俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
 「...私達の孫娘は、ずいぶん愛されているようだな」
 「そうですね。それに、清香や朝香同様、素敵な方を伴侶に選ばれたようで」
 「...堂上さん、お気持ちは分かりました。全てを、あなたに任せます」
 「ありがとうございます」
 「母も、同じくらいお二人の事を心配していると思います。いつか、母さんや絆音にも会って頂けますか?」
 「...私達の事は心配いらないと、朝香に伝えて下さい。それから、拓人さんには今までありがとうございましたと」
 玄関まで見送っていただき、帰り際俺たちに名刺のような物を差し出すと「宜しければお持ちになって下さい」と言う。受け取った紙には、メールアドレスなど連絡先が書いてあった。
 
 「はぁー。久しぶりに緊張感あったな...」
 執事さんが手配してくれたタクシーに乗り込むと、思わずため息が漏れた。
 「ふっ、そんな風には見えなかったけど?やっぱりさすがだな、副社長さんは。一条グループの総帥相手にもあれだけはっきり言うんだから」
 「いや、お前のおかげでもある。助かったよ、お義兄さん」
 「その呼び方やめろ!まぁ、とにかくこれでお前の腹黒い策通りに事が運びそうだな。早く絆音の事迎えに来いよ」
 「ああ、すぐに済ませて迎えに行く。それまで逃げないようによろしく」
 「大丈夫、あいつは家とか次の仕事とか探し始めてるけど、俺が片っ端から却下してるから」
 「次の仕事、か...」
 「ふっ、心配するな。冗談半分でうちの病院で医療秘書をやらないかと勧めたら、あいつ何て言ったと思う?」
 「...病院で働くなんて無理、とか?」
 「もう秘書の仕事はしない、翔さん以外の秘書はやりたくないし出来ないってさ。感謝しろよ?Dメディックスに入社するように仕向けたのも俺なんだから」
 「は?仕向けた...?」
 「絆音が病院で働けない事は分かっていたし、類を追って海外に行くなんて勘弁して欲しかったし。それに誰かの為に尽くすような仕事が向いてると思ったから、周囲の人間にも頼んでさりげなく誘導しておいたんだ。何かあってもおじさんや翔が近くにいれば少しは安心だと思ったからな」
 「...お前の方がよっぽど腹黒いだろ...」
 とにかく承諾は得られたので、さっさとけりをつけるため最後の仕上げにかかろう。
 一刻も早く絆音を迎えに行くために。
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