大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【ヨイトマケの唄】
(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)
時は、午前11時半頃であった。
この時間も、ザーザー降りの雨が降っていた。
またところ変わって、大牟田市内の国道208号線沿いにあるファミレスの店内にて…
店内の奥の席に穂乃香《ほのか》とふたりの子どもたちと穂乃香《ほのか》のボーイフレンドのあわせて4人がいた。
穂乃香《ほのか》は、2人の子どもたちに対してボーイフレンドを紹介した。
「紹介するわよ…おかーさんの旧《ふる》い友人《ともだち》の有原祝夫《ありはらのりお》さんよ。」
穂乃香《ほのか》のボーイフレンド・有原祝夫《ありはらのりお》は、にこやかな表情で声をかけた。
「初めまして、有原祝夫《ありはらのりお》です…よろしくね。」
この時であった。
4人が座っている席の近くに消防団のハッピ姿の男が座っていた。
ハッピ姿の男は、溝端屋の番頭《ばんと》はんであった。
溝端屋の番頭《ばんと》はんは、テーブルの上に置かれているちびたえんぴつとメモパッドを手に取った。
このあと、穂乃香《ほのか》と祝夫《のりお》が話し合いを始めた。
…………………………
(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ドザー!!)
それから2分後であった。
外では、大きな雷がとどろいたあと1時間に70ミリに相当する非常に激しい雨が降り出した。
……………………………
レストランの店内にて…
穂乃香《ほのか》は、ものすごく困った声で祝夫《のりお》に言うた。
「有原《ありはら》くん…有原《ありはら》くん!!」
「(祝夫《のりお》、ぼんやりとした表情で言う)えっ?」
「有原《ありはら》くん、アタシは3時から大事な用事があるのよ!!遅くても1時までにはここを出たいのよ!!」
ぼんやりとした表情を浮かべていた祝夫《のりお》は、はっとわれにかえったあとこう言うた。
「ああ、いっけねぇ〜…すっかり忘れていた。」
「有原《ありはら》くん、アタシに伝えたいことがあると言うたよね!!」
「ああ…そうだった…穂乃香《ほのか》と久しぶりに会えたからつい…うれしくなって…ああ、話すよ。」
祝夫《のりお》は、タンブラーに入っているミネラルウォーターをごくごくとのんだあと、穂乃香《ほのか》に声をかけた。
「その前に、うれしいお知らせがあるのだよ〜…聞いてくれるかな?」
穂乃香《ほのか》は、ものすごく困った声で祝夫《のりお》に言うた。
「そんなことはあとにしてよ!!」
「どうして?」
「有原《ありはら》くんが大事な話がしたいからここへアタシと子どもたちを呼んだのでしょ…うれしいお知らせはあとにしてよ!!」
「ぼくは、今すぐに話をしたいのだよ〜」
「有原《ありはら》くんの個人的なうれしいお知らせはあとにして、アタシと子どもたちの今後のことについて話がしたいのよ!!」
「わかってるよ…ぼくが伝えるうれしいお知らせは大事なことなんだよ…すぐ終わるから聞いてよ〜」
「分かったわよ。」
祝夫《のりお》は、穂乃香《ほのか》に対してこう言うた。
「オレ…お前の人生史上もっともうれしい贈り物を用意したのだよ。」
祝夫《のりお》が言うた言葉を聞いた穂乃香《ほのか》は、だまりこんだ。
祝夫《のりお》は、困った声で穂乃香《ほのか》に言うた。
「穂乃香《ほのか》、聞いてるの?」
穂乃香《ほのか》は、つらそうな声で『聞いてるわよ〜』と言うた。
祝夫《のりお》は、書面が入っている茶封筒をテーブルの上に置いた。
茶封筒の表面には『プロポーズ』と書かれていた。
穂乃香《ほのか》は、祝夫《のりお》に対してこう言うた。
「これはなによ?」
「プロポーズだよ。」
「この封筒の中に入っているものはなにと聞いてるのよ!!」
「だから、プロポーズの手紙だよ。」
「だから、プロポーズの手紙ってなによ!!」
穂乃香《ほのか》は、ヒステリックな声で祝夫《のりお》を攻撃した。
攻撃された祝夫《のりお》は、ものすごく困った声で穂乃香《ほのか》に言うた。
「どうしたのだよ〜」
「うるさいわね!!」
「封筒の中に入っているのは、法的な証書だよ…オレは、セヴァスチャンと言うじいさんが保有していた超特大の財産を取得したのだよ。」
「だから、どうやって取得したのよ!!」
「穂乃香《ほのか》はうれしくないのかよ〜」
「うるさいわね!!」
このあと、祝夫《のりお》と穂乃香《ほのか》がチワゲンカを起こした。
…………………………
さて、その頃であった。
またところ変わって、鹿屋市内《しないちゅうしんぶ》にある警察署の生活安全課《せいあん》にて…
オフィスの中に徳田さんと私がいた。
ソファのテーブルの上には、紺色と白の水玉の柄の陶器の湯呑みに入っているお茶が置かれていた。
徳田さんは、私に対して1枚の書面を手渡した。
受け取った書面は、信用調査会社が作成したブラックリストであった。
