大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【そっと、おやすみ・その2】

時は、朝10時頃であった。

ほたるさんと私が乗っている宇高国道フェリーが高松港に到着した。

ほたるさんと私は、フェリーから降りたあと高松市内《ちゅうしんぶ》へ歩いて向かった。

………………………………

それからまた30分後であった。

またところ変わって、玉藻公園《たまもこうえん》(お城)にて…

ほたるさんと私は、公園内に設置されているベンチに座っていた。

私は、ショルダーバックをひざの上にのせた状態で座っていた。

「ほたるさん。」
「なあによーくん。」
「佐久本は…今も三永《みえ》さんを愛し続けているのですね。」
「そうよ。」
「佐久本には…妻子《かぞく》はいるのですか?」
「いるわけないわよ…三永《みえ》ちゃんを今も愛し続けている未練者に嫁なんか来ないわよ。」
「来るわけないか。」

それからまた5秒後にほたるさんは私に声をかけた。

「その前に、三永《みえ》ちゃんのことを話すけど…三永《みえ》ちゃんは、25年前に(赤ちゃんを)流産したのよ。」
「(赤ちゃんを)流産した?」
「うん。」
「なんで?」
「ダンナが三永《みえ》ちゃんに暴力をふるったことが原因よ。」
「ダンナが…三永《みえ》さんに…暴力をふるった。」
「三永《みえ》ちゃんは、ダンナから受けた暴力が原因でタイバンハクリを起こしたのよ。」
「タイバンハクリを起こした!?」
「それが原因で、流産したのよ。」
「それじゃあ、三永《みえ》さんとダンナのあいだにいるふたりのお子さまは?」

ほたるさんは、私に対してこう答えた。

「上の子は、ダンナのいとこ(当時27歳)の元カノの子よ。」
「ダンナのいとこの元カノの子?」
「うん。」

ほたるさんは、私に対してこう言うた。

「三永《みえ》ちゃんのダンナのいとこにはらまされたカノジョは、別の男性と結婚したわ…だけど…カノジョはダンナ方の実家でダンナの親きょうだいたちと一緒に暮らしていくことが苦痛になったので、家から出ていこうとしたのよ…この時、ダンナの家族たちが家から出ていこうとしたカノジョに対して『出て行かないでくれ〜』と言うて引き止めたのよ…その際に、カノジョが転倒したのよ…カノジョは救急車で病院に運ばれた〜男の子を出産した…けれど、母親であったカノジョは死亡した…その直後に、カノジョのダンナ方の親類の人たちが三永《みえ》ちゃんのダンナ方の実家に赤ちゃんを連れて怒鳴り込みにきたのよ…『よくもうちらをぐろうしたわね!!』『オトシマエをつけろ!!』『お前のオイゴが犯したあやまちはおじおばであるお前らが代償を払うと決まってるのだよ!!』と言うてシツヨウに抗議したのよ。」
「その時に相手方の家族たちのそばにだれがいたのですか?」
「いたわよ。」

それから5秒後にほたるさんは私に対してこう言うた。

「亡くなったカノジョのダンナ方の家の人たちは、ヤクザ組織の構成員《チンピラ》たち20人と一緒にいたわよ。」
「ヤクザ組織の構成員《チンピラ》たち20人と一緒にいた!?」
「うん…亡くなったカノジョのダンナの家の人たちは、三永《みえ》ちゃんのダンナ方の家に対して『代償を払わないと恐ろしい目に遭うぞ!!』と言うたのよ。」
「それは一体なんですか?」
「彼らは『死亡したカノジョに変わって男の子を育てる』『損害賠償金5000万円を現金で一括して払う』『(三永《みえ》さんのダンナのいとこ)の末のきょうだい(当時中3)がスイセン入試で合格した私立高校《コーコー》へ進学することを辞退しろ』…を要求した。」
「三永《みえ》さんのダンナ方の家族たちは、どうなされたのですか?」
「3つとも拒否したわよ…だけど、彼らは要求を拒否されたことに腹を立ててダイナマイトを取り出したのよ…『要求を拒否するのであればダイナマイトでふっとばすぞ!!』…と言うて、ダイナマイトの導火線に火をつけようとしたのよ。」
「それを見た家の人たちは、死亡した母親に変わって三永《みえ》さん夫婦が赤ちゃんを育てると言うたのですね。」
「そう言うことよ。」
「もう一人の男の子は?」
「下の子は、三永《みえ》ちゃんのダンナの弟さんの嫁の子どもよ…だけど、その子の父親はダンナの父親よ。」
「それはどうしてですか?」
「三永《みえ》ちゃんのダンナの父親が弟の嫁をレイプしたのよ。」
「そうだったのですか…それじゃあ、三永《みえ》さんは…」
「三永《みえ》ちゃんは、タイバンハクリを起こした上に子宮が破裂したので子どもを産むことができなくなったのよ…三永《みえ》ちゃんは、流産したあと子宮を摘出する手術を受けたのよ。」
「そうだったのですか。」
「そうしたことがあったので、三永《みえ》ちゃんとダンナの夫婦仲はすごく悪かったわ。」

ほたるさんは、イラついた声で言うた。

「三永《みえ》ちゃんのダンナは、ひとつの仕事に集中して取り組むことができない…目上の人にたてつく…気に入らないことがあれば、周りの人たちに殴りかかっていく…再就職できたと思ったら3日ですぐにやめる…ひどい場合には、出社して5分でやめることもあったのよ…『会社の待遇面がすごく悪い!!』『(紹介してくださった人)がオレをだました!!』『(会社名)の仕事が合わないからやめたのだよ!!』『妻子は、オレのカネをアテにしていないからどうでもいいのだよ』…と言うて自分は悪くないと主張したのよ。」

私は、ほたるさんに対して声をかけた。

「三永《みえ》さんのダンナは、高卒以上の学歴がない…資格特技がない…そんな状態で家族を養うことはできないよ…それなのに…三永《みえ》さんのダンナは自分勝手を通しつづけた…その状態で暮らしつづけていたら…三永《みえ》さんはイヤになりますよ。」

私が言うた言葉に対して、ほたるさんはこう言うた。

「そう思った三永《みえ》ちゃんは、子どもたち二人を連れて家出したのよ…その時、三永《みえ》ちゃんのダンナは…外で作った女にイソンするようになった…つまり、ヒモになったのよ。」
「ドサイアクだ!!」

ほたるさんは、私に対して声をかけた。

「よーくん、今からよーくんをある場所へ案内するわよ…ついてきなさい。」

このあと、ほたるさんは私を連れて玉藻公園《こうえん》から出たあとほたるさんが言うた『ある場所』へ向かった。

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