大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【再会の朝】
(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、9月10日の朝10時過ぎであった。
またところ変わって、鹿児島市朝日通《しないあさひどお》りの交差点付近にあるたばこ屋にて…
付近を走っていた路面電車《トラム》が交差点を通過した。
たばこ屋にいる私は、カウンターに設置されている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。
「もしもし、コリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…三永《みえ》さん…三永《みえ》さん!!」
……………………………
(ガチャン!!カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…ガチャン!!カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…)
またところ変わって、松山市山越町にある電話局の電話交換室にて…
局内に機械の音が響いていた。
電話交換台に座っている三永《みえ》さんは、ヘッドフォン型の受話器を使って電話をかけていた。
「もしもしヨシタカさん、今朝伝えられたニュースを知ってる?…高知市菜園場町《さえんばちょう》の酒場街で殺人事件が発生したニュースよ…知っていたのね。」
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。
「被害に遭ったのは、副島組長《そえじま》と城井組長《きのい》の2人の組長だよ。」
「副島組長《そえじま》と城井組長《きのい》が殺されたのね。」
「三永《みえ》さんは、ふたりを殺した犯人を知っているのか!?」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「知ってるわよ…副島城井《ふたりのくみちょう》を殺した犯人は…喜田村《きたむら》よ。」
「喜田村《きたむら》…そいつはどこの組に所属《ぞく》していた構成員《チンピラ》や!?」
「城井組《きのい》の事務所の見習いの構成員《チンピラ》よ。」
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに対して声をかけた。
「城井組《きのい》の事務所の見習いの構成員《チンピラ》だった!?」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「考えられることは、ふたつあるわよ…一つは、組《そしき》の方針が気に入らない…もう一つは…組《そしき》の中でいじめに遭った…」
「それだけか!?」
「他にも理由はあるわよ。」
「それは何だ!?」
私の問いに対して、三永《みえ》さんはだまりこんだ。
私は、受話器の越しにいる三永《みえ》さんに対して声をかけた。
「三永《みえ》さん!!だまってないでなんとか言えよ!!その…喜田村《きたむら》と言う構成員《チンピラ》がなんらかの不満を抱えていた…なんらかの不満を抱えていたと言うことは、組《そしき》の内部になんらかの原因があったと言うことだよ!!三永《みえ》さん!!話を聞いているの!?」
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)
私は、コイン投入口に10円玉をたくさん入れながら受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。
「三永《みえ》さん!!三永《みえ》さん!!」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「事件に至った背景を知りたいのであれば、今週の(週刊)宝石をみてよ。」
「週刊誌を見ろって?」
「だから、今週の(週刊)宝石に載っている記事の中に原因が隠れているのよ。」
「その記事なら読んだ。」
「読んだのね。」
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。
「たしか、新居浜のゴルフ場で開催された副島組長《そえじま》の還暦祝い記念のゴルフコンペの話題だった…その記事の中に原因が含まれていたと言うのか!?」
「そうよ。」
「あっ、思い出した…たしかその中に、城井組《きのい》の初代組長《せんだい》のオンキ(法要)がどうのこうのと書かれていた部分を読んだ…三永《みえ》さんが言うたその…隠れていた原因と言うのはそれか!?」
「そうよ。」
「つまりこう言うことじゃないか!?初代組長《せんだい》の法要に使う費用をめぐって内部で対立が生じた…」
「それで?」
「だから、その様子を喜田村《きたむら》が聞いていたのだよ!!…内部《みうちどうし》がもめていた現場をみた喜田村《きたむら》は…居場所をなくしたのだよ!!」
「だから上納金《くみのかね》を盗んで逃げたと言いたいのでしょ〜」
私は、怒った声で三永《みえ》さんに言うた。
「なんだって!!喜田村《きたむら》が上納金《くみのかね》を盗んだ!?」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「ええそうよ。」
