大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【あの唄はもう唄わないのですか】

時は、11月1日の朝7時過ぎであった。

またところ変わって、垂水港(大隅半島側)のフェリー乗り場にて…

ほたるさんと私は、シブシ駅の近くでヒッチハイクした長距離トラックに乗って垂水港《ここ》まで来た。

このあと、ほたるさんと私はフェリーに乗って鴨池桟橋(薩摩半島側)へ向かう予定であった。

…………………………

ショルダーバックを持っている私は、ほたるさんを待っていた。

ほたるさんは、途中でトイレに行きたくなったので待合室にあるトイレへ行った。

私は、左腕につけているロレックスの腕時計をみたあといらついた声で言うた。

「ほたるさん!!早く来てよ!!」

……………………………

またところ変わって、待合室にて…

ほたるさんは、ものすごくあせった表情を浮かべながらトイレから出てきた。

「急がなきゃ〜」

この時であった。

待合室に設置されているテレビの画面に映っている『NHKニュースモーニングワイド』が『1984ロスアンゼルスオリンピックの日本代表の期待の星』のコーナーからニュース速報に変わった。

スタジオにいる男性アナウンサーが『今入ってきたニュースをお伝えします…警察と消防に入った連絡によりますと…』と言うたあと『宮崎県延岡市のホテルで発生した大きな爆発を伴った大火災で宿泊客全員が死亡した…出火原因は時限爆弾であった』と伝えた。

さらにその上に新たなニュースが入った。

男性アナウンサーは『時限爆弾を仕掛けた容疑者の身元が分かりましたのでお伝えします。』と言うたあと画面は『容疑者の顔写真』が写った。

容疑者の顔写真の下に『時限爆弾を仕掛けた容疑者』と書かれていた。

写真に写っていたのは三永《みえ》さんだった。

「三永《みえ》ちゃん、三永《みえ》ちゃん!!」

テレビを見たほたるさんは、顔が真っ青になった。

…………………………

またところ変わって、フェリー乗り場にて…

ショルダーバックを持っている私は、ものすごくいらついた表情を浮かべながら『ほたるさん!!早くしてよ!!』と言うた。

この時、ほたるさんがものすごい血相で私のもとにかけてきた。

「よーくん大変よ!!」

私は、ものすごく怒った声でほたるさんに言うた。

「ほたるさん!!フェリーが出て行ったよ!!」
「ごめんなさい〜」
「今までどこでなにをしていたのですか!?」
「よーくんごめんなさい。」
「ほたるさん!!」
「よーくんお願い、行き先を変更して〜」
「行き先を変更しろだと!!」
「あやまるわよ。」
「何で行き先を変更しなきゃならないんだよ!!」
「三永《みえ》ちゃんが…無関係の人たちを…たくさん殺した…指名手配された〜」

私は、怒った声でほたるさんに言うた。

「そのニュースをどこで聞いたの!?」
「どこでって…待合室のテレビで見た。」

私は、ショルダーバックの中に収納されていたソニーのケータイラジオを取り出したあと電源を入れた。

ケータイラジオのスピーカーからNHKラジオ第一放送が聞こえた。

NHKラジオも通常の内容を取りやめたあと宮崎県延岡市のホテルで発生した時限爆弾による放火殺人事件のニュースを伝えていた。

(カチ…)

私は、ラジオの電源を切ったあとショルダーバックに収納した。

その後、私はほたるさんに対して声をかけた。

「ほたるさん、思い当たるフシはない!?」
「思い当たるフシ?」
「延岡のラブホで放火殺人事件が発生する前に三永《みえ》さんの様子がおかしかった…と言う話を聞いたの!?」
「聞いてないわ…うーん〜」

ほたるさんは『あっ、思い出したわ!!』と言うたあと私にこう言うた。

「たしか三永《みえ》ちゃん…前々からうらみ続けているホステスがいるのよ…と言うたのをおぼえていたわ。」
「その、三永《みえ》さんが前々からうらみ続けているホステスと言うのはどなたですか!?」
「きのう行った借家で暮らしている問題のホステスよ。」
「…と言うことは、きのうほたるさんと一緒に行った借家で暮らしている…あの問題のホステスの女は…三永《みえ》さんとの間でもめごとを抱えていた!?」
「よーくんの言うとおりよ。」

私は、ものすごくあわてた表情でほたるさんに言うた。

「ほたるさんはその話を知ってたの!?」
「知ってるわよ〜」
「それは一体なに!?…カネの貸し借りをめぐるトラブル!?…それとも、ドーハン(出勤)で一緒に来た男性客《きゃく》ひとりをめぐって対立していたのですか!?…それとも他になにかあったのですか!?」
「そこまでは聞いてないけど…」
「ほたるさん!!」

ほたるさんと私は、会話がかみ合わなくなったので大パニックを起こした。

結局、ほたるさんと私は垂水市《ここ》で足止めになったので鹿児島市《かごしま》へ向かうことを取りやめた。

……………………………
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