大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【黒百合の歌】

時は、午後12時10分頃であった。

またところ変わって、伊根町役場《まちのやくば》にて…

役場は、重俊《しげとし》が勤務している職場である。

この時間、職員たちはランチを摂っていた。

ご家族が作った手作り弁当を食べている職員さんたち…

給与引きで注文した仕出し弁当を食べている職員さんたち…

…………………………

しかし…

重俊《しげとし》は、お弁当を持ってこなかったので食べることができなかった。

重俊《しげとし》は『しほこが毎日ネボーしているのでお弁当を作ることができない!!』と言うて怒っていた。

重俊《しげとし》は、お弁当を食べている職員さんに対して『食べさせてくれ〜』と頼んでいた。

職員さんたちは、口々に拒否した。

職員さんたちに拒否された重俊《しげとし》は、自分の要求が通るまで『食べさせてくれ〜』と求め続けた。

職員さんたちは、重俊《しげとし》の要求をかたくなに拒否した。

職員さんたちに拒否された重俊《しげとし》は、職員さんたちに対して『オラ!!食べさせろ!!』と怒鳴りながら職員さんたちになぐるけるの暴行を加えた。

その後、重俊《しげとし》は職員さんたちと乱闘騒ぎを繰り広げた。

……………………………

時は、午後2時半頃であった。

またところ変わって、浩俊《ひろとし》が通っている幼稚園の正門の前にて…

ものすごくつらい表情を浮かべていたママは、浩俊《ひろとし》を連れて正門《もん》の外へ出た。

この時であった。

ママと浩俊《ひろとし》のもとにとなり近所で暮らしている奥さまがやって来た。

奥さまは、ママに対して声をかけた。

「佐久本の奥さま。」
「あっ、おとなりの奥さま。」
「あんたこの頃、表情がネクラになっているわよ。」
「えっ?」
「幼稚園の先生からまたなにか言われたみたいね。」
「はい。」

おとなりの奥さまは、ママに対して心配げな声で言うた。

「奥さま、小芝《こしば》の奥さまから聞いた話だけど…佐久本《おたく》のお孫さんがまた他の園児が食べていたお弁当を分けてもらっていたと聞いたわよ…きのうもおとといもさきおとといも…そのまた以前も…他の園児たちが食べていたお弁当を分けてもらっていたと聞いたわよ…それは一体どう言うことかしらねぇ〜」

奥さまからどぎついイヤミを言われたママは、ものすごくつらい表情で言うた。

「この最近…嫁が…夜ふかしをするようになったのです…それで…浩俊《まご》のお弁当を作ることができなかったのです〜」

奥さまは、ママに対してどぎついイヤミを言うた。

「それはほんとうの話?」

ママは、ものすごくつらい表情で『ほんとうです!!』と答えた。

奥さまは、ママに対してものすごくきついイヤミをぶつけた。

「あんた、鏡に自分の顔を映してみたらぁ〜」
「奥さま、それはどう言う意味ですか!?」
「あんたもしかして、長男(重俊《しげとし》)の嫁に暴力をふるっているみたいね〜」

奥さまからどぎついイヤミを言われたママは、やっきになった声で『やめてください!!』と言うて叫んだあとこう言い返した。

「奥さま!!これ以上言いがかりをつけるようであればうちにも考えがあるわよ!!」

奥さまは、ママに対して困った表情で言うた。

「なんでそんなにガーガーガーガーガーガーと叫ぶのよ〜」
「うるさいわね!!よくもうちの家族たちに言いがかりをつけたわね!!もう許さないわよ!!」

思い切りブチ切れたママは、浩俊《ひろとし》と一緒にその場から離れたあと家へ向かった。

奥さまは、全身をワナワナと震わせながら怒り狂った。

…………………………

さて、その頃であった。

またところ変わって、国鉄浜坂駅の裏手にある露地にて…

路地裏には、温泉旅館《りょかん》と飲食店がたくさん並んでいた。

ショルダーバックを持って旅を続けていた私は、足を止めたあとショルダーバックに収納されている大型手帳を取り出した。

私は、メモが書かれているページをひらいたあと目的地と現在いる場所の確認を取った。

「ああ、ここだ…間違いない。」

……………………………

またところ変わって、温泉旅館《りょかん》の玄関にて…

旅館の中では、和服姿の仲居さんたちがあわただしく動いていた。

私は、旅館の仲居頭の女性に対して『ひなこさん(旅館のおかみさん)はいらっしゃいますか?』とたずねた。

仲居頭の女性は、私に対して『おかみさんは、きのうから出かけているので不在です。』と答えた。

私は、困った表情で言うた。

「いない!?」
「はい。」
「あの〜、おかみさんはどちらへ行かれたのですか?」
「え~と…ヒナグへ行きました。」
「ヒナグ…ヒナグって、九州…ですね。」
「はい…おかみさんの知り合いの方が病気で倒れたと聞いたので…お見舞いに行きました。」
「そうですか…わかりました。」

