俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
 肩を揺らされている感覚に意識が浮上し目を開くと、絆音が起きていた。
 「...悪い、寝てたな。具合はどうだ?」
 「少し、良くなりました。ずっとここにいて下さったんですか...?」
 「熱も高かったしな。途中で寝てしまったけど」
 「すみませんでした。ベッドでゆっくり休んでください」
 体温計を持ってきて計らせると、37.5℃まで下がっていた。
 「とりあえず今日は一日寝ていろよ。何か食べたい物はあるか?」
 「お腹、空いていません...」
 「でも食べないと。何だったら食べられる?」
 「えっと...じゃあ、プリンが食べたいです...」
 「ふっ、了解」
 熱のせいもあるだろうが、少し恥ずかしそうに頬を赤くしながらプリンが食べたいと言う絆音は子どもの様で可愛かった。

 近くのスーパーへ行き、色々見ながらあいつは何が好きだったか思い出そうとしたが、覚えているのは昔よく庭でしていたBBQで肉よりも野菜ばかり食べていた事くらい。
 結局、数種類のプリンにヨーグルト、カットフルーツなどをカゴに入れた。
 まだ眠っていたのでお粥を作っていると、目が覚めたようで絆音がリビングに入ってきて「いい匂い...」と呟く。
 「少し食べられそうか?」
 「はい、ありがとうございます」
 可愛らしいパジャマを着て髪を下ろし、ほんのり赤い頬に幼さの残る素顔でソファの端にちょこんと座りニコニコこっちを見ている姿は...仕事の時とはまるで別人だ。
 なんだろうな、この感じ...
 否めない小動物感があるからか?しっぽを振る子犬を見ているような...思わずよしよしと撫でたくなる衝動に駆られる。
 「美味しいです、ありがとうございます」
 「プリンとヨーグルト、フルーツもあるからな」
 「...すみません、お休みの日なのに面倒をかけてしまって...」
 「そんな事気にしなくていいから、食べてゆっくり寝ろ。また熱上がったら病院連れて行くからな?」
 「ね、寝たら治ると思うので大丈夫です!」
 数種類のプリンをだすと嬉しそうに一つ選んで食べ始める姿は、やっぱり俺にはしっぽが見える...。
 そして、もう一度熱を測ると朝より少し上がっていて、絆音は慌てたように「少し寝ますね、おやすみなさい!」と布団をかぶり目をぎゅっと瞑る。

 とりあえず少し様子を見ようとリビングへ戻り仕事をしていた。
 絆音が作った資料を読んでいると、つくづく不思議に思う。こんなに仕事は出来るし普段は凛としているのに...プライベートとのギャップが大き過ぎないか?
 会社では妹感など皆無で、ちゃんと自立した一人の社会人として信頼もしているし、しっかりした秘書というイメージしかなかったのだが...。
 晴臣に頼まれてプライベートな面も見るようになってからは、あまりに無防備で危なっかしい所が多く心配で仕方ない。俺が守ってやれるように、目の届く範囲にいて欲しいと思ってしまう。
 晴臣の気持ちがよく分かる...こんなやつ放っておけないよな...。
 絆音を守ってくれるしっかりしたナイトのような男でも現れたら、きっとあいつの肩の荷も降りるんだろうな。
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