俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
 とにかく仕事に追われ忙しない日々を過ごしやっと迎えた金曜日。
 今夜は親友達と約束がある為、いつもに増して作業の手を速める俺を、副社長室で資料の整理をしている雪原は伺うように見ている。
 「あの、何かお手伝いしますか?」
 「いや、特にないな」
 「...何か急いでいるのかと思ったので」
 「ああ、急いでる。今日は残業出来ないから」
 「...会食のご予定ありましたか?」
 「仕事じゃない、プライベートな予定だ。香月柊哉って覚えてるか?大学の時晴臣とも仲良かっただろ?」
 「はい、香月総合病院の院長の息子さんでしたよね?」
 「そう、今夜はあいつの結婚祝いなんだよ」
 「ご結婚されたんですね、おめでとうございます」
 「まぁ色々あって一時はどうなる事かと思ったけどな」

 そんな話をしながら夕方からの会議の資料に目を通す。
 また話の長いおっさん達がいるから、予定通りに終わりそうにないな...そう思っていると雪原は遠慮がちに口を開く。
 「あの、こちらはどうされますか...?」
 手渡されたファイルに目をやると、それは時々持ち込まれる見合い写真と釣書。
 「必要ない。処分していいぞ」
 「...よろしいんですか?全て処分してしまって」
 「全部断ったし、お前も知ってるだろ?俺は見合いなんて興味ない」
 「ですが、会長が持ち込まれた物もありますが...」
 「気にしなくていい。じいさんにも会う度に持ってくるなと言ってあるから」
 「...承知しました」
 利益のために見ず知らずのやつと結婚なんて...。
 三十を過ぎた頃から持ち込まれるようになった見合い話に、俺は辟易していた。
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