大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【リバーサイドホテル】

(ジャー…)

時は、深夜11時50分頃であった。

またところ変わって、国道3号線の小倉北区と戸畑区の境目付近にあるラブホの部屋にて…

浴室にいる三永《みえ》さんは、シャワーを浴びていた。

部屋にいる私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。

テーブルの上には、1981〜1983年の3年手帳とメモパッドとゼブラシャーボーが置かれていた。

転記作業が終了したあと、私は手帳と万年筆をショルダーバックに収納した。

メモパッドとゼブラシャーボーは、出したままにした。

それからまた2分後であった。

白のハンドタオルを髪の毛に…白のバスタオルを身体に…それぞれ巻き付けている姿の三永《みえ》さんが部屋に入った。

私は、三永《みえ》さんに声をかけた。

「三永《みえ》さん。」
「なあに?」
「重井《しげい》とやよいのことについて、新たな事実が判明したのだね。」
「ええ。」
「ちょっと待って。」

私は、テーブルの上に置いていたメモパッドとゼブラシャーボーを取ったあとゼブラシャーボーの本体を右に回してシャープペンシルを出した。

メモを取る準備が整ったあと、三永《みえ》さんに声をかけた。

「三永《みえ》さん。」
「なあに?」
「その前に、ひとつ聞きたいことがあるのだよ。」
「聞きたいこと?」
「おのだのサンパークでむつみさんが経営していた店に番頭《ばんと》はんが怒鳴り込みに来た件で…どうしても知りたいことがあるのだよ。」

私の問いに対して、三永《みえ》さんはこう答えた。

「そのもめ事の原因は…すべて…重井《しげい》にあるのよ。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら『もめ事の原因は…全部…重井《しげい》に…ある。』と言うた。

三永《みえ》さんは、私に対してこう言うた。

「今から10ヶ月前…つまり…去年の7月あたりだったと思うわ。」
「去年の7月あたり…から。」
「この時、重井《しげい》はやよいに対して過度に愛情をかけるようになったのよ。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら『重井《あのヤロー》が…やよいに対して…過度に愛情をかけるようになった…』と言うた。

三永《みえ》さんは、私に対してこう言うた。

「あの時…重井《しげい》は…すごく異常だったわ…それもね…」

…………………………

時は、1982年7月の最終火曜日の夜のことであった。

またところ変わって、小倉の旦過市場《いちば》の裏手にあるスナックにて…

重井《しげい》は、超大量のブランド品が入っている紙袋をやよいに差し出した。

やよいは、目を細めながら喜んだ。

「わあ〜、うれしいわ〜…ありがとう。」

重井《しげい》は、満面の笑みでやよいに言うた。

「気に入ってもらえてよかった。」

やよいは、紙袋に入っているブランド品をみながら喜んでいた。

「わあ~、グッチにディオール…ああ、カメリアダイヤモンドもある…うれしい〜」

重井《しげい》は、やよいに対して小さな箱を差し出した。

「そしてこれ。」
「ああ、なになに〜」

重井《しげい》は、小さな箱をあけたあと中身を見せた。

小さな箱の中には、カルティエのウォッチが入っていた。

やよいは、目を細めながら喜んだ。

「わあ~、カルティエのウォッチ〜…うれしい〜」

…………………………

三永《みえ》さんは、私に対してこう言うた。

「その日の夜を境に、重井《しげい》はやよいに対して非常に強い執着心を抱くようになったのよ。」
「なんてこった。」

またところ変わって、ラブホの部屋にて…

私は、三永《みえ》さんに対して声をかけた。

「その時、店のホステスさんはどう見ていたのだ?」
「店のホステスさんたちは、すごく怒っていたわよ。」
「それはどう言うことだ!?」
「聞かなくても分かるわよ!!…店のホステスさんたちは『やよいちゃんばかり不公平よ!!』と言うて激怒していたわよ!!…とくに、店の古株のホステスさんのいくみちゃんの怒りがすごく大きかったわよ。」
「その…いくみと言うホステスさんは、どんなひとだったの?」
「いくみちゃんは、20歳の時からあの店で働いていたのよ。」
「20歳の時から同じ店でずっと働いていたのだね。」
「そうよ…いくみちゃんは約11年間…あの店のホステスさんで働いていたのよ。」
「そのいくみと言うホステスさんは…今どこにいるの?」
「わかんない。」
「そう。」

