俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜

翔side

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 バルコニーに出て少しぬるい風にあたりながら、ぼんやりと夜景を眺めワインを飲んでいた。
 リビングに置いたままになっていたスマホが鳴っている事に気がつき部屋へ入ると晴臣からの着信だった。
 「遅い時間に悪いな、今話しても平気か?」
 「ああ、何かあったのか?」
 「来週からアメリカへ研修に行くんだけど、帰ってきたら美雨と結婚する事にしたんだ」
 「そうか、おめでとう」
 「ありがとう、まぁその報告はついでなんだけど。翔に一つ頼みたい事がある」
 「...頼み?」
 「研修期間は約一年の予定なんだが、その間にもし何かあったら絆音を守ってほしいんだ」
 「なるほど。でも守るって具体的には?超過保護でシスコンのお兄様はどこまでを望んでいるんだ?」
 「...今はお前にしか頼めないから目を瞑るがその言い方やめろ!別に何もなければいいんだ。ただこの間みたいに合コンとか男に言い寄られて困ってるだとか、後は帰宅が深夜近くなるなら送ってやって欲しい。あいつのマンション駅から少し離れてるし、セキュリティも甘いからちゃんと中に入るまで見ておいてくれよ?」
 「ふっ、了解。にしても、この歳になってもまだ心配でたまらないって感じだな?」
 「ああ、心配だよ。それに...もう後悔したくないんだよ。あの時みたいに...」
 「...まだ気にしてるのか?あれはお前のせいじゃないだろ?」

 あれはもう二十年近く前の事。
 絆音が小学生になったばかりの頃、その日伯母さん達は仕事で家を空ける為晴臣が迎えに行く予定だった。
 だが、その日に限ってホームルームが長引きいつもより帰りが遅くなってしまった。急いで小学校まで行くと門の前で待っているはずの絆音の姿はなく、辺りを探すと路地で男に手を引っ張られ車に無理矢理乗せられようとしている所を見つけた。
 間一髪で間に合い二人で助ける事が出来たが、晴臣はその時の事をずっと悔やんでいる。
 あいつの過保護はそこからどんどんエスカレートしていき、絆音が二十六歳になった今でも心配で仕方ないよう。

 「いや、俺のせいだよ。絆音に怖い思いをさせて心に傷を負わせた。俺が生きてる限りは、あいつの事は守ってやりたいんだよ」
 「分かったよ、心配しないでお前はちゃんと勉強して来い」
 「サンキュー、助かるよ。じゃあ何かあったら連絡頼む」
 「だから心配するなって。俺がちゃんと見ておくから」
 「ふっ、わかったよ。じゃあ絆音の事よろしくな」
 「ああ、任せておけ」
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