大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【愛の終着駅・その7】
時は、夜9時半頃であった。
またところ変わって、私が宿泊している8畳の部屋にて…
テーブルの上には、1981〜1983年の3年手帳が置かれていた。
私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。
(ガラッ…)
この時であった。
部屋のふすまがひらいた。
同時に、ふすまをあけた仲居さんが私に声をかけた。
「失礼します。」
「はい。」
「おかみさんがお帰りになられました。」
「あっ、はい。」
このあと、ピンク色の振り袖と白の帯姿の宇城田《おかみ》さんが部屋に入った。
私は、万年筆を手帳の上に置いたあと宇城田《おかみ》さんに声をかけた。
「ああ、おかみさん。」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーさまでございますね。」
「はい、コリントは私でございます…あの…熊代の奥さまのおつかいでこちらへ参りました。」
「ああ、熊代の奥さまのおつかいでお越しになられたのね。」
「はい…急に転がり込んでもうしわけございませんでした。」
「いいのよ〜」
…………………………
それからまた10分後であった。
宇城田《おかみ》さんと私は、向かいあった状態で座っていた。
私が座っている席のテーブルにゼブラシャーボーの本体とメモパッドが置かれていた。
私は、宇城田《おかみ》さんに対して声をかけた。
「あの…たいへん言いにくいお話しでございますが…おかみさんが満州で暮らしていたことが…ありましたか?」
「はい…1927年の春からでした。」
「では、終戦(1945年8月15日)は現地で迎えられたのですね。」
「はい。」
「本土《こちら》に帰還なされたのは?」
「昭和21年の暮れです。」
「そうですか…分かりました。」
私は、メモパッドのページを数ページほどもどしたあと宇城田《おかみ》さんに声をかけた。
「あの、ひとつおたずねしたいことがございますがよろしいでしょうか?」
「いいですよ。」
「おかみさんが現地(マンシュウリ)に移住した当時ですが…」
私は、ショルダーバックの外ポケットに入っていた写真入りのパスケースを取り出した。
パスケースの中に入っている写真に実母《ママ》とセヴァスチャンじいさんが写っていた。
私は、パスケースに入っている写真を宇城田《おかみ》さんに見せながら言うた。
「この写真に写っているおふたりをご存知でしょうか?」
宇城田《おかみ》さんは、私に対してこう答えた。
「ああ、たしか80代のご高齢の男性と24くらいの若い女性だったわね。」
「その上に…19か20歳くらいの男性も一緒に暮らしていました。」
宇城田《おかみ》さんは、私に対してこう答えた。
「ああ、思い出したわ。」
「えっ?」
「その若い男性の方は…写真に写っている若い女性を連れて来たのです。」
「それはいつ頃ですか?」
「たしか…うちらの家族たちが移住してから2ヶ月後でした。」
「2ヶ月後?」
「はい。」
「それまでは、高齢の男性ひとりだけでしたね。」
「ええ。」
「おかみさん、問題の若い男のことについて事情を知ってますか?」
「ええ、知ってます…たしか…ご高齢の男性がよその家の娘さんをはらませていたことを聞きました。」
「…と言うことは…」
「コリントさま…コリントさまがおっしゃられた若い男は…ご高齢の男性の隠し子だったのです。」
「隠し子!?」
「はい。」
なんてこった…
実母《ママ》とセヴァスチャンじいさんと一緒に暮らしていた若い男が…
セヴァスチャンじいさんの隠し子だった…
信じられん…
宇城田《おかみ》さんから衝撃的な事実を聞いた私は、背筋が凍りついた。
私は、宇城田《おかみ》さんに対して声をかけた。
「おかみさん。」
「はい。」
「その男は、今でも生きているのですか?」
「終戦の10年前にガラの悪い男たちのグループと乱闘騒ぎを起こした末に…亡くなりました。」
