俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
 そして遅くならないうちに来た道を足早に戻り、途中で長野名物の信州そばを買い伯父伯母の家へ向かった。
 二人はお蕎麦が好きなのでいつも長野に行った時は買って帰り、皆んなで食べるのが恒例になっている。
 家に着くと、朝香伯母さんと美雨さんが二人で食事の支度をしていた。
 「お帰りなさい絆音ちゃん。なんだか今日はすごくスッキリした顔してる。晴臣が一人で行く事心配していたけど、取り越し苦労だったみたいね」
 「晴臣はいつになったら絆音ちゃん離れ出来るのかしら?何かあったらアメリカからでも飛んで来そうね」
 そんな話をしながらお蕎麦を茹でていると、玄関の扉が開く音がしたので伯父さんをお出迎えに行った。
 すると廊下から賑やかな話し声が聞こえ、不思議に思いながら玄関へ向かうと...
 「あっ、絆音ちゃん!会いたかったよー!」と勢いよくハグされた。
 「類くん⁈」
 「ちょうど家の前で会ってね。さっきフランスから帰ってきたそうだよ」
 「そうだったんだ...久しぶりだね!ふふっ、類くんすごく大人っぽくなったね!」
 「ちょっと予定が変わって早く帰ってきたんだ。大人っぽくなったのは絆音ちゃんの方だよ!すっかり綺麗な大人の女性になっちゃって...」
 そう言いながら、副社長よりもさらに背の高い彼は腰を折って私の顔をまじまじと見つめる。
 「そ、そんな事ないよ!それより、どれくらい日本にいるの?」
 「まだ分からないけど結構時間はかかると思ってるから、当分は日本にいるよ。だから、今度ゆっくり会ってくれる?」
 「もちろん!また一緒にゲームしようね」
 そう約束して、大きなキャリーケースを押しながら実家へ帰る彼を見送った。
 たまにゲームをしたり連絡は取り合っていたけれど、実際に会うのは高校を卒業して以来だ。
 当たり前だけれど、以前とは印象も変わりすっかり大人の男性になっていて、綺麗なミルクティー色に染めた長髪が新鮮だった。

 伯父さんも帰ってきたのでみんなでお蕎麦を食べ、美雨さんが買ってきてくれたケーキをいただく。
 「そういえば、お墓は今年も綺麗だったの。お花も置かれたばかりって感じでまだ新しくて」
 「そうだったの。きっと朝早くにお参りしてくれたのね」
 「うん。でも...本当にその別荘を管理されてる方に挨拶しなくていいのかな?なんだか毎年のように綺麗にしてもらっていて申し訳なくて...。でも、伯父さん達もその方を知らないんだよね?」
 「ああ、私達もよく知らないんだ。それに、清香さん達の為にやってくれている事だから、絆音ちゃんが申し訳なく思う事はないんじゃないかな?」
 清香さんとは私の母のこと。それほど両親とは親しかった方なのかな...?
 なんだか余計に会ってみたくなってしまう。
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