大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第82話・サチコ

【せつない胸に風が吹いていた】

時は、4月15日の午前11時頃であった。

またところ変わって、小野田《さんようおのだ》の中心部にある(おのだ)サンパーク(SCモール)内にある輸入物の家庭生活用品店にて…

店は、三永《みえ》さんが小倉のスナックで働いていた時に仲良しだったむつみさんが経営しているお店である。

三永《みえ》さんは、店にいるむつみさんに声をかけた。

「むつみちゃん。」
「あら、三永《みえ》ちゃん。」
「久しぶりね。」
「うん…三永《みえ》ちゃんもお元気でよかったわ。」

それから数秒後に、三永《みえ》さんは私に対してむつみさんを紹介した。

「ヨシタカさん、紹介するわよ…小倉のスナックで一緒に働いていたむつみちゃんよ。」
「はじめまして、コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします。」
「むつみです…よろしくね。」

初対面のごあいさつを交わしたあと、3人で食事に行った。

またところ変わって、SCモール内にあるマクドにて…

3人は、ビッグマックのセットでランチを摂っていた。

ランチを摂ったあと、私はむつみさんに声をかけた。

「むつみさん。」
「なあに?」
「むつみさんと三永《みえ》さんは、小倉のスナックで働いていた時に知り合ったのですか?」
「そうよ…三永《みえ》ちゃんとアタシが出会ったのはうんとむかしよ。」
「うんとむかし…ですね。」
「三永《みえ》ちゃんとアタシが出会ったのは…たしか20年前だったわ。」
「20年前…1963年…頃でしたね。」
「そうよ…その時アタシは、松山で暮らしていたのよ。」
「松山…あっ、思い出した。」
「なあに?」
「あの、もし間違っていたらすみません…その当時、二番町にあったえーと…ちょいの間が併設されていたスナックの…」
「ああ、そこのママは知ってるわよ。」
「ああ、ほたるさんのことをご存知でしたね。」
「ええ…ほたるのママさんの店でも働いたことがありました。」
「そうですか。」

……………………

この日は、雑談のみで終わった。

…………………………

時は、夕方4時半頃であった。

またところ変わって、国鉄小野田駅のプラットホームにて…

三永《みえ》さんと私は、山陽本線《さんようせん》の上りのプラットホームにいた。

三永《みえ》さんは、私に対して声をかけた。

「ヨシタカさん。」
「三永《みえ》さん。」
「アタシ、ここから電車に乗って東へ行くわ。」
「東へ行く?」
「うん。」

三永《みえ》さんは、私に声をかけた。

「ヨシタカさん。」
「三永《みえ》さん。」
「重井《しげい》とやよいのことでなにかわかったら知らせるから…ヨシタカさんの方もなにかわかったら知らせてね。」
「わかった。」

……………………………

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

それから60分後であった。

三永《みえ》さんは、山陽本線《さんようせん》の上り電車に乗って東へ向かった。

三永《みえ》さんと別れた私は、大番頭《おおばんと》はんとマァマとドナ姐《ねえ》はんを探す旅に出た。
< 811 / 900 >

この作品をシェア

pagetop