書面を受け取った私は、徳田さんに声をかけた。
「この書面はなんですか?」
「信用調査会社が作成したブラックリストです。」
「この書面を信用調査会社に頼んだのはどなたですか?」
「書面作成を依頼したのは、結婚相談業の代表者です。」
「結婚相談業の代表者?」
「はい…この書面に書かれている人物は、穂乃香《ほのか》さんのボーイフレンドです。」
「三森穂乃香《ほのかさん》のボーイフレンド?」
「はい。」
私は、書面に書かれている内容を読んだ。
「有原祝夫《ありはらのりお》(34歳)…自称・経営者…住所不定…本籍地不詳…」
徳田さんは、お茶をひとくちのんだあと私に声をかけた。
「コリントさま…有原《ありはら》は、日本全国にある結婚相談の店全部に出入りすることを禁止されたのです。」
「結婚相談の店全部から出入禁止《できん》を食らった?」
「はい。」
「住所不定と本籍地不詳と職業をサショウしていた…あの…他にもどんな問題があったのかご存じですか?」
「それ以上のことについては、お答えできません。」
「そうですか。」
私は、湯呑みに入っているお茶をひとくちのんだあと徳田さんに声をかけた。
「あの…徳田さんにおたずねしたいのですが、徳田さんが鹿児島県警《けいさつ》に在籍していた時に配属されていた先はどちらでしょうか?」
「生活安全課《せいあん》でした…シブシと鹿屋《ここ》の警察署で働いていましたよ。」
「そうですか。」
徳田さんは、思案顔で『まてよ…』と言うたあと私に声をかけた。
「コリントさま、コリントさまだけにお話をしますが…今から15年ほど前に、有原《ありはら》がここ(生活安全課)へ来たことがありました。」
「なんだって…有原《ありはら》がここ(生活安全課)へ来たことがあった?」
「はい、その時…私は生活安全課《せいあん》の課長でした。」
「その時、有原《ありはら》は何歳《いくつ》だったのですか?」
「たしか、19だったよ。」
「19。」
「ええ。」
「その当時19だった有原《ありはら》は、どこにいたのですか?」
「たしか、西大手町《にしおおてまち》にある城山公園《こうえん》だった…有原《カレ》はそこで野宿をしていた。」
「野宿をしていた?」
「ええ。」
「あの…その時、徳田さんはここにいたのですね。」
「ええ、その日は当直でした。」
「ちょっと待ってください。」
私は、ショルダーバックの中からメモパッドとゼブラシャーボーを取り出したあとフタを閉じた。
ゼブラシャーボーの本体を右に回してシャープペンシルを出した。
メモを取る準備を整えた私は『お待たせしました。』と言うたあと、徳田さんに声をかけた。
「もう一度確認を取りますが、有原がここへ来た日は15年前…昭和43年の何月何日頃でしたか?」
「たしか…昭和43の4月2日の明け方だったよ。」
私は『昭和43年4月2日の明け方』と言いながらメモパッドにメモ書きをしたあと徳田さんに声をかけた。
「有原がここへ来た日は4月2日ですが、ここを出たのは何日後でしたか?」
「5日後の4月7日の午後でした。」
私は『4月7日の午後』と言いながらメモ書きをしたあと徳田さんに声をかけた。
「その日、ここに来られたのはどなたですか?」
「ご両親がお越しになられました。」
私は『ご両親が迎えに来た』と言いながらメモ書きをした。
徳田さんは、私に対して声をかけた。
「あの当時、有原《カレ》は犯罪を犯していたと言う形跡がなかったので…実家《いえ》にかえしました…その時は、高校を卒業していなかったと言う点もありました。」
「えっ?…高校に行ってなかった?」
「はい。」
徳田さんは、心苦しい表情を浮かべながら言うたあと飲みかけのお茶をひとくちのんだ。
有原は…
なんで高校に行かなかったのか…
あの時…
有原の身に…
なにがあったのだ…
…………………………
時は、午前11時半頃であった。
この時間も、ザーザー降りの雨が降っていた。
またところ変わって、大牟田市内の国道208号線沿いにあるファミレスの店内にて…
店内の奥の席に穂乃香《ほのか》とふたりの子どもたちと穂乃香《ほのか》のボーイフレンドのあわせて4人がいた。
穂乃香《ほのか》は、2人の子どもたちに対してボーイフレンドを紹介した。
「紹介するわよ…おかーさんの旧《ふる》い友人《ともだち》の有原祝夫《ありはらのりお》さんよ。」
穂乃香《ほのか》のボーイフレンド・有原祝夫《ありはらのりお》は、にこやかな表情で声をかけた。
「初めまして、有原祝夫《ありはらのりお》です…よろしくね。」
この時であった。
4人が座っている席の近くに消防団のハッピ姿の男が座っていた。
ハッピ姿の男は、溝端屋の番頭《ばんと》はんであった。
溝端屋の番頭《ばんと》はんは、テーブルの上に置かれているちびたえんぴつとメモパッドを手に取った。
このあと、穂乃香《ほのか》と祝夫《のりお》が話し合いを始めた。
…………………………
(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ドザー!!)
