俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
突風が吹き荒れる予報です
「絆音ちゃんお疲れ様、大丈夫?もう少し休んでから戻ろうか」
「ありがとう、類くん。大丈夫だよ、少し足が疲れちゃっただけ」
「すごく似合ってるけど、慣れない格好だと疲れるよね。それに、二人に挨拶したい人がしばらく列を成してたし。でもステージでの堂々とした立ち振る舞いはさすがだったよ」
「ううん、すっごく緊張したの。それにまだ秘書としての感覚の方が強くて、挨拶していてもつい翔さんの妻だって事を忘れそうになっちゃうし...」
前々から緊張していたパーティーでの挨拶も、なんとか冷静に務めることができホッとした。
でもそれも束の間で、本当にたくさんの人達と挨拶をしながら会場を進み廊下に出るまで、気づけば一時間以上経過していた。
秘書の時から挨拶回りは慣れているけれど、妻としての役目を果たさなければと気が張っていたのか少し疲れてしまった。
類くんが来てくれた事もあってつい気が緩んでしまったけれど、まだパーティーは終わっていない。もう少し頑張らないと...
「類くんは挨拶回りはもういいの?」
「うん、もう大体終わったよ。俺もまだ食べてないからデザート食べに行こうか?もう少し休憩する?」
「もう大丈夫、ケーキ食べたかったの!」
「ふふっ、じゃあ行こう」
そう言って立ち上がって私に右手を差し出す彼は、本物の王子様のよう。
もちろん翔さんもカッコいいけれど、自らのブランドのスーツを着こなす姿はさすがで、雑誌からそのまま抜け出したみたい。
彼とは少し前からまた一緒にゲームをするようになったけれど、会うのは入院中にお見舞いに来てくれたあの時以来。
綺麗なダークブラウンに染めた少し長めの髪の毛は、ふわっと緩くウェーブがかかっていてパーティー仕様にセットされている。
そんな類くんと会場に戻ると、もちろん彼もたくさんの人に声をかけられる。
その容姿から若い女性たちにはもちろん、彼が堂上家の次男と知っている人達からも次々と声をかけられていた。
私も声をかけてくださる方と挨拶をしながらやっと食事が並ぶテーブルの前へ辿り着くと、思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
「デザートまでの道のりは長かったね」
「そうだね、でもやっとケーキが食べられる!」
「ふふっ、どれがいい?全部一つずつお皿に乗せようか?」
綺麗に並んだスイーツを見ていると、また少しだけ記憶がフラッシュバックした。実は会場に入った時から何度も去年の記憶がパッと頭に浮かんでは消えていく。
そういえば、去年は一人でデザートを食べていたんだっけ。それで、その後...
「絆音ちゃん?」
「...あ、ごめん。...どれにしようかな」
「大丈夫?少し顔色悪いよ?やっぱりまだ座ってた方が良かったんじゃ...」
「ううん、大丈夫!じゃあ、これとこれとあれも食べたい!」
ショートケーキにチーズケーキ、いちごのムースや抹茶のロールケーキにプリンなど美味しそうなスイーツを次々とお皿に乗せ、二人でシェアしながら頂いた。
「ふふっ、美味しいね!類くんはどれが好き?」
「全部美味しいけど、やっぱりショートケーキかなー。あ、あっちにマカロンとかゼリーもあるよ?」
隣のテーブルに移り他のスイーツも堪能していると、気がつけばたくさんの視線を感じる。
「...あれ?なんか俺たち目立ってる?」
「視線を感じるね...」
食べ終わったお皿を片付けてそそくさと会場の端の方に移動した。
すると、おばさんが近づいてきて「類と絆音ちゃん、ずいぶん注目されていたわね」とくすくす笑っている。
「視線は感じていたけど...。俺達なんか変だった?」
「ふふっ、違うわよ。二人ともただでさえ目立っているのに仲良くスイーツを頬張っているから。勘違いしてラブラブねって言っている人もいたし、翔がやきもち妬いてるんじゃない?」
「そんな事言われても...俺達は普通にデザート食べてただけだよね?」
「う、うん...。そういえば、翔さんはどこに...?」
「兄さんならあそこだよ。ほら、まだ囲まれてる」
「本当だ、私も行った方がいいかな?」
「大丈夫だよ、もう少しで終わるし俺とゆっくりしてよう?」
そしてパーティーも終盤に差し掛かりゲストの方達をお見送りする時間が迫ってくると、ようやく翔さんが戻ってきた。
「ずいぶんと楽しそうだったな?」
「すみません、なんか目立ってしまったみたいで...」
「別に俺たちは普通に食べてただけだよ?ね、絆音ちゃん」
「うん、どれもとっても美味しかったね!」
「...それは良かったな」
そう言う彼の目は笑っていない。
やっぱり目立ち過ぎたかな...もっと控えるべきだったよね...。類くんといるとつい気が緩んでしまうみたいだ。
もう一度気を引き締め直してロビーに降り、最後の方までお見送りをした。
少し失敗もあったけれど、とにかく副社長や堂上家に大きなご迷惑をかけることなく無事に終える事が出来てよかった...
