大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【いなくなったあなた】

(ボーッ、トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン…プォー、プォー…トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン…)

時は、5月1日の朝6時50分頃であった。

私は、戸畑側から渡船《ふね》に乗って若松へやって来た。

ショルダーバックを持って渡船《ふね》から降りた私は、渡し場の近くに設置されている電話ボックスに入った。

この時であった。

(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)

四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンからけたたましいベルが鳴り響いた。

私は、周囲の様子を確認したあと受話器を取った。

「はいコリントイワマツヨシタカグラマシー!!…はい、コリントでございます。」

電話は、宇部市で暮らしているむつみさんの知人の女性からであった。

「ああ、宇部市西小串にお住まいの△△さまでございますね…この前は、真夜中にお電話をおかけしてもうしわけございませんでした。」

受話器越しにいる女性は、私に対してむつみさんとよく似た女性を見かけたことを話した。

私は、おどろいた声で言うた。

「えっ?…むつみさんとよく似た女性を見た!?…ちょっとお待ちくださいませ!!」

私は、ショルダーバックの中からメモパッドとゼブラシャーボーを取り出したあとメモを取る準備を整えた。

その後、私は受話器越しにいる女性に対して声をかけた。

「お待たせしました…あの…お願いします!!」

このあと、私はメモを取りながら電話の応対をした。

………………………

(ガチャン…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…ガチャン…カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…)

またところ変わって、三原市内中心部にある電話局にて…

局内に機械の音が響いていた。

三永《みえ》さんは、電話交換台の席に座っていた。

電話局の人が三永《みえ》さんに対して『つながりました。』と声をかけた。

三永《みえ》さんは、ヘッドホン型の受話器を頭につけたあと話をした。

「もしもし三永《みえ》です…ヨシタカさん。」

またところ変わって、若松の渡し場の近くに設置されている電話ボックスにて…

私は、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし三永《みえ》さん…今どこにいるって…若松…北九州の若松だよ!!…三永《みえ》さん…さっき宇部で暮らしているむつみさんの知人から電話がかかってきた…むつみさんと顔がよく似た女性を見たと言う知らせを聞いたのだよ!!…もしもし三永《みえ》さん!!」

三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。

「聞いてるわよ…むつみちゃんと顔がよくにている女性を見たと言う話でしょ。」
「そうだよ…顔が似ているだけで…その女性がむつみさんかどうか分からないのだよ…話はそれだけ。」
「分かったわ…じゃあ、またあとで。」

三永《みえ》さんは、ヘッドホン型の受話器を頭から外したあと大きく息をした。

…………………………
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