大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第90話・想い出迷子

【もしや…あんたが…】

(コツン…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…コトンコトンコトンコトンコトンコトンコトン…コツン…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…コトンコトンコトンコトンコトンコトンコトンコトンコトンコトンコトンコトンコトン…)

時は、8月31日の午後2時半頃であった。

またところ変わって、松山市三番町にあるビリヤード店にて…

店内に勝負師《ハスラー》の男たち数人がいた。

勝負師《ハスラー》の男たちは、見事なスティックさばきで白色の球をついた。

白色の球が9個のボールに当たったと同時に9個の球が四方八方に転がった。

9個の球は、すべて穴《ポケット》に入った。

…………………………

そんな中であった。

派手な色のTシャツと濃いネイビーのボブソンのジーンズ姿でトゲトゲしい色のメイクをつけている三永《みえ》さんが店に入った。

三永《みえ》さんは、目つきの悪い勝負師《ハスラー》の男のもとへやって来た。

目つきの悪い勝負師《ハスラー》の男は、三永《みえ》さんに対して怒った声で言うた。

「なんや!!」
「久しぶりね…元気してた〜」
「なんだ…三永《みえ》か…オレと勝負してえのか!?」
「そうよ。」
「いくらほしいのだ!?」

三永《みえ》さんは、男の前にパーを出して金額を提示した。

目つきの悪い勝負師《ハスラー》の男は、三永《みえ》さんに対して声をかけた。

「50万…おもしれぇ…のった。」

目つきの悪い勝負師《ハスラー》の男は、みどりの台の上に現金50万円を置いた。

三永《みえ》さんは、なにも言わずにスティックを手にしたあと白色の球をついた。

(コツン…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトンポトン…)

三永《みえ》さんは、9個の球を穴《ポケット》に全部入れた。

三永《みえ》さんは、緑のカーペットの上に置かれていた現金50万円をわしづかみで取ったあとその場から立ち去った。

(ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、夕方4時半頃であった。

またところ変わって、南堀端通りにて…

木々に止まっているツクツクホーシの鳴き声が響いていた。

大通りに路面電車《トラム》とたくさんの自動車が往来していた。

ショルダーバックを持って旅をしていた私は、国鉄松山駅から歩いてここまで来た。

歩道を歩いていた私は、交差点を左に曲がったあと堀の内公園へ向かって歩いた。

またところ変わって、松山市民会館《しみんかいかん》にて…

建物の入り口付近に三永《みえ》さんがいた。

この時、ショルダーバックを持って旅をしていた私が三永《みえ》さんのもとにやって来た。

三永《みえ》さんは、私に対して声をかけた。

「ヨシタカさん。」
「三永《みえ》さん。」
「ちょっと…話があるけど…いい?」

三永《みえ》さんが言うた言葉に対して私は気乗りしない声で『ああ分かった。』と答えた。

……………………………

時は、夕方5時頃であった。

またところ変わって、いよてつそごう(デパート・いよてつ高島屋)の屋上にて…

屋上では、ビアガーデンが催されていた。

テーブルの上には、サントリーのジョッキ生中とエダマメが盛られている大皿が置かれていた。

三永《みえ》さんは、私に対して声をかけた。

「ヨシタカさん、ニュース速報よ。」
「(気乗りしない声で)ニュース速報!?」
「これに書かれているわよ。」

三永《みえ》さんは、私に対して夕刊えひめ(タブロイド紙・今は発行されていない)を差し出した。

夕刊えひめを手にした私は、三永《みえ》さんに声をかけた。

「何面だ!?」
「(12面中の)11面よ。」

私は、三永《みえ》さんが言うた面《ページ》をめくった。

三永《みえ》さんは、私に対して声をかけた。

「ピンク色のマジックで囲んでいる記事を見て…」

私は、ピンク色のマジックで囲まれている記事を読んだ。

見出しにはこう書かれていた。

『最高裁、被告人の申し出を却下〜あす、上告審判決…』

三永《みえ》さんは、新聞を読んでいる私に対して声をかけた。

「最高裁が被告人の申し出を却下したわよ…これで、あすの上告審で被告人の死刑が確定するわよ。」

なんとも言えない…

新聞を読んでいた私は、ものすごくつらい表情でつぶやいた。

………………………………

時は、9月1日であった。

この日、世界中が震えた事件が発生した。

アメリカ西海岸からアラスカ経由で韓国・ソウルキンポ国際空港へ向かっていた大韓航空機が撃墜〜墜落した大事件が発生した。

テレビ番組は、昼前から報道特番《とくばん》に変わったので番組が変更された。

そんな中で、深刻な事件が発生した。

時は、9月1日の午後2時過ぎであった。

またところ変わって、最高裁判所《さいこうさい》の大法廷にて…

この日、昭和45年に愛知県で発生した強姦殺人事件の上告審の判決が下される予定であった。

裁判長は、被告人に対して名古屋高裁《こうさい》の判決を支持する形で『死刑』を下した。

この時であった。

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!)

法廷内に銃声と悲鳴が響いた。

傍聴席《ぼうちょうせき》にいた男が持っていたトカレフで被告人の男と被告人を弁護していた年輩の弁護士さんを撃ち殺した。

この時、法廷内にいた警視庁の警官たち50人が男を取り押さえた。

男が警官たちに対して激しく抵抗したので、警官たちが男を激しく押さえつけた。

男は、警官たちに押さえつけられたことによってチッソクしたあと死亡した。

死亡した男は、見習いの構成員《チンピラ》だった。

…………………………
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