それから2分後であった。
外では、大きな雷がとどろいたあと1時間に70ミリに相当する非常に激しい雨が降り出した。
……………………………
レストランの店内にて…
穂乃香《ほのか》は、ものすごく困った声で祝夫《のりお》に言うた。
「有原《ありはら》くん…有原《ありはら》くん!!」
「(祝夫《のりお》、ぼんやりとした表情で言う)えっ?」
「有原《ありはら》くん、アタシは3時から大事な用事があるのよ!!遅くても1時までにはここを出たいのよ!!」
ぼんやりとした表情を浮かべていた祝夫《のりお》は、はっとわれにかえったあとこう言うた。
「ああ、いっけねぇ〜…すっかり忘れていた。」
「有原《ありはら》くん、アタシに伝えたいことがあると言うたよね!!」
「ああ…そうだった…穂乃香《ほのか》と久しぶりに会えたからつい…うれしくなって…ああ、話すよ。」
祝夫《のりお》は、タンブラーに入っているミネラルウォーターをごくごくとのんだあと、穂乃香《ほのか》に声をかけた。
「その前に、うれしいお知らせがあるのだよ〜…聞いてくれるかな?」
穂乃香《ほのか》は、ものすごく困った声で祝夫《のりお》に言うた。
「そんなことはあとにしてよ!!」
「どうして?」
「有原《ありはら》くんが大事な話がしたいからここへアタシと子どもたちを呼んだのでしょ…うれしいお知らせはあとにしてよ!!」
「ぼくは、今すぐに話をしたいのだよ〜」
「有原《ありはら》くんの個人的なうれしいお知らせはあとにして、アタシと子どもたちの今後のことについて話がしたいのよ!!」
「わかってるよ…ぼくが伝えるうれしいお知らせは大事なことなんだよ…すぐ終わるから聞いてよ〜」
「分かったわよ。」
祝夫《のりお》は、穂乃香《ほのか》に対してこう言うた。
「オレ…お前の人生史上もっともうれしい贈り物を用意したのだよ。」
祝夫《のりお》が言うた言葉を聞いた穂乃香《ほのか》は、だまりこんだ。
祝夫《のりお》は、困った声で穂乃香《ほのか》に言うた。
「穂乃香《ほのか》、聞いてるの?」
穂乃香《ほのか》は、つらそうな声で『聞いてるわよ〜』と言うた。
祝夫《のりお》は、書面が入っている茶封筒をテーブルの上に置いた。
茶封筒の表面には『プロポーズ』と書かれていた。
穂乃香《ほのか》は、祝夫《のりお》に対してこう言うた。
「これはなによ?」
「プロポーズだよ。」
「この封筒の中に入っているものはなにと聞いてるのよ!!」
「だから、プロポーズの手紙だよ。」
「だから、プロポーズの手紙ってなによ!!」
穂乃香《ほのか》は、ヒステリックな声で祝夫《のりお》を攻撃した。
攻撃された祝夫《のりお》は、ものすごく困った声で穂乃香《ほのか》に言うた。
「どうしたのだよ〜」
「うるさいわね!!」
「封筒の中に入っているのは、法的な証書だよ…オレは、セヴァスチャンと言うじいさんが保有していた超特大の財産を取得したのだよ。」
「だから、どうやって取得したのよ!!」
「穂乃香《ほのか》はうれしくないのかよ〜」
「うるさいわね!!」
このあと、祝夫《のりお》と穂乃香《ほのか》がチワゲンカを起こした。
…………………………
さて、その頃であった。
またところ変わって、鹿屋市内《しないちゅうしんぶ》にある警察署の生活安全課《せいあん》にて…
オフィスの中に徳田さんと私がいた。
ソファのテーブルの上には、紺色と白の水玉の柄の陶器の湯呑みに入っているお茶が置かれていた。
徳田さんは、私に対して1枚の書面を手渡した。
受け取った書面は、信用調査会社が作成したブラックリストであった。
書面を受け取った私は、徳田さんに声をかけた。
「この書面はなんですか?」
「信用調査会社が作成したブラックリストです。」
