大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【ILOVEYOU】

時は、深夜11時半頃であった。

またところ変わって、伊予市の五色姫海浜公園のとなりにある公園にて…

公園内に設置されているテーブルの上にソニーのケータイラジオと1981〜1983年までの3年手帳がひらいた状態でおかれていた。

いすに座っている私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。

ケータイラジオのスピーカーから山口放送ラジオで放送されている自社(山口放送)製作のリクエスト番組が流れていた。

スピーカーから尾崎豊さんの歌で『ILOVEYOU』が流れていた。

三永《みえ》さんは、となりに設置されている青色のベンチに座った状態で眠っていた。

……………………

私は…

恋愛経験が…

まったくない…

2歳9ヶ月の時から今までのあいだ…

イワマツを作るプロジェクトを始めるための準備と仕事に必要な資格を取得することと修士号と博士号を取得することと大学・大学院の卒業単位を取得することだけの日々をつづけた…

小学校〜ハイスクールまでの12年間の単位は、レポート提出のみで取得した…

小学校からハイスクールまでのあいだの行事ごとに一度も参加しなかった…

私がレポート提出で学校に来た時、校内では行事ごとが行われていた…

体育祭・文化祭・球技大会・プロム・ダンスパーティー…

ハイスクールのダンスパーティーは、すごくイヤだった…

男女が素敵な衣装を来て、軽快なリズムに合わせてカップルが踊っていた…

ダンスパーティーでダンスを踊ったカップルたちの大部分は…

その後、夫婦となった…

ダンスパーティーに参加できなかった私は…

一生涯の伴りょを見つけることができなかった…

…………………………

結婚は…

誰のためにするのか…

考えただけでもすごくイヤになった…

……………………………

時は、7月30日の朝6時過ぎであった。

またところ変わって、国鉄伊予市駅の待合室にて…

待合室に三永《みえ》さんと私がいた。

三永《みえ》さんは、私に対して声をかけた。

「ヨシタカさん。」
「三永《みえ》さん。」
「ヨシタカさんは、どちらへ向いて行くの?」
「決めてない。」
「そう…アタシは松山へ行くわ。」
「分かった…何か分かったことがあったらまた知らせてね。」
「いいわよ…また会おうね。」
「ああ。」

……………………………

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、朝6時半頃であった。

三永《みえ》さんが乗り込んだ各駅停車《どんこう》が上りホームからゆっくりと出発した。

私は、三永《みえ》さんが乗り込んだ各駅停車《どんこう》を見送ったあと再び旅に出た。

…………………………

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

それからまた1時間後であった。

私は、予讃本線《よさんせん》の海回りルートを走る各駅停車《どんこう》に乗っていた。

列車の窓には、青く澄んだ伊予灘《うみ》が写っていた。

今の私の気持ちは、ひどく焦っていた…

大急ぎで大番頭《おおばんと》はんたちとマァマとドナ姐《ねえ》はんを見つけなきゃ…

1日も早く…

放浪《このたび》を終わらなきゃ…

急げ…

急ぐのだ…

………………………
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