……………………………

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

それからまた2時間後であった。

私は、浜坂駅の付近でヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

トラックは、国道178〜9号線を通って山口方面へ向かった。

トラックの車内にて…

助手席に座っている私は、スーパーマップルの関西地方の道路地図の上に万年筆で書き込みをしていた。

ヒナグ…

大急ぎでヒナグへ行かなきゃ…

時間がない…

残された時間は…

そんなに多くない…

……………………………

時は、夜7時過ぎであった。

またところ変わって、伊根町内《ちょうない》のママたちが暮らしている家の近所にある大型の新築の家にて…

家の12畳の広間のテーブルの上に奥さまが作った夕食が並んでいた。

テーブルには、近所の家のご夫婦とママたちの家族6人が集まっていた。

ママたちの家族6人は、ものすごくつらい表情を浮かべていた。

しほこは、この日もまた夕食を作ることができなかった。

夕食を作ることができなかった原因は、しほこがKBS京都テレビ(独立系UHFテレビ局)で放送されていたトルコのメロドラマを観ていたことに加えて『あしたの話はどうなってしまうのか…』…と言う気持ちが先立っていたので食材の買い出しに行くことを忘れた…またそれに加えてお風呂をわかすことを忘れた…の大失敗を犯した。

このため、お風呂はご近所の家のお風呂を使った。

夕食もここでいただくことになった。

……………………………

奥さまは、やさしい表情でママたちに声をかけた。

「お母さま、しほこさんは家のことを全部していたので疲れていたのよ…わざと忘れたわけじゃないのよ。」

ものすごく怒った表情を浮かべていたママは、ひとことも言わなかった。

奥さまは、やさしい表情でママたちに声をかけた。

「ああ…今、娘が…久通《ひさみち》さんと一久《かずひさ》さんがいただくコロッケを温め直しているのよ…あと2〜3分でできるから…先に食べましょうね。」

ご夫婦とママたちの家族5人は、両手を合わせながら『いただきます』と言うたあとごはんを食べようとした。

この時、ママがものすごく怒った表情でしほこを怒鳴りつけた。

「待ちなさい!!」
「義母《おかあ》さま!!」
「食べる前にお話があります!!」

奥さまは、ママに対して困った表情で言うた。

「佐久本のお母さま、お話はごはんを食べ終えたあとにしたらどうですか?」
「うちの問題に口出ししないでください!!」

ママは、しほこに対してものすごく怒った表情で怒鳴りつけた。

「しほこさん!!あんたはなにを考えているのよ!!」
「義母《おかあ》さま!!」
「重俊《しげとし》と浩俊《ひろとし》にお弁当を作っていないことをおとなりの奥さまから聞いたわよ!!」

しほこは、気が狂いそうな声でママに言い返した。

「重俊《しげとし》さんは、アタシが作ったお弁当がムカつくと言うたので作るのをやめました!!…浩俊《ひろとし》はお弁当が必要だから作っていました!!」
「きょう幼稚園に行った時に、おとなりの奥さまから浩俊《ひろとし》が他の園児たちからお弁当を分けてもらっていたことを聞いたので、ものすごく怒っているのよ!!」

それを聞いたしほこは、浩俊《ひろとし》に対して怒鳴りつけた。

「浩俊《ひろとし》!!」

しほこに怒鳴られた浩俊《ひろとし》は『ギャー!!』と泣き叫んだ。

しほこは、ものすごく怒った声で浩俊《ひろとし》を怒鳴りつけた。

「うるさいだまれ!!他の園児たちが食べていたお弁当を分けていただいたことを聞いたのでおかーさんはものすごく怒っているのよ!!」

奥さまは、ものすごく困った表情でしほこに言うた。

「そんなにガーガーガーガーと怒鳴っていたら、話がわからなくなるわよ〜」

しほこは、奥さまに対してものすごく怒った表情で『だまりなさい!!』と言うたあと浩俊《ひろとし》を怒鳴りつけようとした。

この時であった。

「オドレクソバカ!!」

(ガツーン!!)

