大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【ひとりよがりの人魚】

時は、8月12日の朝10時頃であった。

またところ変わって、うきは市中心部の国道210号線沿いにあるスーパーマーケットの商品搬入口にて…

私は、キューソー便(キューピーマヨネーズの商品の運送会社)の運転手《おっちゃん》に声をかけたあと話をした。

私は、運転手《おっちゃん》に対してパスケースに入っている尾儀原《おぎわら》の写真を見せた。

運転手《おっちゃん》は、私に対して声をかけた。

「ああ、その写真の男は10日前に見たよ。」
「10日前…おっちゃんはその日、どこへ行ったのですか?」
「小石原(福岡県東峰村)にある老健施設《しせつ》に業務用のドレッシングを届けに行ったよ。」
「ちょっと待ってください!!」

私は、ショルダーバックに収納されていたメモパッドとゼブラシャーボーを取り出したあとショルダーバックのフタを閉じた。

メモを取る準備が整ったあと私はおっちゃんに声をかけた。

「おっちゃんは、8月2日に小石原にある老健施設《しせつ》へ品物を届けに行った…夜明駅の前を最初に通過した時間は何時頃でしたか!?」
「たしか…夜の8時に…5分前だった。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら『8月2日の夜7時55分頃に夜明駅の前を通過した…』と言うたあと運転手《おっちゃん》に声をかけた。

「老健施設《しせつ》に到着したのは何時頃ですか!?」
「え~と…夜9時を回った頃だった。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら『夜9時過ぎに老健施設《しせつ》についた』と言うたあと運転手《おっちゃん》に声をかけた。

「おっちゃんは、老健施設《しせつ》のチュウボウで荷下ろしをした…老健施設《しせつ》を出発したのは何時頃でしたか!?」
「たしか…9時半頃だった。」
「9時半頃に小石原の老健施設《しせつ》を出発したあと、夜明駅の付近にやって来たのは何時頃でしたか!?」
「たしか、11時を過ぎた頃だった。」
「11時頃!!」
「その時わし…腹が痛くなったので…夜明駅の前に停まった。」
「えっ?…夜明駅の前に停まられたのですか!?」
「ああ…トイレに行くために停まったよ。」
「それじゃあ、その時に尾儀原《おぎわら》を見たのですね。」
「ええ…見たよ。」
「その時、おっちゃんは尾儀原《しゃしんにうつっているおとこ》にひとこと声をかけられましたか!?」
「声をかけました…『トイレ空いたよ。』とかけました。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら『トイレ空いたよと声をかけた…』と言うた。

運転手《おっちゃん》は、のんきな声で私に言うた。

「あの男は、トイレに人が入っていたからイライラしていたのだよ…『待たせてごめんね。』と声はかけておいたよ。」

それ本当かよ…

メモ書きを終えた私は、運転手《おっちゃん》に対して声をかけた。

「分かりました…あの、もし他に思い当たるフシがございましたらお知らせ願いますか!?」
「うん、分かったよ。」
「よろしくお願いいたします。」

……………………………

それからまた40分後であった。

またところ変わって、スーパーマーケットから東へ300メートル先にある歩道に設置されている電話ボックスにて…

私が電話ボックスに入った直後であった。

(ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリン!!ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリン!!)

この時、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンからけたたましいベルが鳴り響いた。

私は、まわりの様子を確認したあと受話器を取った。

「はいコリントイワマツヨシタカグラマシー!!」

またところ変わって、小郡市小枝井にあるリネン会社の事務所にて…

デスクにいるおばちゃんは、グレーのダイヤル式の電話機を使って電話をかけていた。

「コリントさま、小郡市小枝井の△△リネンでございます…あの…13年前に発生した例の強姦殺人事件の尾儀原《おぎわら》と言う男のことで、コリントさまにお話したいことがあってお電話をおかけしました。」
「ああ、そうですか…ありがとうございます…あの…お話と言うのはなんでしょうか?」
「あのコリントさま…実は…8月3日の深夜11時から8月4日の深夜0時半ぐらいのあいだに…うちの会社の運転手がその…夜明駅の付近にいたと話していました。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをしながら受話器越しにいるおばちゃんに声をかけた。

「そうですか…あのすみませんけど、本人さまと代わっていただけますか!?…よろしくお願いいたします!!」

私は、メモパッドの余白のページをひらいたあとメモをとる準備を整えた。

受話器のスピーカーから男性運転手の声が聞こえた。

「はい、お電話代わりました。」
「もしもし、お世話になりますコリントイワマツヨシタカグラマシーともうします。」

運転手さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。

「コリントさまですね…あの…私は…8月3日の深夜11時半頃に夜明駅の前にトラックを停めました…トイレ休憩を取るために夜明駅に立ち寄りました。」

私は、受話器越しにいる運転手《うんちゃん》に声をかけた。

「そうですか…その時に駅の待合室に尾儀原《おぎわら》がいたところを見たのですね…えっ…もう一人…男がいた…ちょっとお待ちくださいませ!!」

私は、電話ボックスの周りの様子を見た。

電話ボックスの周りに人がいないかどうかを確認したあと受話器越しにいる運転手《うんちゃん》に声をかけた。

「お待たせしました…あの…もう一人いた男の特徴はわかりますか!?」

運転手《うんちゃん》は、受話器越しにいる私に対して声をかけた。

「たしか、髪型は焼きそばみたいなボサボサ髪だった…黒いサングラスをかけていて、だらしない服装だった。」

まさか…

溝端屋の番頭《ばんと》はん…

私は、不安げな表情でつぶやいたあと受話器越しにいる運転手《うんちゃん》に声をかけた。

「あの…2人の男はどんな話をしていたのでしょうか?…聞いてない…そうですか…分かりました…もし、他に思い当たるフシがありましたらまたご一報願いますか?…よろしくお願いいたします。」

…………………………

時は、午後3時半頃であった。

またところ変わって、国鉄筑後吉井駅の待合室にて…

ベンチの上に1981〜1983年の3年手帳がひらいた状態で置かれていた。

私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。

尾儀原《おぎわら》と溝端屋の番頭《ばんと》はんが…

夜明駅の待合室にいた…

あの二人は…

夜明駅の待合室で…

なにを話していたのだ…

…………………………
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