大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【僕は泣いちっち】

時は、夜8時半頃であった。

またところ変わって、江津市渡津町《しないわたづちょう》にある小学校のグラウンドにて…

グラウンドでは、地区の盆踊り大会が催されていた。

グラウンドの真ん中に建てられているやぐらに地区の住民たちが集まっていた。

やぐらの前に集まっている住民たちは、スピーカーから流れている歌に合わせて踊っていた。

スピーカーから守屋浩さんの歌で『僕は泣いちっち』が流れていた。

会場から少し離れた場所にいた私は、つらそうな表情で盆踊り大会を見つめていた。

2歳の終わり頃から今日までのあいだ、私は一度も『コミュニティ』の中に入ったことがなかった。

マンシュウリで大好きなママと別れた翌日以降は『イワマツを作るプロジェクトを始めるための準備に取り組む』『仕事に必要な資格を大量に取得すること』『修士号博士号を取得すること』『大学・大学院の卒業単位を取得すること』…と並行して『小学校からハイスクールまでの卒業単位をレポート提出のみ』で取得した…

…の暮らしをつづけた。

小学校からハイスクールまでレポート提出のみで単位を取得した関係で行事ごとに参加することができなかった。

行事ごと…

とくにハイスクールの行事ごとのダンスパーティーは、見てるだけでもすごくイヤだった。

おしゃれな服を着てオキニの女子生徒と一緒にダンスを踊っていた様子を見た私は、泣きながらハイスクールから出た。

なんで私は…

みんなの中に入ることができないのか…

一般家庭の夫婦の子供に生まれてきたかった…

悲しい…

………………………

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、深夜11時45分頃であった。

ショルダーバックを持って再び旅に出た私は、国道9号線を歩いて浜田方面へ向かった。

車道には、自動車がたくさん走っていた。

私は、つらそうな表情でつぶやいた。

私は…

これから先…

どうすればいいのだ…

大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんは…

どこにいるのだ…

こんなフラフラした暮らしは…

もうイヤだ…

……………………………
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