俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
 その翌週には、ついに類くんの日本店がオープンの日を迎えた。
 私たちは関係者向けのプレオープンとレセプションパーティーに招待してもらい、ワクワクしながらお店へ入ると彼が待っていてくれた。
 「絆音ちゃん、来てくれてありがとう!」
 「おめでとう類くん!素敵なお店だね!」
 「ありがとう、やっとこの日を迎えられたよ。さっそくだけど絆音ちゃんに見せたいものがあるんだ」
 そう言われお店の奥にある誰もいないフィッティングルームに案内されると、そこにはワンピースやスカートが何着もかけてあった。
 「これ...もしかして、あの時見せてくれたイラストの...?」
 「そう、実はまだこの服はお店に並べていないんだ。絆音ちゃんに一番に着て欲しかったから」
 「すごい...イラストより何倍も素敵になってるね!でもまだ売り物じゃないってこと?」
 「うん、これは明日から並べる予定。ここにあるのは全部絆音ちゃんへのプレゼント!受け取ってくれる?」
 「え?そんな...」
 「気に入らない?」
 「まさか!全部すごく可愛くて着てみたい」
 「じゃあプレゼントさせて?この服は絆音ちゃんがいなかったら生まれてないんだから。よかったら、このワンピース着てパーティーに出てくれない?兄さんのスーツもちゃんと用意してあるから!」
 そう言われ二人で着替えて出ると、類くんはとても嬉しそうな笑顔で迎えてくれた。
 「やっぱり似合ってるね。なんか感動だなー本当に絆音ちゃんが着てくれるなんて!頑張った甲斐があったよ」
 「ありがとう、一生の宝物にするね!」
 「ふふっ、ありがとう。大好きだよ、絆音ちゃん」
 「え?」
 「もちろん兄妹としてね!」
 「ありがとう、私も大好きだよ。兄妹としてね!」

 その後パーティーの会場へ向かうと、類くんは常にたくさんの人に囲まれ忙しそうだったけれど、その姿はキラキラしていてとても眩しく感じた。
 まだ発売前のこのワンピースを着ているせいで目立ってしまったのか、私もたくさんの方に声をかけられたけれど、翔さんの助けもありようやく落ち着いた。
 そしてデザートを頂いていると「翔、絆音ちゃん!久しぶり」そう声をかけてくれたのはスーツ姿の玲さん。
 「あれ、そのワンピース...。そうか、類のミューズは絆音ちゃんだったんだ」
 「ミューズ...?」
 「デザインする時にイメージする女性の事だよ。その服はまさに絆音ちゃんの為のものだね、すごく似合ってる」
 「玲、別荘の件ありがとな」
 「そうだ、父さんから鍵預かってるんだけど俺もアメリカに戻るから翔に渡しておこうと思って。中の物も二人の自由にしていいって」
 「サンキュー、今度二人で行ってみるよ」
 「ああ、じゃあ結婚式楽しみにしてるよ」と手を降りながら去って行く彼は、あの時の女性の姿をした玲さんとは全く違っていた。
 「なんだ?玲に見惚れていたのか?」
 「へ?いえ、この間お会いした時とは別人のようだったので...」
 「今のがいつものあいつだよ。にしても、玲も類もそうだがお前もなかなかの人たらしだな」
 「え?」
 「そろそろパーティーも終わるし帰ろう、俺が限界だ」
 「大丈夫ですか?酔いました?」
 「いや、そういう意味じゃない」
 結局、翔さんは体調が悪いわけではなさそうだったので、最後の類くんの挨拶まで聞きたくてパーティーが終わるまで会場に居させてもらった。
 でも家に帰ると、やはり翔さんは珍しく酔っているようで玄関で荒々しく唇を塞がれすぐにワンピースも脱がされた。
 「んっ、翔さん...待って」
 「パーティーが終わるまで待っただろ?だからもう待たない」
 「え?で、でも、こんな所で...やっ」
 「あんまり声出すとドアの向こうまで響くぞ?」
 「あぁっ、...んぅ」
 「ほら、ちゃんと立ってて」
 そのまま絶頂まで導かれへたり込むとお風呂場へ運ばれ、そこでもベッドでもされるがまま彼の熱を受け止めそのまま眠ってしまった。
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