大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【頬づえついてブルースを】

時は、夜8時過ぎであった。

またところ変わって、桂浜公園のみやげ物店の前に設けられている公衆電話のコーナーにて…

私は、四角柱の台の上に置かれている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

「もしもし、夜分遅くにお電話をおかけしてもうしわけございません…高知市薊野町《しないあぞうのまち》にお住まいの△村さまのおたくでございますか!?…お世話になります、コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…1920年代後半から終戦頃までのあいだ、満州で生活していたことがありましたね…はい…そうですか…あの…その当時、△村さまのおたくの近所で暮らしていました草尾紀子《くさおのりこ》さま…今の苗字《みょうじ》は熊代でございます…え~と…熊代紀子《くましろのりこ》さまが2〜3日前から行方不明になったのです!!…はい…はい…私は今、その方を探しているのです!!…非常に言いにくい話でございますが、こちらは時間がないのです!!…お願いします!!」

私は、受話器越しにいる人と話をしながらゼブラシャーボーのシャープペンシルを使って大きめの手帳にメモ書きをしていた。

……………………………

(パラパラパラパラパラパラパラパラ…)

またところ変わって、公園内に設置されているベンチにて…

ショルダーバックをひざの上にのせた状態でベンチに座っている私は、1981〜1983年の3年手帳に書かれているメモ書きをみながら言うた。

「熊代さんの奥さまと親しくしていた方が全部分かった…片っ端からあたってみるか!!」

………………………………

時は、深夜11時10分頃であった。

またところ変わって、県道春野赤岡線《うみぞいのけんどう》にあるパーキング(休憩所)にて…

ショルダーバックを持って再び旅に出た私は、海沿いの県道を歩いて西へ向かっていた。

その途中にあったパーキングに私は入った。

パーキングに入った私は、敷地内に設置されている電話ボックスに入った。

その時であった。

(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)

この時、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンからけたたましいベルが鳴り響いた。

私は、周りの様子を確認したあと受話器をあげた。

「はいコリントイワマツヨシタカグラマシー!!…ああ、宇城田《おかみ》さん…今、桂浜の近くにある県道のパーキングにいます…なんだって!!…熊代さんの奥さまがそちらに来られた!?…もしもし!!それはいつ頃ですか!?…もしもし!!もしもし!!」

……………………………

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

それからまた1時間であった。

私は、パーキングでヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

トラックは、県道春野赤岡線《うみぞいのけんどう》から国道56号線を通って宿毛港へ向かった。

(ボーッ、ボーッ、ボーッ…ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

その後、私は宿毛港から宿毛フェリーとヒッチハイクした長距離トラックを乗り継いで旅をつづけた。

えびの市の京町温泉街《おんせんがい》に到着したのは、11月28日の夕方5時半頃だった。

熊代さんの奥さまが…

おかみさんに会いに来た…

一体どう言うことだ!!

急がなきゃ…

時間がない!!

……………………………
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