この時は、そう思っていた。
「ありがとう、類くん。大丈夫だよ、少し足が疲れちゃっただけ」
「すごく似合ってるけど、慣れない格好だと疲れるよね。それに、二人に挨拶したい人がしばらく列を成してたし。でもステージでの堂々とした立ち振る舞いはさすがだったよ」
「ううん、すっごく緊張したの。それにまだ秘書としての感覚の方が強くて、挨拶していてもつい翔さんの妻だって事を忘れそうになっちゃうし...」
前々から緊張していたパーティーでの挨拶も、なんとか冷静に務めることができホッとした。
でもそれも束の間で、本当にたくさんの人達と挨拶をしながら会場を進み廊下に出るまで、気づけば一時間以上経過していた。
秘書の時から挨拶回りは慣れているけれど、妻としての役目を果たさなければと気が張っていたのか少し疲れてしまった。
類くんが来てくれた事もあってつい気が緩んでしまったけれど、まだパーティーは終わっていない。もう少し頑張らないと...
「類くんは挨拶回りはもういいの?」
「うん、もう大体終わったよ。俺もまだ食べてないからデザート食べに行こうか?もう少し休憩する?」
「もう大丈夫、ケーキ食べたかったの!」
「ふふっ、じゃあ行こう」
そう言って立ち上がって私に右手を差し出す彼は、本物の王子様のよう。
もちろん翔さんもカッコいいけれど、自らのブランドのスーツを着こなす姿はさすがで、雑誌からそのまま抜け出したみたい。
彼とは少し前からまた一緒にゲームをするようになったけれど、会うのは入院中にお見舞いに来てくれたあの時以来。
綺麗なダークブラウンに染めた少し長めの髪の毛は、ふわっと緩くウェーブがかかっていてパーティー仕様にセットされている。
そんな類くんと会場に戻ると、もちろん彼もたくさんの人に声をかけられる。
その容姿から若い女性たちにはもちろん、彼が堂上家の次男と知っている人達からも次々と声をかけられていた。
私も声をかけてくださる方と挨拶をしながらやっと食事が並ぶテーブルの前へ辿り着くと、思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
「デザートまでの道のりは長かったね」
「そうだね、でもやっとケーキが食べられる!」
「ふふっ、どれがいい?全部一つずつお皿に乗せようか?」
綺麗に並んだスイーツを見ていると、また少しだけ記憶がフラッシュバックした。実は会場に入った時から何度も去年の記憶がパッと頭に浮かんでは消えていく。
そういえば、去年は一人でデザートを食べていたんだっけ。それで、その後...
「絆音ちゃん?」
「...あ、ごめん。...どれにしようかな」
「大丈夫?少し顔色悪いよ?やっぱりまだ座ってた方が良かったんじゃ...」
「ううん、大丈夫!じゃあ、これとこれとあれも食べたい!」
ショートケーキにチーズケーキ、いちごのムースや抹茶のロールケーキにプリンなど美味しそうなスイーツを次々とお皿に乗せ、二人でシェアしながら頂いた。
「ふふっ、美味しいね!類くんはどれが好き?」
「全部美味しいけど、やっぱりショートケーキかなー。あ、あっちにマカロンとかゼリーもあるよ?」
隣のテーブルに移り他のスイーツも堪能していると、気がつけばたくさんの視線を感じる。
「...あれ?なんか俺たち目立ってる?」
「視線を感じるね...」
食べ終わったお皿を片付けてそそくさと会場の端の方に移動した。
すると、おばさんが近づいてきて「類と絆音ちゃん、ずいぶん注目されていたわね」とくすくす笑っている。
「視線は感じていたけど...。俺達なんか変だった?」
「ふふっ、違うわよ。二人ともただでさえ目立っているのに仲良くスイーツを頬張っているから。勘違いしてラブラブねって言っている人もいたし、翔がやきもち妬いてるんじゃない?」
「そんな事言われても...俺達は普通にデザート食べてただけだよね?」
「う、うん...。そういえば、翔さんはどこに...?」
「兄さんならあそこだよ。ほら、まだ囲まれてる」
「本当だ、私も行った方がいいかな?」
「大丈夫だよ、もう少しで終わるし俺とゆっくりしてよう?」
そしてパーティーも終盤に差し掛かりゲストの方達をお見送りする時間が迫ってくると、ようやく翔さんが戻ってきた。
「ずいぶんと楽しそうだったな?」
「すみません、なんか目立ってしまったみたいで...」
「別に俺たちは普通に食べてただけだよ?ね、絆音ちゃん」
「うん、どれもとっても美味しかったね!」
「...それは良かったな」
そう言う彼の目は笑っていない。
やっぱり目立ち過ぎたかな...もっと控えるべきだったよね...。類くんといるとつい気が緩んでしまうみたいだ。
もう一度気を引き締め直してロビーに降り、最後の方までお見送りをした。
少し失敗もあったけれど、とにかく副社長や堂上家に大きなご迷惑をかけることなく無事に終える事が出来てよかった...
この時は、そう思っていた。