俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
アラームの音が鳴り響き、目を閉じたまま片手でそれを止める。
寝返りをうつ絆音を離れないようグッと引き寄せれば「...え?」と困惑の声と共にお目覚めのようだ。
「おはよう。体調は?具合悪くないか?」
「わ、私は大丈夫です、副社長は...?」
「平気だよ、メンタル的にも回復できたから。それより...」
「さっきはすみませんでした、睡眠の邪魔をしてしまって...」
「嫌な夢でも見たのか?」
「...実は、退院してから時々高い所から落ちる夢を見るんです。それで、いつもなぜか副社長が遠くにいて、手を伸ばしても届かなくて、そのまま落ちて怖くなって目が覚めて...」
そう俯きながら話す彼女を堪らず抱きしめる。
「やっぱりこのまま一緒に暮らさないか?またさっきみたいな事があっても、いつでも抱きしめてやれる。それで少しは安心できるんだろう?」
「...はい。いつもは眠れないんですけど、今日は安心して眠れたみたいです...」
「なぁ、絆音。まだ疑問系か?」
「...え?」
「まだ分からないままか?俺が好きかどうか」
「...副社長は、本当に私と結婚出来ると思いますか...?ご自分の立場とか、色々含めて...」
「もちろん、出来ないならプロポーズなんてしない」
「...でも、私はただの秘書で、大きな病院を持つ風戸家の人間でもないんですよ?」
「俺がそんな事を気にすると思ってるのか?」
「副社長が気にされなくても、ご家族や会社としては気にしなければいけませんよね...?」
はぁ、と心の中でため息をつきながら絆音の身体を少し離しその瞳を覗く。
全く、そんな無用の心配をしていたのか...
「俺は何も考えずにプロポーズした訳じゃない。それに、俺の両親がお前を受け入れないわけがないだろう?その上、二人も恋愛結婚だしそれを認めたのは会長だ」
「で、でも会長はお見合い写真を何度も...」
「あれは俺が三十過ぎても結婚する素振りを見せないからだよ。別に政略結婚させたいわけじゃない。うちの会社はそんな事に頼らなくても十分やっていける事くらい、お前も分かるだろ?」
「そ、それは分かりますけど...」
「他には?まだ心配事や不安があるなら全部言え」
「...いえ、それよりもう支度をしないと遅れます。朝ご飯も...」
「じゃあ最後に抱き納め」
今日一日、いやあと一週間ほどを乗り越えるためのパワーを充電するようにぎゅうっと強く抱きすくめる。
「く、苦しいですっ」とくぐもった声を聞きながら少し腕を緩め額にキスをしてから絆音を解放した。
シャワーを浴びて着替えると、キッチンでサンドイッチを作ってくれている。俺がなかなか離せなかったせいで、彼女はバタバタと急いで用意をするはめになった。
「お昼の分もあるのでちゃんと食べて下さいね。タンブラーに温かいお茶を入れたので持って行って下さい。コーヒーやエナジードリンクもなるべく控えて下さいね」
「ああ、サンキュー。このまま会社行くのか?着替えに戻るなら家まで送るけど」
「あ...でも帰っている時間はなさそうなので会社に置いてある予備の服に着替えます」
「悪いな、バタバタさせて。でも、まだ絆音の出勤時間にはかなり余裕あるだろう?」
「はい、ですが今日はロビーのお花を入れ替える予定なので。高峰さんにも教えて欲しいと言われていて」
「...なぁ、お前ずいぶん高峰と仲良いよな?別に指導係が決まってる訳じゃないだろ?お前だって忙しいんだから、他のやつにも任せろよ」
「でも高峰さんとても覚えが早いですし、色々と質問をされるのもランチの時なので問題ありませんよ?」
「それが問題なんだよ。間違っても高峰に惚れられるなよ?」
「...へ?高峰さんに...?ふふっ、絶対にありませんよ。だって高峰さんが好きなのは、ふ...」
「ふ?」
「何でもありません!とにかく大丈夫です」
「なんで言い切れるんだよ?ちゃんと警戒心持てよ?」
「ふふっ、はい」
絆音の態度が気になりながらも会社に到着し上階に上がると、彼女はすぐに着替えに向かった。
秘書室を覗くと、すでに山内と高峰が仕事をしている。
まぁ、確かに高峰は始業時間よりも早く出勤して絆音がやっていた雑務を手伝っているし、仕事にも意欲的で失敗してもめげないメンタルを持ち人当たりも良い。秘書には向いているだろうし、見た目も好青年だとは思うが...。
思わずジトっと見てしまい、俺に気付いた高峰は慌てて佇まいを正しい「おはようございます」と深く頭を下げる。
悪いやつではないが...絆音に近づきすぎだ。
