大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【愛の終着駅・その4】

さて、その頃であった。

またところ変わって、五島列島《ごとう》の宇久島にある釣宿の40畳の特大広間にて…

特大広間に大勢の客たちが集まっていた。

広間の真ん中に赤色のマットが敷かれていた。

広間の真ん中に白いサラシを巻いた目つきの悪い男とももけた腹巻姿の番頭《ばんと》はんとかき棒を持っている男がいた。

白いサラシを巻いた目つきの悪い男は、右手にグレーのプラスティックの入れ物を…左手にダイス(サイコロ)3個を持っていた。

番頭《ばんと》はんは、一番前にいる客たち30人に対して声をかけた。

「さあさあみなさま!!どちらさまもよござんすね!!」

白いサラシを巻いた目つきの悪い男は、ダイス3個をプラスティックの入れ物に入れたあとカラカラと音を立てながら転がした。

その後、赤色のマットの上に入れ物を伏せた状態で入れた。

「入《へえ》った!!さあはったはった!!」

このあと、前にいた30人の客たちが『丁』か『半』と言いながら札束を次々と出した。

番頭《ばんと》はんは、前の客たち全員が札束を出したのを確認したあと声をかけた。

「丁半そろいやした!!…ショーブ!!」

目つきの悪い男は、伏せた状態で置かれていたプラスティックの入れ物を取った。

番頭《ばんと》はんは、3個のダイスを見たあと結果を伝えた。

「1・3・4の丁!!」

このあと、かきぼうを持った男が負けた客がかけていた札束をかきぼうを使って回収した。

番頭《ばんと》はんは、一番前にいる客たちに声をかけた。

「さあさあさあさあ、次行くよ!!」

……………………………

それからまた2時間後であった。

またところ変わって、6畳の和室にて…

和室は、二岡総裁《におか》が宿泊している部屋であった。

部屋の中に二岡総裁《におか》と田嶋組長《くみちょう》と小林の3人がいた。

(ガラッ…)

この時、部屋のふすまがひらいた。

ふすまの向こう側にいた番頭《ばんと》はんがあらわれた。

番頭《ばんと》はんは、二岡総裁《におか》に対して声をかけた。

「入りやす。」
「おう。」

番頭《ばんと》はんは、ふすまをゆっくりと閉じた。

二岡総裁《におか》は、番頭《ばんと》はんに対して声をかけた。

「まあ座れや。」
「へえ。」

番頭《ばんと》はんは、二岡総裁《におか》の前にあぐらをかいた状態で座った。

二岡総裁《におか》は、番頭《ばんと》はんに対して声をかけた。

「竹宮。」
「へえ。」
「佐久本の家の家族たちにかけていた生命保険《ほけん》の保険金《ゼニ》はどないした?」
「先日、現金に換えやした…その後、シベリア鉄道を通る貨物列車に積みました。」
「例の場所に着くのはいつ頃だ?」
「日本時間の4日後…11月17日の早朝5時から6時のあいだでございます。」
「そうか…それで、金額はいくらだ?」
「ざっと…9000垓円《がい》でおます。」
「9000垓円《がい》か…よくやった〜…これで、わてらの役割は終わったな〜」
「へえ。」

番頭《ばんと》はんは、二岡総裁《におか》に対して声をかけた。

「ところで総裁《くみちょう》。」
「なんだ?」
「総裁《くみちょう》はこれからどうなさいやすか?」
「そうだな。」
「神戸へ…戻りやすか?」
「ああ、そうするよ。」
「田嶋組長と小林は?」

番頭《ばんと》はんの問いに対して、田嶋組長《くみちょう》はこう答えた。

「わしは、小林と一緒に神戸へ移る。」
「さようでおますか?」
「ああ。」

…………………………

このあとも、番頭《ばんと》はんと二岡総裁《におか》たちの会話は続いた。

二岡総裁《におか》と田嶋組長《くみちょう》と小林の3人は、翌朝6時頃に釣宿から出発した。

二岡総裁《におか》たちと別れた番頭《ばんと》はんは、再びあちらこちらを放浪する暮らしに戻った。

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