俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
そして夕方、会場へ向かいメイクルームに入ると母さんが待っていた。
「二人とも待ってたわ!絆音ちゃんはこっちよ、さっそく着替えましょう!」
そう言ってすぐにカーテンの向こうに入って行くので、俺もパーティー用のスーツに着替える。
しばらくしてカーテンが開くと、淡いピンクの色留袖を纏った絆音の姿があった。
優しい色合いの中にも紫やブルーなどがセンス良く配色され、四季の花々が総刺繍で描かれている古典柄。
派手すぎず上品な華やかさのあるこの着物は、彼女の白い肌と雰囲気にとても似合っている。
思わず見惚れていると「翔もぼーっとしてないでこっちに来て!絆音ちゃんとバランス見たいから隣に並んで」と母さんに腕を掴まれた。
二人で並ぶと鏡越しに目が合い、少し恥ずかしそうに微笑む姿にドクンっと心臓が跳ね思わず目を逸らした。
「やっぱりドレスの方が良かったですか...?」
「いや、似合ってる。綺麗だよ」
「そうでしょ!絆音ちゃんにぴったりのお着物を私が選んだのよ?楽しかったわぁ、本当に娘ができて嬉しい!」
「...感謝してるけど、あんまり絆音を振り回すなよ?」
「わかってるわよ!ほら、そろそろ会場に入らないと!」
慣れない草履でちょこちょこ歩く姿も可愛かったが、会場に入り挨拶回りを始めると一気に仕事モードの顔つきに変わる。
重役たちへの挨拶を一通り済ませると「絆音ちゃん久しぶり!着物姿も綺麗だね、すごく似合ってる」と類が近づいてきた。
「類くん!久しぶりだね。類くんも相変わらずとってもカッコいいよ!」
「ははっ、ありがとう。にしても絆音ちゃんが人妻かー...あ、でも俺とはもう兄妹ってことだよね?ふふっ、なんか嬉しいな」
「そっか、類くんと兄妹なんて不思議だね!ふふっ」
急にほわんとした空気で無邪気に笑い合っている二人に少し嫉妬していると、母さんが「ちょっとだけ絆音ちゃん貸してね?」と彼女の手を引いて行ってしまう。
「あ、ちょっと母さん!」
「大丈夫だよ、兄さん。今日は俺もしっかり絆音ちゃんの事守るから!そんなに心配そうな顔しないでよ」
「...ああ、頼むよ。どうしても離れなきゃいけない時はお前に任せるから」
「了解。にしても、やっぱり兄さんはさすがだよ。一年で本当に絆音ちゃんと結婚しちゃったんだから」
「お前もな。もうすぐ日本店オープンするんだろ?」
「そうそう、年明けにはオープン出来そうだよ」
「人脈作りなんて嘘だろ?」
「あ、バレてた?やっぱり絆音ちゃんが心配だったし、兄さんも気が気じゃないだろうと思ってね。だから安心して接待してきていいよ、俺が絆音ちゃんといるから」
「感謝してるよ、頼むから目を離さないでくれ」
「分かってる、俺にとっても絆音ちゃんは大事な人なんだから。必ず守るよ」
そんな話をしながらも彼女を目で追っていると、母さんは自分の友人に絆音を紹介している。...いや、自慢していると言う言葉の方がしっくりくる感じだ。
ほとんどのゲストが受付を終えた頃、会場の照明が少し落ちステージに注目が集まる。
社長が挨拶をし、続いて俺も登壇し副社長としての挨拶を済ませた後結婚を発表した。
会場が騒つく中、彼女もステージに上がり俺の隣まで来ると綺麗な所作でお辞儀をする。
すると、割れんばかりの拍手が会場内に響いた。俺の心配をよそに、凛とした表情でしっかりと妻としての挨拶をした彼女は俺を見上げて微笑む。
...やっぱり敵わないな、絆音には。
盛大な拍手が続く中ステージを降りると、彼女は人目のつかない場所で胸に手を当てふぅと息を吐く。
「ステージではあんなに余裕そうだったのに。緊張したか?」
「よ、余裕じゃないですよ!すごく緊張しました...」
「ははっ。完璧だったよ、奥さん?」
「本当、ですか...?」
「ああ、見惚れるほどだった。後でたくさんご褒美あげないとな?」
「じゃあケーキ食べたいです!」
「いくらでも食べていいよ。ただもう少し我慢してくれ、挨拶しないといけない所がまだ残ってる」
「はい、もちろん分かっています」
「ありがとう。じゃあさっさと済ませるか」
彼女の手を腕にかけさせ人混みに入っていくとあっという間に囲まれ想像以上に時間がかかったが、ひと段落した所で絆音を休憩させる為廊下に出た。
「大丈夫か?疲れただろう?少し座った方がいい」
「いえ、大丈夫です。会場に戻らないと...」
「いいから少し休め。挨拶もひと段落したし、少しくらい抜けたって大丈夫だ。少し休憩したらケーキ取りに行こう」
「はい、ありがとうございます」
通りかかったスタッフに水をもらい休憩していると、山内が駆け寄ってきた。
「城山社長が副社長とお話がしたいと探してらっしゃいます」
「わかった、少ししたら戻るよ。悪いが類を探してきてくれないか?」
「はい、ここにいて下さい」
「あの、私なら大丈夫ですよ?会場に戻りましょう?」
「いや、あの人はいつも話が長いんだよ。だから類とケーキ食べててくれ、少し顔色も悪いから糖分取った方が良い」
「でも...」
「もう十分妻としての役目は果たしてくれたよ、ありがとう。後はゆっくりしてていいけど、類と一緒だからってあまり気は抜くなよ?」
「...分かりました」