「おい、喜田村《きたむら》が上納金《くみのかね》を盗んだと言う話をどこで聞いた!?」
「どこだっていいでしょ〜」
「コラ!!」
「怒らないでよ〜」
「怒りたくなるよ!!」
「ヨシタカさんがくわしい原因を知りたいと言うのであれば、津乃峰《つのみね》と言う男に聞いたらわかるわよ。」
「津乃峰《そのおとこ》はどこのどいつだ!?」
「津乃峰《カレ》は、フリーの記者で、元は大手新聞社の事件記者だったわよ…たしか…兵庫県警の記者クラブのヤクザ担当の記者も務めていたわよ。」
「津乃峰《そのおとこ》がなんらかの事情を知っているのだな!!」
「そうよ。」
「津乃峰《そのおとこ》は、三永《みえ》さんの知人か?」
「そうよ…アタシの中学時代の先輩にあたる人よ。」
「津乃峰《そのおとこ》はどこにいるのだ!?教えてくれよ!!」
「ごめんなさい…教えることはできないの〜」
「なんでだ!?」
「ヨシタカさんが危険な目に遭ったら困るので…(津乃峰の居場所を)教えることができないのよ!!」
「三永《みえ》さん…三永《みえ》さん!!」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して『じゃあ、またあとで…』と言うたあとヘッドフォン型の受話器を置いた。
その後、電話交換室から出た。
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに対して声をかけた。
「おい…おい!!」
(ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)
受話器のスピーカーから電話が切れた音が聞こえた。
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)
私が受話器を白のフックにのせたと同時に、たくさんの10円玉が返却口に出てきた。
電話を切った私は、全身をブルブルと震わせながら怒り狂った。
…………………………
(ボーッ、トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン…プォー、プォー…)
時は、午後4時半頃であった。
またところ変わって、高知市横浜西町にある岸壁にて…
小型船《ふね》が警笛を鳴らしながら夕暮れの浦戸湾《うみ》を航行していた。
喜田村《きたむら》とさよこは、肩を寄せ合った状態で夕暮れの浦戸湾《うみ》を見つめていた。
さよこは、喜田村《きたむら》に対して声をかけた。
「あんた。」
「さよこ。」
「あんたはこれからどうするのよ?」
さよこの問いに対して、喜田村《きたむら》はこう答えた。
「オレは、上納金《ゼニ》を盗んだあと城井組《くみ》から脱走した…そして…副島城井《ふたりのくみちょう》を殺した…」
「帰る家は?」
「ないよ…家出した直後に…戸籍《せき》をなくした…」
さよこは、喜田村《きたむら》に対して声をかけた。
「アタシ…あんたのそばにいる…あんたを…死ぬまで守り続けるわ…」
「さよこ。」
喜田村《きたむら》は、さよこの乳房《むね》に抱きついた。
さよこは、喜田村《きたむら》の背中を優しくなでた。
…………………………
この時であった。
ふたりの前に番頭《ばんと》はんと構成員《チンピラ》たち50人がやって来た。
「アニキ!!喜田村《クソバカ》がいたぞ!!」
「なんだと!!」
危険を察知した喜田村《きたむら》は、立ち上がったあとさよこをかばいながら言うた。
「さよこ!!逃げろ!!逃げるのだ!!」
「あんた!!」
「早く逃げろ!!」
この時、番頭《ばんと》はんは怒った声で喜田村《きたむら》に言うた。
「おい!!その女をこっちへよこせ!!」
喜田村《きたむら》は、怒った声で番頭《ばんと》はんに言うた。
「ふざけるなクソバカ!!」
「バカとはなんや!!」
「クソバカだからクソバカと言うた!!」
「この野郎!!よくも城井組《くみ》の上納金《カネ》を盗んだ上に副島城井《ふたりのくみちょう》を殺したそのまた上にワテに対して『クソバカ』と言うたな!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「おい喜田村《クソバカ》!!オドレはええ度胸してるな!!」
「オラ!!死にたい奴は誰や!!」
喜田村《きたむら》の背中《せな》にいるさよこは『あんたやめて!!』と叫んだ。
喜田村《きたむら》は、さよこに対して声をかけた。
「逃げろ!!逃げるのだ!!」
「いや!!あんたを置いて逃げることはできない!!」
「早く逃げろ!!」
「いや!!」
番頭《ばんと》はんは、構成員《チンピラ》たちに対して『やっちまえ!!』と叫んだ。
構成員《チンピラ》は、ワーッと叫びながら喜田村《きたむら》へ向かって行った。
喜田村《きたむら》は、構成員《チンピラ》たちに対して近くに落ちていた鉄パイプを使って次々と殴りつけた。
さよこは、その間に現場から逃げ出した。
乱闘開始から100分後であった。
「ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!」
番頭《ばんと》はんは、ハラマキの下に隠していた拳銃《トカレフ》を取り出したあと喜田村《きたむら》の背中に銃口を向けて発砲した。
撃たれた喜田村《きたむら》は、地面に倒れたあと死亡した。
(ドドーン!!ドドーン!!)
