大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第97話・越冬つばめ

【カサブランカグッバイ】

時は、11月24日の午前11時頃であった。

またところ変わって、鹿屋市共栄町《かのやのちゅうしんぶ》にある結婚式場があるホテルにて…

館内にある貸衣裳店《かしいしょうや》に安夫文子夫婦とりほこと熊代さんの4人がいた。

しほこは『友人と会う約束がある』と言うことで貸衣裳店《ここ》にはいなかった。

店の中で、りほこの花嫁衣装の試着が行われていた。

りほこは『男は大キライだから一生涯を独身で通す!!』とかたく訣意《けつい》した…

安夫夫婦は『しほこにムコさんが来なくなった…りほこは29で時間が限られているので急がなきゃ〜』と言うてあせっていた。

安夫夫婦は、りほこに対して『結婚してくれ』と命令した。

りほこは『イヤだ!!』と言うて拒否した。

安夫夫婦は『(長生きすることができないので)時間がない!!』と言うて結婚してくれと命令した。

安夫夫婦から命令されたりほこは、しぶしぶショウダクした。

…と言うことで、貸衣裳店《かしいしょうや》に来たと言うことであった。

安夫夫婦からりほこの結婚相手を探してほしいと頼まれた熊代さんは、花嫁衣装姿のりほこをみてもらうためにここにいた。

安夫夫婦と熊代さんは、りほこの準備が出来上がるまで待っていた。

着替え室にて…

純白のウェディングドレスを着用していたりほこは、鋭い目つきを浮かべながらつぶやいた。

アタシは…

一生涯を独身で通すとかたく訣《き》めたのに…

結婚したくない…

男は大キライ…

なのに結婚しろだなんて…

ムジュンしてるわよ!!

…………………………

またところ変わって、貸衣裳店《かしいしょうや》のエントランスホールにて…

安夫夫婦と熊代さんのもとにホテルの女性スタッフさんがやって来た。

女性スタッフさんは、熊代さんに対して声をかけた。

「熊代さま、お電話がかかっていますのでフロントへお越しくださいませ。」
「どなたからですか?」
「公衆電話からかけてきた人が『早くしてください!!』と言うて怒ってますよ!!」

……………………………

またところ変わって、ホテルのフロントにて…

熊代さんは、グレーのプッシュホンの受話器を手にしたあと話しをした。

「もしもし、熊代でございます…コリントさま…コリントさま、どうかなさいましたか?」

……………………………

またところ変わって、伊予市の五色浜公園の中にある電話ボックスにて…

私は、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)

私は、コイン投入口に10円玉を50〜80枚入れながら受話器越しにいる熊代さんに対して怒った声で言うた。

「熊代さん!!こっちはものすごく怒っているんだよ!!なんでものすごく怒っているって…熊代さん!!そんなことはあとにしてください!!…すみませんけど、奥さまとお話がしたいので電話を代わってください!!…いない…なんで奥さまがそこにいらっしゃらないのですか!?…熊代さん!!…私は…奥さまが私に対してウソをついたのですよ!!…ウソをつかれたこちらはたまったもんじゃありませんよ!!…熊代さん!!…熊代さん!!」

……………………………

熊代さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。

「もしもしコリントさま、どうかなされましたか?」

受話器のスピーカーから私の怒鳴り声が聞こえた。

「とにかく私の聞いてください!!」

……………………………

(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)

私は、コイン投入口に10円玉を30〜50枚入れながら受話器越しにいる熊代さんに対して怒った声で言うた。

「私はきのう、古川南の老健施設《しせつ》で暮らしている伊佐山《いさやま》さんに会いに行きました!!…伊佐山《ほんにん》さまが会話できないと言うので面会に来た娘さん夫婦に会って、私の実の両親の話しを聞きました…はい、お会いしました…とにかく話しを聞いてください!!…その前に、熊代さんの奥さまが私に話した内容を説明します!!」