思い切りブチ切れた久通《ひさみち》が重俊《しげとし》のこめかみをグーで殴りつけた。

ママは、ものすごく怒った表情で久通《ひさみち》を怒鳴りつけた。

「久通《ひさみち》!!なんでお兄さんを殴ったのよ!!」

久通《ひさみち》は、ものすごく怒った表情でママを怒鳴りつけた。

「むしゃくしゃしていたからアニキを殴った!!」

奥さまは、気が狂いそうな声で久通《ひさみち》に言うた。

「どうしてそんなひどいことをするのよ!!」
「だまれ!!重俊《クソバカ》がオレと一久《かずひさ》から結婚相手と出会う機会を強奪した!!」

一久《かずひさ》は『そうだよ!!』と言うたあと右足で重俊《しげとし》の背中をけとばしながら怒鳴り散らした。

「重俊《クソバカ》としほこの挙式披露宴の費用全額を久通《ひさみちにいさん》とオレが貯めていた貯蓄・全額を使ったのだよ!!」
「だから重俊《クソバカ》を殴るしかないのだよ!!」

しほこは、泣き叫ぶ声で言うた。

「ふたりともやめてください!!」
「ふざけるな!!」

(パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!)

思い切りブチ切れた一久《かずひさ》は、平手打ちでしほこの顔を激しくたたいた。

しほこは、両手で顔を隠したあと泣き出した。

ママは、ものすごく怒った表情で久通《ひさみち》と一久《かずひさ》を怒鳴りつけた。

「久通《ひさみち》!!一久《かずひさ》!!」
「うるせえ!!」
「ふざけな!!」
「なんで嫂《ねえ》さんに暴力をふるうのよ!!」
「むしゃくしゃしていたから殴った!!」
「いいかげんにしなさい!!」

(パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!パチーン!!)

思い切りブチ切れたママは、久通《ひさみち》と一久《かずひさ》に対して平手打ちを食らわせた。

「嫂《ねえ》さんは、久通《ひさみち》と一久《かずひさ》の心が豊かになるようにと思って絵本の読み聞かせをしていたのよ!!」
「ふざけるな!!」

(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)

思い切りブチ切れた久通《ひさみち》は、ママの顔をグーで殴りつけた。

一久《かずひさ》は、しほこの髪の毛をつかんだあとグーで背中を殴りつけた。

浩俊《ひろとし》は、よりし烈な声で『フギャー!!』と泣き叫んだ。

台所にいた娘さんが急ぎ足で広間にやって来た。

娘さんは、浩俊《ひろとし》を連れて家の外へ出た。

それから2分後にキンリンで暮らしていた8人の若者たちがやって来た。

久通《ひさみち》と一久《かずひさ》は、8人の若者たちと大乱闘を繰り広げた。

重俊《しげとし》は、さびしげな表情で家から出て行った。

…………………………

時は、深夜11時頃であった。

またところ変わって、経ヶ岬へ向かう遊歩道の入り口付近にある駐車場にて…

駐車場にうぐいす色のミツビシエテルナ(セダン)が停まっていた。

エテルナは、重俊《しげとし》が運転していた乗用車であった。

車内には、重俊《しげとし》と女が乗っていた。

女は、都井岬(宮崎県)の付近にあるラブホで殺人事件を起こしたあと逃走していたさよこであった。

さよこは、重俊《しげとし》の元愛人であった。

重俊《しげとし》は、助手席に座っているさよこの乳房《むね》にすがりついたあと甘えていた。

「もうだめだ…オレ…生きて行く気力をなくした…」

さよこは、両手で重俊《しげとし》を抱きしめながらやさしくなぐさめた。

「つらかったのね。」
「さよこ…愛してる…オレ…しほことリコンすると決めた!!」
「重俊《しげとし》さん。」
「さよこ…愛してるよ〜」
「重俊《しげとし》さん。」
「さよこ…さよこ…」
「ああ…重俊《しげとし》…」

このあと、ふたりは激しく愛を求めあった。

…………………………
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