そう考えると、つい「おはよう」と返した声も低くなってしまったが、なぜか高峰は嬉しそうにしている。
...よく分からないやつだな。
アラームの音が鳴り響き、目を閉じたまま片手でそれを止める。
寝返りをうつ絆音を離れないようグッと引き寄せれば「...え?」と困惑の声と共にお目覚めのようだ。
「おはよう。体調は?具合悪くないか?」
「わ、私は大丈夫です、副社長は...?」
「平気だよ、メンタル的にも回復できたから。それより...」
「さっきはすみませんでした、睡眠の邪魔をしてしまって...」
「嫌な夢でも見たのか?」
「...実は、退院してから時々高い所から落ちる夢を見るんです。それで、いつもなぜか副社長が遠くにいて、手を伸ばしても届かなくて、そのまま落ちて怖くなって目が覚めて...」
そう俯きながら話す彼女を堪らず抱きしめる。
「やっぱりこのまま一緒に暮らさないか?またさっきみたいな事があっても、いつでも抱きしめてやれる。それで少しは安心できるんだろう?」
「...はい。いつもは眠れないんですけど、今日は安心して眠れたみたいです...」
「なぁ、絆音。まだ疑問系か?」
「...え?」
「まだ分からないままか?俺が好きかどうか」
「...副社長は、本当に私と結婚出来ると思いますか...?ご自分の立場とか、色々含めて...」
「もちろん、出来ないならプロポーズなんてしない」
「...でも、私はただの秘書で、大きな病院を持つ風戸家の人間でもないんですよ?」
「俺がそんな事を気にすると思ってるのか?」
「副社長が気にされなくても、ご家族や会社としては気にしなければいけませんよね...?」
はぁ、と心の中でため息をつきながら絆音の身体を少し離しその瞳を覗く。
全く、そんな無用の心配をしていたのか...
「俺は何も考えずにプロポーズした訳じゃない。それに、俺の両親がお前を受け入れないわけがないだろう?その上、二人も恋愛結婚だしそれを認めたのは会長だ」
「で、でも会長はお見合い写真を何度も...」
「あれは俺が三十過ぎても結婚する素振りを見せないからだよ。別に政略結婚させたいわけじゃない。うちの会社はそんな事に頼らなくても十分やっていける事くらい、お前も分かるだろ?」
「そ、それは分かりますけど...」
「他には?まだ心配事や不安があるなら全部言え」
「...いえ、それよりもう支度をしないと遅れます。朝ご飯も...」
「じゃあ最後に抱き納め」
今日一日、いやあと一週間ほどを乗り越えるためのパワーを充電するようにぎゅうっと強く抱きすくめる。
「く、苦しいですっ」とくぐもった声を聞きながら少し腕を緩め額にキスをしてから絆音を解放した。
シャワーを浴びて着替えると、キッチンでサンドイッチを作ってくれている。俺がなかなか離せなかったせいで、彼女はバタバタと急いで用意をするはめになった。
「お昼の分もあるのでちゃんと食べて下さいね。タンブラーに温かいお茶を入れたので持って行って下さい。コーヒーやエナジードリンクもなるべく控えて下さいね」
「ああ、サンキュー。このまま会社行くのか?着替えに戻るなら家まで送るけど」
「あ...でも帰っている時間はなさそうなので会社に置いてある予備の服に着替えます」
「悪いな、バタバタさせて。でも、まだ絆音の出勤時間にはかなり余裕あるだろう?」
「はい、ですが今日はロビーのお花を入れ替える予定なので。高峰さんにも教えて欲しいと言われていて」
「...なぁ、お前ずいぶん高峰と仲良いよな?別に指導係が決まってる訳じゃないだろ?お前だって忙しいんだから、他のやつにも任せろよ」
「でも高峰さんとても覚えが早いですし、色々と質問をされるのもランチの時なので問題ありませんよ?」
「それが問題なんだよ。間違っても高峰に惚れられるなよ?」
「...へ?高峰さんに...?ふふっ、絶対にありませんよ。だって高峰さんが好きなのは、ふ...」
「ふ?」
「何でもありません!とにかく大丈夫です」
「なんで言い切れるんだよ?ちゃんと警戒心持てよ?」
「ふふっ、はい」
絆音の態度が気になりながらも会社に到着し上階に上がると、彼女はすぐに着替えに向かった。
秘書室を覗くと、すでに山内と高峰が仕事をしている。
まぁ、確かに高峰は始業時間よりも早く出勤して絆音がやっていた雑務を手伝っているし、仕事にも意欲的で失敗してもめげないメンタルを持ち人当たりも良い。秘書には向いているだろうし、見た目も好青年だとは思うが...。
思わずジトっと見てしまい、俺に気付いた高峰は慌てて佇まいを正しい「おはようございます」と深く頭を下げる。
悪いやつではないが...絆音に近づきすぎだ。
そう考えると、つい「おはよう」と返した声も低くなってしまったが、なