大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【夏の別れ】

(ミーンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミーン…ジー…ミーンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミーン…ジー)

時は、8月1日の朝9時50分頃であった。

この日は雲ひとつない快晴であったが、日中の予想最高気温が39度で酷暑日になるとラジオで伝えられていた。

とくに内陸にある地域では、40度を超えるおそれがあるので体調管理などをおこたらないようにとも伝えられていた。

…………………………

私は、傷ついた身体を抱えながらも歩き通した。

もうしんどい…

どこか木陰で休みたい…

…………………………

ところ変わって、城町《ちょうない》にある公園にて…

私が公園内にある藤棚に入った時であった。

藤棚の後ろにある茂みの内側で祝夫《のりお》の怒鳴り声が聞こえた。

私は、茂みの向こう側の様子を聞き耳を立てた状態で聞いていた。

「帰れよ!!帰れと言うたら帰れよ!!温子《あのババア》とはとっくの昔にリコンしたのだから関係ないんだよ!!帰れと言うたら帰れ!!」

生け垣の向こう側から番頭《ばんと》はんの声が聞こえた。

「おい!!オレはこのまま帰《けえ》ることができないのだよ!!一《にのまえ》の元妻はどこへ行った!?」
「知らないと言うたら知らないよ!!」
「おいアホンダラ!!『知りまへん!!』と言い通して逃げ切れると思うなよ!!温子《あのババア》がどなな悪いことをしていたのか分からんのか!?」
「帰れ!!帰れと言うたら帰れ!!帰れよクソバカ!!」

番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った口調で祝夫《のりお》に言うた。

「オラオドレ!!さっきワテになんて言うた!?ワテに対してバカとはなんや!!」
「だまれクソバカ!!帰れと言うたら帰れ!!ここはよその土地だ!!命令に従え!!」

番頭《ばんと》はんは、よりし烈な怒りを込めながら祝夫《のりお》に言うた。

「おい!!オドレが言うた言葉は田嶋組《うち》に対して戦争をしかけたと言うことが分からないようだな!!」
「あんたはなに言ってるのだよ!!頭がおかしいのじゃないのか!?」
「オドレクソアホンダラ!!オドレは田嶋組《うち》に対して宣戦布告を発したので、それ相応の力で返すぞ!!」
「オドレクソバカ!!」

思い切りブチ切れた祝夫《のりお》は、近くにあった鉄パイプで番頭《ばんと》はんの身体を殴りつけた。

祝夫《のりお》に殴られてばかりいた番頭《ばんと》はんは、弱々しい声で『オドレ覚えてろよ!!』と言うた。

…………………………

(カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ…)

それからまた100分後であった。

またところ変わって、祝夫《のりお》の実家の付近にある甘み屋にて…

店内にかき氷を食べに来た若いカップルさんたちと近所の主婦たちがたくさんいた。

そんな中で、ショルダーバックを持って旅をしていた私が入店した。

「いらっしゃ~い。」
「おばあちゃん、ペプシ(コーラ)ちょうだい。」
「はい。」

私は、ショルダーバックの中からサイフを取り出したあと110円を取り出した。

その後、サイフをショルダーバックに収納した。

私は、おばあちゃんに110円を渡したあとペプシのロゴ入りの冷蔵庫のトビラをあけた。

中に入っていたペプシコーラの小瓶を取り出したあと、冷蔵庫のトビラをしめた。

(プシュー…)

私は、栓抜きを使って王冠をあけたあとコーラをひとくちのんだ。

この時、零細工場《こうじょう》の経営者のハゲ親父が入店した。

「いらっしゃ~い。」
「おばちゃん、宇治金時《きんとき》ちょうだい。」
「は〜い…(かき氷を作っている人に声をかける)宇治金時《きんとき》作ってちょうだい。」

…………………………

コーラをのんでいた私は、店のおばあちゃんに声をかけた。

「おばあちゃん。」
「なあに?」
「祝夫《のりお》が日田市《こっち》に帰ってきたのはいつ?」
「そうねぇ〜…たしか…1年前だったと思うわよ。」
「1年前。」
「温子《まえのよめ》に暴力をふるわれたと言ってたわよ。」
「それは本当の話ですか?」
「本当の話よ。」

おばあちゃんは、白いかっぽう着の前ポケットに入れていたエコー(たばこ)の箱を取り出した。

その後、箱の中からたばこを一本取り出した。

口にたばこをくわえているおばあちゃんは、小さなテーブルの上に置かれていたアルミの灰皿の横に置かれていた喫茶店のロゴ入りのマッチ箱を手に取った。

おばあちゃんは、マッチで火をつけたあとたばこに点火した。

おばあちゃんは、マッチ棒をアルミの灰皿に入れたあと一服くゆらせた。

その間、おばあちゃんは私に対して温子《はるこ》の悪口を言いまくった。

「則本の家の人たち全員が温和な性格であることが原因で、温子《はるこ》はダメ女になったのよ…一《にのまえ》の家の人間は、温子《はるこ》の芯《いちばんおく》をよく見ていなかったのよ…則本の家の人たちは全員いい人だから仲良くやっていくことができる…と思って、一《いえ》の筆頭主《コシュ》が判断したのよ…その結果、温子《はるこ》が増長したのよ。」
「温子《はるこ》が増長した。」
「ええ。」

私は、おばあちゃんに対して公園で祝夫《のりお》と溝端屋の番頭《ばんと》はんが話していた内容をたずねた。

「おばちゃん、話しを変えるけど…」
「なあに?」
「この付近の公園で、祝夫《のりお》とヤクザがもめていた現場を聞いた。」

おばちゃんは、私に対して冷めた声で『温子《はるこ》のことでもめていたのよ。』と言うたあと、私にこう言うた。

「温子《はるこ》は…借金していたのよ。」
「温子《はるこ》が借金していた?」
「ええ。」
「どれくらい借りていたのですか?」
「そうねぇ…軽く…3兆9998億円…ぐらいだったかな〜」
「なんだって…温子《はるこ》が4兆円近くの大借金をしていた!?」
「そうよ。」
「なんで温子《はるこ》は、4兆円近くの大借金《おおくち》を借り入れたのですか!?」

私の問いに対して、店のおばあちゃんは『そうねぇ〜』と言うたあとこう答えた。

「あっ、思い出したわ。」
「おばちゃん、何か知ってるの!?」
「ちょいと小耳に挟んだ話だけど…たしか温子《はるこ》は…セヴァスチャンと言うじいさんが保有していた超特大の財産を受け取ってくださる人を募集していると言う話を聞いたので、大借金をしたみたいよ。」
「なんだって…セヴァスチャンじいさんの…超特大の財産がほしいから大借金…おばちゃん!!…それはほんとうの話!?」
「ほんとうよ。」
「なんてこった〜」

おばちゃんからとんでもない話を聞いた私は、気持ちが動揺した。

私は、のみかけのコーラを一気に飲み干した。

……………………………

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、午後3時頃であった。

私は、九大本線《きゅうだいせん》の各駅停車《どんこう》に乗って再び旅に出た。

座席の上に1981〜1983年の3年手帳がひらいた状態で置かれていた。

私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。

甘み屋のおばあちゃんからとんでもない話を聞いた…

温子《はるこ》が…

セヴァスチャンじいさんが保有していた超特大の財産を手に入れるために…

4兆円近くの大借金《おおくち》を組んでいた…

これから先…

私は、どう対処すればいいのか…

…………………………
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