俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜

翔side

翔side
 バタンとドアが閉まるまで、足早に出ていく雪原の後ろ姿をじっと眺めてしまった。
 何なんだ、この感覚は...
 少し前から、なぜかあいつの言動で心がザワッとするような靄がかかったような...言葉では表せない感覚が胸をかすめる。
 金曜の事も、あいつがあんな派手な化粧で合コンに行くなんて聞かされて...なぜかイライラして、つい過保護でシスコンのあいつの兄 風戸 晴臣(かざと はるおみ)に電話をかけていた。
 コール音は切れ、一時間ほどして折り返しの電話があり告げ口すると、想像通り「はぁ⁈合コン⁈」とでかい声が響く。
 案の定「すぐ迎えに行くから場所教えろ!」と電話の向こうからバタバタと騒がしい音が聞こえてきたが、詳しい事は知らないと言うと「何で聞かないんだよ!その前に行くの止めろよ!」と俺が怒鳴られた。
 止めろって言われてもな...。確かにあいつの事は子どもの頃から知ってるし親友の妹ではあるが...今はただの上司と部下の関係だ。
 しかも水川もいたあの状況で「心配だから行くな」なんて言えないだろ...。    

 今朝もいつも通り仕事モードの顔でスケジュールを読み上げる彼女を、髪型や化粧であんなに印象が変わるんだな...とついじっと見てしまった。
 もう読み終わっていた手元の書類を机に投げ、立ち上がってぐっと腕や背中を伸ばす。
 高さのあるこの部屋から見る景色が好きで考え事をする時などよく眺めるが、最近はどんよりと雲がかかりなかなか俺の好きな晴れ渡った青い空は見えない。
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