私は、メモパッドのページを9ページほど戻したあとメモ書きを見ながら受話器越しにいる熊代さんに対して怒った声で言うた。

「熊代さんの奥さまは、私に対して私の実の両親とチャラい男…セヴァスチャンじいさんの隠し子の3人が一緒に暮らしていた…と話しました…セヴァスチャンじいさんの隠し子の男が私の実母《はは》と一緒に家に突然帰って来た…セヴァスチャンじいさんは、隠し子の男が怖いので実母《はは》と結婚することを許した…そして、3人子供さんがいたがうち1人はリュウザンで亡くなられた…と話した…ところが、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが私に対してこう言いました…セヴァスチャンじいさんの隠し子の男は、あとから説得に来た伊佐山《いさやま》さん本人から『お前は未熟者だから結婚する資格はない!!』…と言うてセヴァスチャンじいさんの隠し子の男に対して『日本《ないち》にいる親元へ帰れ!!』『親御《おや》の前でわびを入れろ!!』『親御《おや》と仲良く暮らせ!!』…とゲンメイを下したのです!!…セヴァスチャンじいさんの隠し子の男は、伊佐山《いさやま》さんの言葉を受け入れる形で日本《ないち》へ帰った…終戦(1945年)に戦地でギョクサイした…と話しました…3人のお子さまがいたがうち1人はリュウザンで亡くなられたと言うのは、伊佐山《いさやま》さん方のご近所の輿石《こしいし》さん方の家の息子さん夫婦にあった出来事だったのです…輿石《こしいし》さん方のご家族さまに問い合わせましたよ!!…ご家族の方は『間違いありません』と回答しました…本当です!!…熊代さん!!今さっきなんて言ったのですか!?…納得が行かない!?…輿石《こしいし》さんのご家族がウソをついたと言いたいのですか!?…熊代さん!!こちらは睡眠時間を削るなどしてあちらこちらを歩き回ったのですよ!!…人の話しを聞いてください!!」

…………………………

熊代さんは、ものすごく困った表情で受話器越しにいる私に対して声をかけた。

「もしもし、私は輿石《こしいし》さんをうたがっているわけではないのです…私はコリントさまに輿石《こしいし》さんのご家族の方にもう一度問い合わせてほしいと頼んでいるのです…コリントさま…」

(ガチャン!!ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)

受話器のスピーカーから電話が切れた音が聞こえていた。

「もしもし!!コリントさま!!コリントさま!!」

……………………………

思い切りブチ切れた私は、電話をガチャンと切ったあと青のラッションペンを使ってメモパッドに『もう一度、伊佐山さん方に電話する』と記入した。

「もう一度問い合わせてくれだと…ふざけるな!!」

……………………………

それからまた1時間後であった。

またところ変わって、いよてつ郡中駅の付近の商店街にあるたばこ屋にて…

私は、カウンターに設置されている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

受話器の向こう側には伊佐山《いさやま》さんの娘さんがいた。

私は、受話器の向こう側にいる伊佐山《いさやま》さんの娘さんに声をかけた。

「もしもし、松山市高井町にお住まいの伊佐山《いさやま》さんのお宅でございますか?…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…先日はたいへんお世話になりました…お父さまのお体の具合はいかがですか?…そうですか…分かりました…あの、たいへんもうしわけない話でございますが…先日、老健施設《しせつ》でお会いなされた時に私の実の両親のことについてお話しをなされたことを熊代さんにお話をしました…私は、熊代さんの奥さまが話されていたことと先日お聞きした話が食い違ったので、熊代の奥さまにお電話をおかけしました…ですが、奥さまが不在だったのでダンナさまにお話をしました…この時、熊代のダンナさまが『納得がいかないので、もう一度問い合わせてくれと申し出ました…それで私は、お宅に電話をかけました…はい…はいそうです…はい…はい…はい…そうですか…分かりました。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモパッドにメモ書きをした。

このあと、私は輿石《こしいし》さんのお宅に問い合わせの電話をかけた。

…………………………

それからまた40分後であった。

またところ変わって、いよてつ郡中港駅の入り口付近にある電話ボックスにて…

私は、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

私は、受話器越しにいる熊代さんに対して怒った声で言うた。

「もしもし熊代さん!!…さきほど伊佐山《いさやま》さんの娘さんと輿石《こしいし》のおしゅうとめさんに問い合わせの電話をかけました!!…伊佐山《いさやま》さんの娘さんと輿石《こしいし》のおしゅうとめさんが話した内容が正解です!!…これでお分かりいただけたでしょうか!?…もしもし熊代さん!!…熊代さん!!」

またところ変わって、鹿屋のホテルのフロントにて…

グレーのプッシュホンで電話の応対をしている熊代さんは、煮え切らない表情で言うた。

「コリントさま、お話はお聞きしましたが…まだ…納得いかない部分があるのです…もう一度最初から説明していただけますか?」

(ガチャン!!ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)

電話はそこで切れた。

「コリントさま…コリントさま!!」

熊代さんは、受話器越しにいる私に対して呼びかけていた。

しかし、電話が切れたので私の耳に熊代さんの声は届いていなかった。

……………………………

それからまた40分後であった。

またところ変わって、フジ伊予店の入り口付近にて…

ショルダーバックをひざの上にのせた状態でベンチに座っている私は、店内にあるパン屋で購入したカレーパンを食べながら考えごとをしていた。

熊代さんの奥さまは…

一体、どこへ行ったのだ…

熊代さんの奥さまは、私に対してウソをついたので…

許さない!!

……………………………
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