色とりどりな君の花



 あれから一週間後の今日、私たちは初めてのデートをする。

今日もあの日と同じメイクにした。ただ、今までにあまり着たことのないワンピースを着ている。

ズボンにした方がよかったかな、と考えながら待ち合わせ場所に着いたら、かっこいい彼氏がいた。

圭佑はいつも、半袖長ズボンのシンプルな服装だった。でも、今日は青色のパーカーに黒色の半ズボンだ。

よく女子がするような服の組み合わせでも、彼が着ると、違和感すらない。

それにハット帽までかぶっちゃってさぁ、カッコ良すぎて通りすがる人たちの注目になっている。

ねぇ、みんな、あの人は私の彼氏なんだよ!かっこいいでしょ!

なんて心の中で叫びながら彼の元に近寄った。

「圭佑、お待たせ?」

こういう時って、お待たせって言うんだったっけ?違ったかも……はずい。

「ん。別にそんなに待ってない。それより、ワンピース姿の咲希、いつもと雰囲気が違う」

「お待たせ」に何にも言葉がなくて安心したけど、雰囲気が違うって、似合ってなかったかな?

「やばい。さらに可愛くなってる…いかにもgirlって感じ。え、どうしよう。可愛すぎて誰にも見せたくない」

……良い意味の雰囲気が違う、で良かったけどさぁ!そ、そんなに可愛いの連呼をしないで…!

こうなったら仕返しだ!!

「圭佑こそ、超かっこいいよ?その服装も新鮮だね。みんな、圭佑がカッコ良すぎてチラチラ見ちゃってるくらいだもん」

私の言葉に一瞬頬が赤くなったけど、すぐに元のぶっきらぼうな顔になった。
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