大学生たちは私に声をかけた。
「間違いありません。」
「ああ、間違いない。」
「あの、ぼくたちは…被害を受けたのですよ〜」
「ああ、私はケーサツじゃないので、みなさまを疑うようなことはいたしませんので…あの…心配することはありません…私は、人探しをしている途中で…事件に遭遇したのです…大丈夫ですよ…私はケーサツではありません。」
「よかった〜」
「うんよかった〜」
「みなさま。」
「はい。」
「ここ2〜3日のあいだに、ケーサツの方がお越しになられた…と言うことはありましたか?」
「あったよね。」
「ああ、あったあった。」
「たしか、大阪府警の刑事だったと思います。」
「それじゃあ、みなさま方は…大阪府警のふたりの刑事からあれこれと聞かれたのですね。」
「はい。」
「ぼくたちは、覚えてないと言いました。」
「そうですか…」
この時、黒縁メガネでイガイガ頭の男子大学生が私に声をかけた。
「コリントさま。」
「はい。」
「問題のカリーナは…不測の事態が生じたので…(レンタカー屋で)借りました。」
「不測の事態が生じた?」
「はい。」
私は『不測の事態が生じたので、レンタカー屋でカリーナを借りた〜』と言いながらメモ書きをしたあと、再び話をした。
「えーと、その…3月20日なのですが、みなさまはどこかへ行かれる予定があったのですか?」
この時、むらさき色に髪を染めている男子大学生が私に対して声をかけた。
「その日は、ドライブへ行く予定でした。」
「ドライブ?」
「はい。」
「どちらへ行かれる予定だったのですか?」
「たしか…小豆島へ行く予定でした。」
「小豆島。」
「はい。」
「大学のサークルの合宿へ行く予定でした。」
「サークル?」
「映画製作のサークルです。」
私は『映画製作のサークルの合宿…』と言いながらメモ書きをしたあと、再び話をした。
「それで、みなさまは3月20日からどれくらいの予定で小豆島へ行かれる予定だったのですか?」
「30日まででした。」
「3月30日まで…(と言いながらメモ書きをした)」
この時、黒縁メガネのイガイガ頭の男子大学生が私に対して声をかけた。
「ぼくたちは…最初は16人で行く予定でした。」
「…ってことは、みなさまと他に5人の方と一緒に小豆島へ行く予定でしたね。」
「はい。」
「それで、不測の事態が生じたと言うのはどう言うことでしょうか?」
私の問いに対して、金髪の男子大学生が私にこう答えた。
「不測の事態と言うのは、乗り合わせて行くワゴン車が1台使えなくなったのです。」
「それはどう言うことでしょうか?」
私の問いに対して、むらさき色に髪を染めている男子大学生がこう答えた。
「ぼくたちは、ワゴン車2台で小豆島へ行く予定でした。」
「ワゴン車は何人乗りですか?」
「2台とも11人乗りです…使えなくなったのは、▲▲美が運転する予定だった(マツダの)ボンゴでした。」
「(マツダの)ボンゴ?」
「はい。」
「その…▲▲美さんが運転する予定だったボンゴが出発前になんらかのアクシデントに遭われたのですね。」
この時、そり込みが入っている男子大学生が私にこう言うた。
「あいつ…うちから出発しようとした時に…嫂《おねえ》に止められたのです。」
「なんで?」
「あいつの嫂《おねえ》は、電話のベルが鳴っていたからあいつを止めたのです。」
「電話のベルが鳴っていたから止めた?」
この時、派手な色のTシャツを着ている男子大学生が私にこう言うた。
「▲▲美のおじいがくも膜下出血で倒れたのです。」
「その…▲▲美さまは、合宿に参加を取りやめたのですね。」
「ええ…あいつから電話があって…『おじいがキトクになったので、これから西脇の実家へ帰る…』と言いました。」
「▲▲美さまは、そのボンゴに乗って西脇へ帰られたのですね。」
「ええ…お兄の夫婦の家族たちを乗せて行きました。」
「それからどうなされたのですか?」
黒縁メガネのイガイガ頭の男子大学生は、むらさき色に髪を染めている男子大学生にたずねた。
「なあ、▲▲美の他に車を持っていたのは…」
「ああ、△井だった…△井のは(スバルの)ドミンゴだった。」
「みなさまは、△井さまが運転する(スバルの)ドミンゴに乗り合わせる予定だったのですね。」
そり込みが入っている男子大学生は、私に対してこう言うた。
「ところが、△井の野郎も出発しようとしたら嫂《おねえ》に止められたのです。」
「なんで?」
「その時、おにいの息子(6歳)が熱を出したのです。」
「それじゃあ、△井さまも行くことができなかったのですね。」
「あの時、車を運転することができたのは△井だけだったのです。」
「それはどうして?」
「あいつのおにいは、一ヶ月前にメンテーの処分を受けたので、(警察に免許を)取り上げられたのです。」
「免許停止になったおにいさまに変わって運転しなければならなくなったのだ。」
「はい。」
「最終的には14人になった…と言うことで、レンタカー屋へカリーナを借りに行ったと言うことですね。」
「はい。」
そり込みが入っている男子大学生は、私に対してこう言うた。
「カリーナに乗っていたのは、■沢と□中と△岡の3人だった。」
「分かりました…えーと…みなさまはレンタカー屋を出発したあと日生《ひなせ》の港へ行かれたのですね。」
「ええ。」
「予定としては、日生《ひなせ》の港からフェリーに乗って小豆島方面へ行く…小豆島に上陸したあとに合宿先へ行く…と言うことになっていた…あの…話と言うのは、問題のカリーナが盗難被害に遭ったことについてですが…日生《ひなせ》の港へ行く途中で…休憩のためにどこかへ立ち寄られましたか?」
「えっ?」
「あの…トイレ休憩などでどこかへ立ち寄らた場所があったどうかをたずねているのです。」
この時、そり込みが入っている男子大学生が怒った声で私に言うた。
「思い出した…思い出した!!」
「えっ?」
「あの3人が乗っていたカリーナは、途中でどこかへ行ったと思う!!」
「…と言うことは、3人さまが乗られていたカリーナがワゴン車について行かずに、違う場所へ向かった…と言うことでしょうか!?」
「ああ、そうだよ!!」
黒縁メガネでイガイガ頭の男子大学生は、私に対してこう言うた。
「あの3人は、かわいい女性や美人の女性をみた瞬間に我を忘れやすいタイプなのだよ!!」
私は、黒縁メガネの男子大学生に声をかけた。
「それじゃあ、カリーナに乗っていた3人の男子大学生はどうなったのですか!?」
「あの3人は、美人の女性が運転していた(ダイハツ)ミラを追いかけ回したのですよ!!」
「なんてこった〜…最後におたずねしますが…3人の方が乗られていたカリーナは、どのあたりまで一緒だったのですか?」
「岡山ブルーライン(有料道路)を走っていた時まで…どのあたりまで一緒だったのか…までは覚えていない。」
「そうですか…分かりました。」
………………………
問題のカリーナは…
岡山ブルーラインを走行中に…
別の場所へ走っていった…
問題の3人の男子大学生たちは…
連絡網を絶ったあと、行方不明になったようだ…
あの3人の男子大学生たちに…
なにがあったのか…
………………………