大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【北の螢・その4】

時は、12月1日の午前11時半頃であった。

またところ変わって、串間市の運動公園内に設置されている電話ボックスにて…

私は、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし、お忙しい時にお電話をおかけしてもうしわけございません…鹿屋市共栄町にお住まいの▲島さんのおたくでございますか?…お世話になります…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…あの…ご近所にお住まいの熊代さんのことについて2〜3点おたずねしたいことがございますがよろしいでしょうか?…お願いします。」

私は、メモパッドのページを1ページめくったあとメモ書きをみながら電話の応対をした。

「お待たせしました…お話と言いますのは、熊代さんの奥さまが宇城田伊久子《うきたいくこ》さんがホショウニンになった形で借金をしていたことについてでございます…え~と…警察の人から聞いた話でございますが、宇城田伊久子《うきたいくこ》さんが暮らしていたうちに…ふうとうの束があったのを警察の人たちが回収しました…そのふうとうに…聞いたことのない名前の金融会社のロゴが入っていたのです…警察の人から聞いたのはそれだけなのです…奥さまにおたずねしますが…熊代さんの奥さまが…借金をしていたと言う話を聞いていませんか?…そうですか…聞いていましたね…熊代さんの奥さまが利用なされていたローンのケイタイはなんですか?…レディースローン…新規開業したレディースローンを利用していたのですね。」

私は、ゼブラシャーボーのシャープペンシルを使ってメモ書きをしたあと受話器越しにいる奥さまに声をかけた。

「熊代さんの奥さまに新規開業したレディースローンを勧めたのはどなたですか?…▲■●の奥さまでございますね…その新規開業したレディースローンを熊代さんの奥さまが利用なされていた…」

この時、受話器越しにいる奥さまが私に対して衝撃的な言葉を言うた。

話を聞いた私は、おどろいた声で言うた。

「もしもし…もしもし奥さま…今、なんておっしゃいましたか?…なっ…なんだって…新規開業したレディースローンの会社はペーパーカンパニーだった…と言うことは…ヤミキン…」

熊代さんの奥さまが利用していた新規開業のレディースローンが経営実態のないペーパーカンパニーであったことが判明した。

熊代さんの奥さまが申し込まれたローンは超高い金利が設定されていた…

熊代さんの奥さんは、そのことを知らずにローンをくんだ。

その結果、熊代さんの奥さまは、返済不能のレベルにおちいった。

ことの次第を聞いた私は、全身が凍りついて動けなくなった。

……………………………

またところ変わって、公園内にて…

ショルダーバックを持って再び旅に出た私は、ふらついた足取りで遊歩道を歩きながらつぶやいた。

熊代さんの奥さまが利用したレディースローンが…

ヤミキンだった…

熊代さん夫婦と宇城田《おかみ》さんは…

今ごろどこにいるのだろうか…

もうイヤだ…

放浪《このたび》を早く終わりにしたい…

……………………………
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