三永《みえ》さんは、私に対してこう言うた。

「いくみちゃんは、重井《しげい》があの店に最初に来た日から指名していたのよ。」
「しかし、やよいが入店した日からやよいを指名するようになった。」
「重井《しげい》は…いくみちゃんをふったのよ。」
「いくみからやよいにのりかえた?」
「そうよ…いくみちゃんは、重井《しげい》に対して非常に強いうらみをいだいたのよ。」
「それは今も続いているの?」
「そうよ。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら『なんとも言えない。』と言うた。

…………………………

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、5月2日の午前10時頃であった。

三永《みえ》さんと私は、折尾駅から国鉄筑豊線《ちくほうせん》の各駅停車《どんこう》に乗って旅に出た。

午前11時40分頃、列車が飯塚駅に到着した。

三永《みえ》さんと私は、飯塚駅で列車を降りたあと歩いて旅に出た。

時は、午後2時半頃であった。

またところ変わって、遠賀川《おんががわ》と穂波川《ほなみがわ》が合流する地点にある河川敷の公園にて…

三永《みえ》さんと私は、川の合流点の風景をみながら話をした。

三永《みえ》さんは、私に対して重井《しげい》とやよいの関係について話をした。

「重井《しげい》がやよいに対してブランド品を大量に贈ったあの日の夜を境に…重井《しげい》は…やよいに対して…非常に強い執着心を抱いた…むつみちゃんとアタシは、重井《しげい》に対して何度も注意をしたのよ…『うちの店のホステスさんと店外《そと》でデートすることは厳禁です!!』…とわかるまで言うたのよ!!」
「しかし、重井《あのヤロー》は…むつみさんと三永《みえ》さんが言うた言葉を聞かなかった。」
「…って言うか…重井《しげい》の耳に…むつみちゃんとアタシの声は…届いていなかったのよ。」
「……………………」

三永《みえ》さんは、私に対してその時の様子を話した。

………………………

またところ変わって、小倉のスナックの店内にて…

重井《しげい》は、やよいに対して過度に優しい声で『次のお休みはいつかな?』と言うた。

やよいは、ものすごく困った声で重井《しげい》に言うた。

「やめてください!!なんでアタシのお休みを聞くのですか!?」

重井《しげい》は、過度に優しい声でやよいに言うた。

「ごめんね…ぼくは悪気があって言うたわけじゃないのだよ…やよいちゃんのお休みの予定があるかどうかをたずねたのだよ。」
「なんでアタシのお休みの予定を聞くのよ?」
「休みの予定がないのであれば、やよいちゃんのおうちに遊びにいきたいのだよ〜」
「やめてください!!」
「ねえ、いいかな〜」

…………………………

私は、三永《みえ》さんに対して声をかけた。

「重井《あのヤロー》がやよいの家に遊びに行ってもいいと言うた…それはどう言うことだよ?」

三永《みえ》さんは、私に対してこう答えた。

「重井《しげい》は、やよいが好きだから家に遊びに行きたいと言うたのよ。」
「ふざけてるわ!!…その前に…重井《あのヤロー》には妻子《かぞく》はいるのか?」
「いるけど…夫婦仲が険悪になったので別居中よ。」
「別居中?」
「ええ。」

