俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
訪れたのは、特に心疾患の分野で都内でも有数の名医が在籍するという大病院。無事に全ての予定を終え、広い院内を歩いていた時。
「あれ?絆音ちゃん?」と呼ばれ振り返ると、そこには最近私の頭を悩ませている張本人が立っていた。
「...北田、さん?」
たまたま同じタイミングでこの病院に?しかも案内板が無ければ確実に迷ってしまうような広さの院内で出会うとは思ってもおらず、思考が止まり言葉が続かない。
「やっぱり!嬉しいな、こんな所で会えるなんて。メッセージも返信してくれないからずっと気になっていたんだ」
「...雪原、知り合いか?」
「えっと、その...」
「絆音ちゃん、今日の夜時間ある?今度こそ食事行こうよ」
「あの...私は...」
突然の事に必死に言葉を探していると、副社長が庇うように私の前に立つ。
「失礼ですが今は彼女も仕事中です、プライベートな要件ならご遠慮下さい。それと、今夜は会食の予定があり彼女も同席します」
そう言うと私の背中に手を添え「行こう、絆音」と軽く押され歩き出す。
会食なんて本当はない。私がハッキリ言えなかったせいで、プライベートな問題に副社長を巻き込んでしまうなんて...。
そのまま病院を出て車に乗り込むと、彼はこちらをじっと見ている。
「すみませんでした...」
「まさかあれがため息の原因か?」
「はい...。実は先日の...合コンで連絡先を交換してしまい、お断りしたのですが何度も食事に誘われて...」
「お前なぁ...嫌ならさっさと断れ!連絡先もむやみに教えたりするな!そもそも興味もないくせに合コンなんて行くなよ!」
「...すみません」
「大方水川に誘われたんだろうが、そこで断らなかったお前が悪い。相手の気持ちを考えるのは良いことだが、それを気にし過ぎて自分の意思を伝えないのはお前の悪い所だ。嫌な事は嫌だとハッキリ言え!」
晴くんにも劣らない剣幕で叱られ頭を下げる私に、副社長は「はぁー」と深いため息をつく。
どうしよう...呆れられてしまった...。
でも彼らの言う通り、きちんと断らず中途半端な事をした自分が悪い。それに、上司である副社長に助けてもらうなんて...私本当に最低だ...。
会社が見えてきた頃、ずっと窓の外を見ていた副社長がぼそっと呟く。
「...悪い、言い過ぎた」
「...いえ、副社長の仰った事は正しいです。個人的な問題に巻き込んでしまい、申し訳ありませんでした。あと...ありがとうございました」
「社員を守るのも俺の仕事だ。ただ...いや、何でもない」
そう言って車を降り会社に入っていく副社長を追いかけエレベーターのボタンを先に押した。
それからは、今まで以上に一生懸命に仕事をした。プライベートな事で呆れられてしまったけれど、仕事での信頼は失いたくない。
その一心で、絶対にミスのないよう細心の注意を払いながらも丁寧に一つ一つ向き合った。
「あれ?絆音ちゃん?」と呼ばれ振り返ると、そこには最近私の頭を悩ませている張本人が立っていた。
「...北田、さん?」
たまたま同じタイミングでこの病院に?しかも案内板が無ければ確実に迷ってしまうような広さの院内で出会うとは思ってもおらず、思考が止まり言葉が続かない。
「やっぱり!嬉しいな、こんな所で会えるなんて。メッセージも返信してくれないからずっと気になっていたんだ」
「...雪原、知り合いか?」
「えっと、その...」
「絆音ちゃん、今日の夜時間ある?今度こそ食事行こうよ」
「あの...私は...」
突然の事に必死に言葉を探していると、副社長が庇うように私の前に立つ。
「失礼ですが今は彼女も仕事中です、プライベートな要件ならご遠慮下さい。それと、今夜は会食の予定があり彼女も同席します」
そう言うと私の背中に手を添え「行こう、絆音」と軽く押され歩き出す。
会食なんて本当はない。私がハッキリ言えなかったせいで、プライベートな問題に副社長を巻き込んでしまうなんて...。
そのまま病院を出て車に乗り込むと、彼はこちらをじっと見ている。
「すみませんでした...」
「まさかあれがため息の原因か?」
「はい...。実は先日の...合コンで連絡先を交換してしまい、お断りしたのですが何度も食事に誘われて...」
「お前なぁ...嫌ならさっさと断れ!連絡先もむやみに教えたりするな!そもそも興味もないくせに合コンなんて行くなよ!」
「...すみません」
「大方水川に誘われたんだろうが、そこで断らなかったお前が悪い。相手の気持ちを考えるのは良いことだが、それを気にし過ぎて自分の意思を伝えないのはお前の悪い所だ。嫌な事は嫌だとハッキリ言え!」
晴くんにも劣らない剣幕で叱られ頭を下げる私に、副社長は「はぁー」と深いため息をつく。
どうしよう...呆れられてしまった...。
でも彼らの言う通り、きちんと断らず中途半端な事をした自分が悪い。それに、上司である副社長に助けてもらうなんて...私本当に最低だ...。
会社が見えてきた頃、ずっと窓の外を見ていた副社長がぼそっと呟く。
「...悪い、言い過ぎた」
「...いえ、副社長の仰った事は正しいです。個人的な問題に巻き込んでしまい、申し訳ありませんでした。あと...ありがとうございました」
「社員を守るのも俺の仕事だ。ただ...いや、何でもない」
そう言って車を降り会社に入っていく副社長を追いかけエレベーターのボタンを先に押した。
それからは、今まで以上に一生懸命に仕事をした。プライベートな事で呆れられてしまったけれど、仕事での信頼は失いたくない。
その一心で、絶対にミスのないよう細心の注意を払いながらも丁寧に一つ一つ向き合った。