「この書面を信用調査会社に頼んだのはどなたですか?」
「書面作成を依頼したのは、結婚相談業の代表者です。」
「結婚相談業の代表者?」
「はい…この書面に書かれている人物は、穂乃香《ほのか》さんのボーイフレンドです。」
「三森穂乃香《ほのかさん》のボーイフレンド?」
「はい。」
私は、書面に書かれている内容を読んだ。
「有原祝夫《ありはらのりお》(34歳)…自称・経営者…住所不定…本籍地不詳…」
徳田さんは、お茶をひとくちのんだあと私に声をかけた。
「コリントさま…有原《ありはら》は、日本全国にある結婚相談の店全部に出入りすることを禁止されたのです。」
「結婚相談の店全部から出入禁止《できん》を食らった?」
「はい。」
「住所不定と本籍地不詳と職業をサショウしていた…あの…他にもどんな問題があったのかご存じですか?」
「それ以上のことについては、お答えできません。」
「そうですか。」
私は、湯呑みに入っているお茶をひとくちのんだあと徳田さんに声をかけた。
「あの…徳田さんにおたずねしたいのですが、徳田さんが鹿児島県警《けいさつ》に在籍していた時に配属されていた先はどちらでしょうか?」
「生活安全課《せいあん》でした…シブシと鹿屋《ここ》の警察署で働いていましたよ。」
「そうですか。」
徳田さんは、思案顔で『まてよ…』と言うたあと私に声をかけた。
「コリントさま、コリントさまだけにお話をしますが…今から15年ほど前に、有原《ありはら》がここ(生活安全課)へ来たことがありました。」
「なんだって…有原《ありはら》がここ(生活安全課)へ来たことがあった?」
「はい、その時…私は生活安全課《せいあん》の課長でした。」
「その時、有原《ありはら》は何歳《いくつ》だったのですか?」
「たしか、19だったよ。」
「19。」
「ええ。」
「その当時19だった有原《ありはら》は、どこにいたのですか?」
「たしか、西大手町《にしおおてまち》にある城山公園《こうえん》だった…有原《カレ》はそこで野宿をしていた。」
「野宿をしていた?」
「ええ。」
「あの…その時、徳田さんはここにいたのですね。」
「ええ、その日は当直でした。」
「ちょっと待ってください。」
私は、ショルダーバックの中からメモパッドとゼブラシャーボーを取り出したあとフタを閉じた。
ゼブラシャーボーの本体を右に回してシャープペンシルを出した。
メモを取る準備を整えた私は『お待たせしました。』と言うたあと、徳田さんに声をかけた。
「もう一度確認を取りますが、有原がここへ来た日は15年前…昭和43年の何月何日頃でしたか?」
「たしか…昭和43の4月2日の明け方だったよ。」
私は『昭和43年4月2日の明け方』と言いながらメモパッドにメモ書きをしたあと徳田さんに声をかけた。
「有原がここへ来た日は4月2日ですが、ここを出たのは何日後でしたか?」
「5日後の4月7日の午後でした。」
私は『4月7日の午後』と言いながらメモ書きをしたあと徳田さんに声をかけた。
「その日、ここに来られたのはどなたですか?」
「ご両親がお越しになられました。」
私は『ご両親が迎えに来た』と言いながらメモ書きをした。
徳田さんは、私に対して声をかけた。
「あの当時、有原《カレ》は犯罪を犯していたと言う形跡がなかったので…実家《いえ》にかえしました…その時は、高校を卒業していなかったと言う点もありました。」
「えっ?…高校に行ってなかった?」
「はい。」
徳田さんは、心苦しい表情を浮かべながら言うたあと飲みかけのお茶をひとくちのんだ。
有原は…
なんで高校に行かなかったのか…
あの時…
有原の身に…
なにがあったのだ…
…………………………