三永《みえ》さんは、私に対してこう言うた。

「重井《しげい》がやよいに対してつきまとうようになった…それを聞いて、激怒した人間がいたのよ。」
「それは…溝端屋の番頭《ばんと》はんだった。」
「そうよ。」
「重井《しげい》の妻子は、どこにいるのだ?」
「大口里《おおぐちさと》の実家にいるわよ。」
「大口里《おおぐちさと》?」
「鹿児島県《かごしま》よ。」
「鹿児島県《かごしま》…重井《しげい》の妻子《かぞく》は、鹿児島県《かごしま》の大口里《おおぐちさと》の実家にいるのだね。」
「ええ。」
「そこに番頭《ばんと》はんが来るようになったのはいつ?」
「8月の上旬あたりだったわ…アタシ…見たのよ…溝端屋の番頭《ばんと》はんが重井《しげい》の妻を脅していた現場を…」

時は、1982年8月の始め頃だった。

またところ変わって、大口里《おおぐちさと》(鹿児島県伊佐市)にある重井《しげい》の妻の実家にて…

実家のリビングに重井《しげい》の妻と番頭《ばんと》はんがいた。

重井《しげい》の妻は、濃いピンク色のブラウスとゴマダラチョウ柄のロングスカートを着ていた。

番頭《ばんと》はんにおどされた重井《しげい》の妻は、泣き叫ぶ声で『やめてください!!』と言うたあと重井《しげい》とはリコンしましたと言うた。

番頭《ばんと》はんは、ものすごく恐ろしい声で重井《しげい》の妻に言うた。

「奥さんがどないに言うてもアカンもんはあきまへんで…あんたのクソ亭主がオレの女《レコ》にてぇつけたと言うのに被害者ヅラしたから怒ってるのだよ!!」
「やめてください!!うちには子どもがいるのよ!!…両親がいるのよ!!…帰ってください!!」
「なにィ!!帰れだと!!オレはこのままでは帰ることができん!!」
「あなたはアタシにどうしろと言うのですか!?」
「オレはあんたに対してオトシマエをつけろと言うてるのだよ!!」
「なにをわけのわからないことを言うてるのよ!!帰ってください!!」

番頭《ばんと》はんは、ものすごく恐ろしい声で重井《しげい》の妻に言うた。

「おい、オドレのクソ亭主がオレの女《レコ》にてぇつけた代償を払うのは、女房であるオドレや!!…オラ!!」
「イヤ!!」

(ドサッ!!)

番頭《ばんと》はんは、重井《しげい》の妻をカーペットに寝かせたあと身体を押さえつけた。

「やめて!!」

(パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!)

「いたい!!いたい!!いたい!!」

番頭《ばんと》はんは、重井《しげい》の妻の顔を平手打ちで激しく叩いた。

番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った表情で重井《しげい》の妻をにらみつけたあと濃いピンク色のブラウスを激しく破いた。

(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)

破れたブラウスの間から黒色のキャミソールがあらわになった。

「やめて!!やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて!!」

番頭《ばんと》はんは、スカートの中に手首を入れたあと黒色のストッキングごとショーツを脱がした。

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

重井《しげい》の妻は、よりし烈な叫び声をあげながら泣いた。

…………………………

私は、三永《みえ》さんに対して声をかけた。

「重井《しげい》の妻は、ボロボロになるまで番頭《ばんと》はんに犯されたのだね。」
「ええ…溝端屋の番頭《ばんと》はんは、重井《しげい》の妻に対してオトシマエをつけさせようとやっきになっていたのよ。」
「……………………」
「溝端屋の番頭《ばんと》はんは、その次の日から毎日のように重井《しげい》の妻の実家の近辺をウロウロするようになったのよ。」
「溝端屋の番頭《ばんと》はんは…重井《しげい》の妻が応じるまで…あの近辺をうろついていた…一体どうなっているのだ…」

ゼブラシャーボーを使ってメモパッドにメモ書きをしていた私は、メモパッドに『なんとも言えない。』と記した。

……………………………
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