俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
 そして翌週末、久しぶりに家族四人で食事をしようと母さんから連絡があり実家に帰った。
 少し仕事をして夕方帰宅すると、テーブルには乗せきれないほど俺達の好物が並べられている。
 「あ、兄さんお帰り!久しぶりだね!」と躊躇いなくハグをしてくる類に少し面食らったが、きっといつもの挨拶なんだろう。
 「久しぶりだな。...また背伸びたか?」
 「ははっ、もう伸びないよ。俺ももう二十六だよ?」
 「そうだったな、俺の中でお前は高校生で止まってるんだよ」
 八年ぶりに家族四人揃ったことがよほど嬉しかったらしく、母さんは張り切って料理を作ってくれたよう。父さんも嬉しそうで、終始穏やかな雰囲気で会話が途切れる事なく食事は続いた。

 そして、いつものように母さんと父さんが並んで皿洗いを始めると類は日本酒を持ってくる。
 「ねぇ兄さん、あっちで一緒に飲もうよ。日本酒初めてなんだよねー」
 「そうか、もうお前も酒飲めるんだよな」
 「だから俺もう高校生じゃないって」
 「にしても、お前も頑固だよな。本当に一度も帰ってこないんだから」
 「だって大学も行かずに留学させてもらって、Dメディックスも兄さん一人に任せて好きな事させてもらってるんだもん。中途半端なまま帰れないでしょ?」
 「俺は自分の意思で会社に入ったし、お前も自分のやりたい事をしたら良いよ。それに、たった八年でブランド立ち上げて日本で店出すまでになったんだからさすがだよ」
 「兄さんこそ、その若さであっという間に副社長だもん。それにしても、秘書が絆音ちゃんなんて本当に驚いたよ。絆音ちゃんがうちの会社に入るって知ってたら、俺もちょっと考え変わってたかもなー」
 「え?」
 「実は昨日さ、絆音ちゃんに会ってきたんだ。それで、つい積年の想いが溢れて好きって言っちゃったんだよね」
 「っ、ゲホッゲホッ、はぁ⁈」
< 33 / 132 >

この作品をシェア

pagetop