俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翌朝、いつもより少し遅めに起きて支度をし長野行きの新幹線へと乗り込んだ。
長野までは一時間半ほどで到着するけれど、駅から両親のお墓まではけっこう遠い。電車を乗り継いで最寄駅まで行き、そこから三十分ほど山道を登っていくと見晴らしの良い開けた場所に出る。
そこは街を一望することができるほど高く、遠くまで広がる青空が近くに感じる。一息ついて汗を拭き、澄んだ空気を深く吸うととても気持ちがいい。
ここからほど近い場所に、私が四歳まで暮らしていた家がある。両親が知り合いの別荘を譲り受けたようで、二人が亡くなってからは元の持ち主が管理をしてくれているそう。
画家をしていた母と、海外でも有名な楽団に所属していた音楽家の父は、この景色と環境に惚れ込んでいたのだそう。
私はここで暮らした記憶はあまりないけれど、両親の事は少し覚えている。
いつも穏やかで優しく笑い合っていた二人の姿、窓際で大きなキャンパスに絵を描いていた母の後ろ姿、時折難しい顔をしながらピアノやバイオリンを弾いていた父の姿。
両親は忙しく父の仕事で私も何度も海外に行っていたそうだけれど、家の中にはいつも音楽と穏やかな空気が流れていて、幸せな日々だったと記憶している。
そしてもう一つ。母はよく寝る前に、私に名前の由来を話してくれていた。
"絆音ちゃんの名前はね、パパとママの想いがたくさん詰まっているのよ。人と人との繋がりは、幸せに生きていく為にとっても大切なことなの。誰かに優しくすると、必ずそれは自分に返ってくる。だから、困ってる人がいたら助けてあげてね"
何度も聞かされていたこの言葉の意味は、子どもの頃はあまり分かっていなかった。大人になった今なら、母が言いたかった事も理解できる。
少し読みにくいこの名前も、両親が想いを込めて付けてくれた大切な宝物だ。
そんな記憶を回想しながら歩きやっと二人のお墓に到着すると、そこには綺麗なお花が置かれていた。
「今年も...」
墓石も磨かれ、周りの雑草なども綺麗に片付けられている。
私が成人してお墓参りに来るようになってから、毎年ではないもののこうして誰かがきちんとお墓参りをした形跡があるのだ。
朝香伯母さんは「別荘を管理してくれている方じゃないかしら?」と言っていた。
誰なのかはっきりと分からないけれど、とにかく感謝をし私も持ってきたお花を手向け手を合わせた。
長野までは一時間半ほどで到着するけれど、駅から両親のお墓まではけっこう遠い。電車を乗り継いで最寄駅まで行き、そこから三十分ほど山道を登っていくと見晴らしの良い開けた場所に出る。
そこは街を一望することができるほど高く、遠くまで広がる青空が近くに感じる。一息ついて汗を拭き、澄んだ空気を深く吸うととても気持ちがいい。
ここからほど近い場所に、私が四歳まで暮らしていた家がある。両親が知り合いの別荘を譲り受けたようで、二人が亡くなってからは元の持ち主が管理をしてくれているそう。
画家をしていた母と、海外でも有名な楽団に所属していた音楽家の父は、この景色と環境に惚れ込んでいたのだそう。
私はここで暮らした記憶はあまりないけれど、両親の事は少し覚えている。
いつも穏やかで優しく笑い合っていた二人の姿、窓際で大きなキャンパスに絵を描いていた母の後ろ姿、時折難しい顔をしながらピアノやバイオリンを弾いていた父の姿。
両親は忙しく父の仕事で私も何度も海外に行っていたそうだけれど、家の中にはいつも音楽と穏やかな空気が流れていて、幸せな日々だったと記憶している。
そしてもう一つ。母はよく寝る前に、私に名前の由来を話してくれていた。
"絆音ちゃんの名前はね、パパとママの想いがたくさん詰まっているのよ。人と人との繋がりは、幸せに生きていく為にとっても大切なことなの。誰かに優しくすると、必ずそれは自分に返ってくる。だから、困ってる人がいたら助けてあげてね"
何度も聞かされていたこの言葉の意味は、子どもの頃はあまり分かっていなかった。大人になった今なら、母が言いたかった事も理解できる。
少し読みにくいこの名前も、両親が想いを込めて付けてくれた大切な宝物だ。
そんな記憶を回想しながら歩きやっと二人のお墓に到着すると、そこには綺麗なお花が置かれていた。
「今年も...」
墓石も磨かれ、周りの雑草なども綺麗に片付けられている。
私が成人してお墓参りに来るようになってから、毎年ではないもののこうして誰かがきちんとお墓参りをした形跡があるのだ。
朝香伯母さんは「別荘を管理してくれている方じゃないかしら?」と言っていた。
誰なのかはっきりと分からないけれど、とにかく感謝をし私も持ってきたお花を手向け手を合わせた。