その頃であった。
またところ変わって、桂浜にて…
さよこは、荒波の海を見つめながら考えごとをしていた。
これから先…
アタシは…
どうしたらいいの…
……………………………
時は、9月10日の朝10時過ぎであった。
またところ変わって、鹿児島市朝日通《しないあさひどお》りの交差点付近にあるたばこ屋にて…
付近を走っていた路面電車《トラム》が交差点を通過した。
たばこ屋にいる私は、カウンターに設置されている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。
「もしもし、コリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…三永《みえ》さん…三永《みえ》さん!!」
……………………………
(ガチャン!!カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…ガチャン!!カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…)
またところ変わって、松山市山越町にある電話局の電話交換室にて…
局内に機械の音が響いていた。
電話交換台に座っている三永《みえ》さんは、ヘッドフォン型の受話器を使って電話をかけていた。
「もしもしヨシタカさん、今朝伝えられたニュースを知ってる?…高知市菜園場町《さえんばちょう》の酒場街で殺人事件が発生したニュースよ…知っていたのね。」
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。
「被害に遭ったのは、副島組長《そえじま》と城井組長《きのい》の2人の組長だよ。」
「副島組長《そえじま》と城井組長《きのい》が殺されたのね。」
「三永《みえ》さんは、ふたりを殺した犯人を知っているのか!?」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「知ってるわよ…副島城井《ふたりのくみちょう》を殺した犯人は…喜田村《きたむら》よ。」
「喜田村《きたむら》…そいつはどこの組に所属《ぞく》していた構成員《チンピラ》や!?」
「城井組《きのい》の事務所の見習いの構成員《チンピラ》よ。」
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに対して声をかけた。
「城井組《きのい》の事務所の見習いの構成員《チンピラ》だった!?」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「考えられることは、ふたつあるわよ…一つは、組《そしき》の方針が気に入らない…もう一つは…組《そしき》の中でいじめに遭った…」
「それだけか!?」
「他にも理由はあるわよ。」
「それは何だ!?」
私の問いに対して、三永《みえ》さんはだまりこんだ。
私は、受話器の越しにいる三永《みえ》さんに対して声をかけた。
「三永《みえ》さん!!だまってないでなんとか言えよ!!その…喜田村《きたむら》と言う構成員《チンピラ》がなんらかの不満を抱えていた…なんらかの不満を抱えていたと言うことは、組《そしき》の内部になんらかの原因があったと言うことだよ!!三永《みえ》さん!!話を聞いているの!?」
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)
私は、コイン投入口に10円玉をたくさん入れながら受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。
「三永《みえ》さん!!三永《みえ》さん!!」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「事件に至った背景を知りたいのであれば、今週の(週刊)宝石をみてよ。」
「週刊誌を見ろって?」
「だから、今週の(週刊)宝石に載っている記事の中に原因が隠れているのよ。」
「その記事なら読んだ。」
「読んだのね。」
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに声をかけた。
「たしか、新居浜のゴルフ場で開催された副島組長《そえじま》の還暦祝い記念のゴルフコンペの話題だった…その記事の中に原因が含まれていたと言うのか!?」
「そうよ。」
「あっ、思い出した…たしかその中に、城井組《きのい》の初代組長《せんだい》のオンキ(法要)がどうのこうのと書かれていた部分を読んだ…三永《みえ》さんが言うたその…隠れていた原因と言うのはそれか!?」
「そうよ。」
「つまりこう言うことじゃないか!?初代組長《せんだい》の法要に使う費用をめぐって内部で対立が生じた…」
「それで?」
「だから、その様子を喜田村《きたむら》が聞いていたのだよ!!…内部《みうちどうし》がもめていた現場をみた喜田村《きたむら》は…居場所をなくしたのだよ!!」
「だから上納金《くみのかね》を盗んで逃げたと言いたいのでしょ〜」
私は、怒った声で三永《みえ》さんに言うた。
「なんだって!!喜田村《きたむら》が上納金《くみのかね》を盗んだ!?」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「ええそうよ。」