「そうですか…分かりました。」
……………………………
話は、そこで終わった。
……………………………
またところ変わって、私が宿泊している8畳の部屋にて…
テーブルの上には、1981〜1983年の3年手帳が置かれていた。
私は、万年筆を使ってメモパッドに記載されている内容を手帳に転記する作業をしていた。
(ガラッ…)
この時であった。
部屋のふすまがひらいた。
同時に、ふすまをあけた仲居さんが私に声をかけた。
「失礼します。」
「はい。」
「おかみさんがお帰りになられました。」
「あっ、はい。」
このあと、ピンク色の振り袖と白の帯姿の宇城田《おかみ》さんが部屋に入った。
私は、万年筆を手帳の上に置いたあと宇城田《おかみ》さんに声をかけた。
「ああ、おかみさん。」
「コリントイワマツヨシタカグラマシーさまでございますね。」
「はい、コリントは私でございます…あの…熊代の奥さまのおつかいでこちらへ参りました。」
「ああ、熊代の奥さまのおつかいでお越しになられたのね。」
「はい…急に転がり込んでもうしわけございませんでした。」
「いいのよ〜」
…………………………
それからまた10分後であった。
宇城田《おかみ》さんと私は、向かいあった状態で座っていた。
私が座っている席のテーブルにゼブラシャーボーの本体とメモパッドが置かれていた。
私は、宇城田《おかみ》さんに対して声をかけた。
「あの…たいへん言いにくいお話しでございますが…おかみさんが満州で暮らしていたことが…ありましたか?」
「はい…1927年の春からでした。」
「では、終戦(1945年8月15日)は現地で迎えられたのですね。」
「はい。」
「本土《こちら》に帰還なされたのは?」
「昭和21年の暮れです。」
「そうですか…分かりました。」
私は、メモパッドのページを数ページほどもどしたあと宇城田《おかみ》さんに声をかけた。
「あの、ひとつおたずねしたいことがございますがよろしいでしょうか?」
「いいですよ。」
「おかみさんが現地(マンシュウリ)に移住した当時ですが…」
私は、ショルダーバックの外ポケットに入っていた写真入りのパスケースを取り出した。
パスケースの中に入っている写真に実母《ママ》とセヴァスチャンじいさんが写っていた。
私は、パスケースに入っている写真を宇城田《おかみ》さんに見せながら言うた。
「この写真に写っているおふたりをご存知でしょうか?」
宇城田《おかみ》さんは、私に対してこう答えた。
「ああ、たしか80代のご高齢の男性と24くらいの若い女性だったわね。」
「その上に…19か20歳くらいの男性も一緒に暮らしていました。」
宇城田《おかみ》さんは、私に対してこう答えた。
「ああ、思い出したわ。」
「えっ?」
「その若い男性の方は…写真に写っている若い女性を連れて来たのです。」
「それはいつ頃ですか?」
「たしか…うちらの家族たちが移住してから2ヶ月後でした。」
「2ヶ月後?」
「はい。」
「それまでは、高齢の男性ひとりだけでしたね。」
「ええ。」
「おかみさん、問題の若い男のことについて事情を知ってますか?」
「ええ、知ってます…たしか…ご高齢の男性がよその家の娘さんをはらませていたことを聞きました。」
「…と言うことは…」
「コリントさま…コリントさまがおっしゃられた若い男は…ご高齢の男性の隠し子だったのです。」
「隠し子!?」
「はい。」
なんてこった…
実母《ママ》とセヴァスチャンじいさんと一緒に暮らしていた若い男が…
セヴァスチャンじいさんの隠し子だった…
信じられん…
宇城田《おかみ》さんから衝撃的な事実を聞いた私は、背筋が凍りついた。
私は、宇城田《おかみ》さんに対して声をかけた。
「おかみさん。」
「はい。」
「その男は、今でも生きているのですか?」
「終戦の10年前にガラの悪い男たちのグループと乱闘騒ぎを起こした末に…亡くなりました。」
「そうですか…分かりました。」
……………………………
話は、そこで終わった。
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