俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
降り出した雨は次第に強くなり、ゲリラ豪雨のようにザーザーと激しく音を立てながらフロントガラスに打ちつける。
この音で起きてしまったかと絆音の方を見ると、まだ眠っているようで安心した。
こんなに嫌な思いをした後で、辛い記憶を思い出す事になったらあまりに酷だ...
あれは俺が高校生の頃、晴臣の家で一緒に勉強をしていた時。
いつも俺達がテーブルで勉強を始めると、絆音も自分の宿題を持ってきて端っこで一緒にやっていた。しかしその日は、窓際に立ったまま動かず土砂降りの雨をぼーっと眺めていた。
外に何かあるのかと気になり席を立とうとした俺を晴臣が止め「実は...」と小声で訳を教えてくれた。
晴臣の話では、絆音の両親が亡くなった事故があった日、外は土砂降りの雨だったらしい。精神的なショックのせいか事故前後の記憶はないようだが、それでも何か引っかかるのか、風戸家に来てからひどい雨の日はこうしてじっと外を眺めているのだそう。
その話を聞いてからは、俺も土砂降りの日は絆音の事を考えるようになっていた。
この前も車の中でぼーっと雨を眺める姿をみて、今でも変わらないんだなと少し胸が痛んだ。
そんな事を思い出しながらマンションへと帰り、絆音を起こして部屋に入る。
「すみません、眠ってしまったみたいで...」
「疲れたんだろう、今日はもう寝ろ」
「あの...一緒に行って頂いて心強かったです、ありがとうございました。おやすみなさい」と俯きがちに部屋へ入っていく。
ただチョコレートを置いていくだけのおかしなやつだと思っていた男が一年も前からのストーカーで、しかもチョコに薬を入れていたなんて...ショックだったんだろうな。あいつの心の傷が深くなったのは間違いない。
なんとかその傷を癒してやりたいが...俺には何ができる?あいつに何をしてやれるだろうか...。
シャワーを浴びながらそんな事を考え、晴臣に相談するべきか一瞬迷ったがすぐにやめた。
こんな話を聞いたら間違いなくアメリカから飛んでくる。いない間は任せろと言った以上、俺が何とかしないとな...。
気分転換に好きな映画でも見ようとソファに座り缶ビールを開けた。
夜中に酒を飲みながら映画を見ている時間が、最近は一番好きかもしれない。何も考えずにいられるから。
深夜一時を過ぎたころ、ゆっくりとリビングのドアを開き遠慮がちに絆音が入ってきた。
「どうした?眠れないのか?」
「えっと...お水を。すみません、邪魔してしまって」
そう言いながら水を飲む絆音はほんのり頬が赤いように見え、立ち上がって近づくと少し目も潤んでいる。
嫌な予感がして額に手を当てると、明らかに熱い体温が伝わってきた。
「何で言わないんだよ。熱あるだろ?」
「...すみません」
「ほら、そこ座って熱計れ」
体温計を渡し、常備薬を確認すると風邪薬や解熱剤など一通りは揃っていた。ピピっと音がしてそれを受け取れば38.7℃...
「けっこう高いな...。他に症状は?」
「少し、頭が痛いくらいです...」
とりあえず朝まで様子を見た方がいいだろうと思い、ベッドに連れて行き布団とブランケットもかける。
「寒くないか?具合悪くなったら言えよ?」
「すみません...ありがとうございます」
「ほら、目閉じて。ここにいるから安心しろ」そう言って頭をポンと撫でるとすぐに寝息が聞こえてきた。
明日は土曜だから仕事は休みだが、病院も開いている所は少ない為調べていると、眠ってはいるものの顔を顰め何度も寝返りを打ちうなされているようだった。
起こして水を飲ませ汗を拭くとすぐにまた眠ったので、しばらく様子を見ていたが気づけば俺もベッドサイドで眠ってしまっていた。
降り出した雨は次第に強くなり、ゲリラ豪雨のようにザーザーと激しく音を立てながらフロントガラスに打ちつける。
この音で起きてしまったかと絆音の方を見ると、まだ眠っているようで安心した。
こんなに嫌な思いをした後で、辛い記憶を思い出す事になったらあまりに酷だ...
あれは俺が高校生の頃、晴臣の家で一緒に勉強をしていた時。
いつも俺達がテーブルで勉強を始めると、絆音も自分の宿題を持ってきて端っこで一緒にやっていた。しかしその日は、窓際に立ったまま動かず土砂降りの雨をぼーっと眺めていた。
外に何かあるのかと気になり席を立とうとした俺を晴臣が止め「実は...」と小声で訳を教えてくれた。
晴臣の話では、絆音の両親が亡くなった事故があった日、外は土砂降りの雨だったらしい。精神的なショックのせいか事故前後の記憶はないようだが、それでも何か引っかかるのか、風戸家に来てからひどい雨の日はこうしてじっと外を眺めているのだそう。
その話を聞いてからは、俺も土砂降りの日は絆音の事を考えるようになっていた。
この前も車の中でぼーっと雨を眺める姿をみて、今でも変わらないんだなと少し胸が痛んだ。
そんな事を思い出しながらマンションへと帰り、絆音を起こして部屋に入る。
「すみません、眠ってしまったみたいで...」
「疲れたんだろう、今日はもう寝ろ」
「あの...一緒に行って頂いて心強かったです、ありがとうございました。おやすみなさい」と俯きがちに部屋へ入っていく。
ただチョコレートを置いていくだけのおかしなやつだと思っていた男が一年も前からのストーカーで、しかもチョコに薬を入れていたなんて...ショックだったんだろうな。あいつの心の傷が深くなったのは間違いない。
なんとかその傷を癒してやりたいが...俺には何ができる?あいつに何をしてやれるだろうか...。
シャワーを浴びながらそんな事を考え、晴臣に相談するべきか一瞬迷ったがすぐにやめた。
こんな話を聞いたら間違いなくアメリカから飛んでくる。いない間は任せろと言った以上、俺が何とかしないとな...。
気分転換に好きな映画でも見ようとソファに座り缶ビールを開けた。
夜中に酒を飲みながら映画を見ている時間が、最近は一番好きかもしれない。何も考えずにいられるから。
深夜一時を過ぎたころ、ゆっくりとリビングのドアを開き遠慮がちに絆音が入ってきた。
「どうした?眠れないのか?」
「えっと...お水を。すみません、邪魔してしまって」
そう言いながら水を飲む絆音はほんのり頬が赤いように見え、立ち上がって近づくと少し目も潤んでいる。
嫌な予感がして額に手を当てると、明らかに熱い体温が伝わってきた。
「何で言わないんだよ。熱あるだろ?」
「...すみません」
「ほら、そこ座って熱計れ」
体温計を渡し、常備薬を確認すると風邪薬や解熱剤など一通りは揃っていた。ピピっと音がしてそれを受け取れば38.7℃...
「けっこう高いな...。他に症状は?」
「少し、頭が痛いくらいです...」
とりあえず朝まで様子を見た方がいいだろうと思い、ベッドに連れて行き布団とブランケットもかける。
「寒くないか?具合悪くなったら言えよ?」
「すみません...ありがとうございます」
「ほら、目閉じて。ここにいるから安心しろ」そう言って頭をポンと撫でるとすぐに寝息が聞こえてきた。
明日は土曜だから仕事は休みだが、病院も開いている所は少ない為調べていると、眠ってはいるものの顔を顰め何度も寝返りを打ちうなされているようだった。
起こして水を飲ませ汗を拭くとすぐにまた眠ったので、しばらく様子を見ていたが気づけば俺もベッドサイドで眠ってしまっていた。