少しして山内が類を連れてきてくれたので、絆音を任せて俺は会場に戻った。
そして夕方、会場へ向かいメイクルームに入ると母さんが待っていた。
「二人とも待ってたわ!絆音ちゃんはこっちよ、さっそく着替えましょう!」
そう言ってすぐにカーテンの向こうに入って行くので、俺もパーティー用のスーツに着替える。
しばらくしてカーテンが開くと、淡いピンクの色留袖を纏った絆音の姿があった。
優しい色合いの中にも紫やブルーなどがセンス良く配色され、四季の花々が総刺繍で描かれている古典柄。
派手すぎず上品な華やかさのあるこの着物は、彼女の白い肌と雰囲気にとても似合っている。
思わず見惚れていると「翔もぼーっとしてないでこっちに来て!絆音ちゃんとバランス見たいから隣に並んで」と母さんに腕を掴まれた。
二人で並ぶと鏡越しに目が合い、少し恥ずかしそうに微笑む姿にドクンっと心臓が跳ね思わず目を逸らした。
「やっぱりドレスの方が良かったですか...?」
「いや、似合ってる。綺麗だよ」
「そうでしょ!絆音ちゃんにぴったりのお着物を私が選んだのよ?楽しかったわぁ、本当に娘ができて嬉しい!」
「...感謝してるけど、あんまり絆音を振り回すなよ?」
「わかってるわよ!ほら、そろそろ会場に入らないと!」
慣れない草履でちょこちょこ歩く姿も可愛かったが、会場に入り挨拶回りを始めると一気に仕事モードの顔つきに変わる。
重役たちへの挨拶を一通り済ませると「絆音ちゃん久しぶり!着物姿も綺麗だね、すごく似合ってる」と類が近づいてきた。
「類くん!久しぶりだね。類くんも相変わらずとってもカッコいいよ!」
「ははっ、ありがとう。にしても絆音ちゃんが人妻かー...あ、でも俺とはもう兄妹ってことだよね?ふふっ、なんか嬉しいな」
「そっか、類くんと兄妹なんて不思議だね!ふふっ」
急にほわんとした空気で無邪気に笑い合っている二人に少し嫉妬していると、母さんが「ちょっとだけ絆音ちゃん貸してね?」と彼女の手を引いて行ってしまう。
「あ、ちょっと母さん!」
「大丈夫だよ、兄さん。今日は俺もしっかり絆音ちゃんの事守るから!そんなに心配そうな顔しないでよ」
「...ああ、頼むよ。どうしても離れなきゃいけない時はお前に任せるから」
「了解。にしても、やっぱり兄さんはさすがだよ。一年で本当に絆音ちゃんと結婚しちゃったんだから」
「お前もな。もうすぐ日本店オープンするんだろ?」
「そうそう、年明けにはオープン出来そうだよ」
「人脈作りなんて嘘だろ?」
「あ、バレてた?やっぱり絆音ちゃんが心配だったし、兄さんも気が気じゃないだろうと思ってね。だから安心して接待してきていいよ、俺が絆音ちゃんといるから」
「感謝してるよ、頼むから目を離さないでくれ」
「分かってる、俺にとっても絆音ちゃんは大事な人なんだから。必ず守るよ」
そんな話をしながらも彼女を目で追っていると、母さんは自分の友人に絆音を紹介している。...いや、自慢していると言う言葉の方がしっくりくる感じだ。
ほとんどのゲストが受付を終えた頃、会場の照明が少し落ちステージに注目が集まる。
社長が挨拶をし、続いて俺も登壇し副社長としての挨拶を済ませた後結婚を発表した。
会場が騒つく中、彼女もステージに上がり俺の隣まで来ると綺麗な所作でお辞儀をする。
すると、割れんばかりの拍手が会場内に響いた。俺の心配をよそに、凛とした表情でしっかりと妻としての挨拶をした彼女は俺を見上げて微笑む。
...やっぱり敵わないな、絆音には。
盛大な拍手が続く中ステージを降りると、彼女は人目のつかない場所で胸に手を当てふぅと息を吐く。
「ステージではあんなに余裕そうだったのに。緊張したか?」
「よ、余裕じゃないですよ!すごく緊張しました...」
「ははっ。完璧だったよ、奥さん?」
「本当、ですか...?」
「ああ、見惚れるほどだった。後でたくさんご褒美あげないとな?」
「じゃあケーキ食べたいです!」
「いくらでも食べていいよ。ただもう少し我慢してくれ、挨拶しないといけない所がまだ残ってる」
「はい、もちろん分かっています」
「ありがとう。じゃあさっさと済ませるか」
彼女の手を腕にかけさせ人混みに入っていくとあっという間に囲まれ想像以上に時間がかかったが、ひと段落した所で絆音を休憩させる為廊下に出た。
「大丈夫か?疲れただろう?少し座った方がいい」
「いえ、大丈夫です。会場に戻らないと...」
「いいから少し休め。挨拶もひと段落したし、少しくらい抜けたって大丈夫だ。少し休憩したらケーキ取りに行こう」
「はい、ありがとうございます」
通りかかったスタッフに水をもらい休憩していると、山内が駆け寄ってきた。
「城山社長が副社長とお話がしたいと探してらっしゃいます」
「わかった、少ししたら戻るよ。悪いが類を探してきてくれないか?」
「はい、ここにいて下さい」
「あの、私なら大丈夫ですよ?会場に戻りましょう?」
「いや、あの人はいつも話が長いんだよ。だから類とケーキ食べててくれ、少し顔色も悪いから糖分取った方が良い」
「でも...」
「もう十分妻としての役目は果たしてくれたよ、ありがとう。後はゆっくりしてていいけど、類と一緒だからってあまり気は抜くなよ?」
「...分かりました」
少しして山内が類を連れてきてくれたので、絆音を任せて俺は会場に戻った。