「おい、喜田村《きたむら》が上納金《くみのかね》を盗んだと言う話をどこで聞いた!?」
「どこだっていいでしょ〜」
「コラ!!」
「怒らないでよ〜」
「怒りたくなるよ!!」
「ヨシタカさんがくわしい原因を知りたいと言うのであれば、津乃峰《つのみね》と言う男に聞いたらわかるわよ。」
「津乃峰《そのおとこ》はどこのどいつだ!?」
「津乃峰《カレ》は、フリーの記者で、元は大手新聞社の事件記者だったわよ…たしか…兵庫県警の記者クラブのヤクザ担当の記者も務めていたわよ。」
「津乃峰《そのおとこ》がなんらかの事情を知っているのだな!!」
「そうよ。」
「津乃峰《そのおとこ》は、三永《みえ》さんの知人か?」
「そうよ…アタシの中学時代の先輩にあたる人よ。」
「津乃峰《そのおとこ》はどこにいるのだ!?教えてくれよ!!」
「ごめんなさい…教えることはできないの〜」
「なんでだ!?」
「ヨシタカさんが危険な目に遭ったら困るので…(津乃峰の居場所を)教えることができないのよ!!」
「三永《みえ》さん…三永《みえ》さん!!」
三永《みえ》さんは、受話器越しにいる私に対して『じゃあ、またあとで…』と言うたあとヘッドフォン型の受話器を置いた。
その後、電話交換室から出た。
私は、受話器越しにいる三永《みえ》さんに対して声をかけた。
「おい…おい!!」
(ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)
受話器のスピーカーから電話が切れた音が聞こえた。
(ガチャ…ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ…)
私が受話器を白のフックにのせたと同時に、たくさんの10円玉が返却口に出てきた。
電話を切った私は、全身をブルブルと震わせながら怒り狂った。
…………………………
(ボーッ、トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン…プォー、プォー…)
時は、午後4時半頃であった。
またところ変わって、高知市横浜西町にある岸壁にて…
小型船《ふね》が警笛を鳴らしながら夕暮れの浦戸湾《うみ》を航行していた。
喜田村《きたむら》とさよこは、肩を寄せ合った状態で夕暮れの浦戸湾《うみ》を見つめていた。
さよこは、喜田村《きたむら》に対して声をかけた。
「あんた。」
「さよこ。」
「あんたはこれからどうするのよ?」
さよこの問いに対して、喜田村《きたむら》はこう答えた。
「オレは、上納金《ゼニ》を盗んだあと城井組《くみ》から脱走した…そして…副島城井《ふたりのくみちょう》を殺した…」
「帰る家は?」
「ないよ…家出した直後に…戸籍《せき》をなくした…」
さよこは、喜田村《きたむら》に対して声をかけた。
「アタシ…あんたのそばにいる…あんたを…死ぬまで守り続けるわ…」
「さよこ。」
喜田村《きたむら》は、さよこの乳房《むね》に抱きついた。
さよこは、喜田村《きたむら》の背中を優しくなでた。
…………………………
この時であった。
ふたりの前に番頭《ばんと》はんと構成員《チンピラ》たち50人がやって来た。
「アニキ!!喜田村《クソバカ》がいたぞ!!」
「なんだと!!」
危険を察知した喜田村《きたむら》は、立ち上がったあとさよこをかばいながら言うた。
「さよこ!!逃げろ!!逃げるのだ!!」
「あんた!!」
「早く逃げろ!!」
この時、番頭《ばんと》はんは怒った声で喜田村《きたむら》に言うた。
「おい!!その女をこっちへよこせ!!」
喜田村《きたむら》は、怒った声で番頭《ばんと》はんに言うた。
「ふざけるなクソバカ!!」
「バカとはなんや!!」
「クソバカだからクソバカと言うた!!」
「この野郎!!よくも城井組《くみ》の上納金《カネ》を盗んだ上に副島城井《ふたりのくみちょう》を殺したそのまた上にワテに対して『クソバカ』と言うたな!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「おい喜田村《クソバカ》!!オドレはええ度胸してるな!!」
「オラ!!死にたい奴は誰や!!」
喜田村《きたむら》の背中《せな》にいるさよこは『あんたやめて!!』と叫んだ。
喜田村《きたむら》は、さよこに対して声をかけた。
「逃げろ!!逃げるのだ!!」
「いや!!あんたを置いて逃げることはできない!!」
「早く逃げろ!!」
「いや!!」
番頭《ばんと》はんは、構成員《チンピラ》たちに対して『やっちまえ!!』と叫んだ。
構成員《チンピラ》は、ワーッと叫びながら喜田村《きたむら》へ向かって行った。
喜田村《きたむら》は、構成員《チンピラ》たちに対して近くに落ちていた鉄パイプを使って次々と殴りつけた。
さよこは、その間に現場から逃げ出した。
乱闘開始から100分後であった。
「ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!」
番頭《ばんと》はんは、ハラマキの下に隠していた拳銃《トカレフ》を取り出したあと喜田村《きたむら》の背中に銃口を向けて発砲した。
撃たれた喜田村《きたむら》は、地面に倒れたあと死亡した。
(ドドーン!!ドドーン!!)
その頃であった。
またところ変わって、桂浜にて…
さよこは、荒波の海を見つめながら考えごとをしていた。
これから先…
アタシは…
どうしたらいいの…
……………………………


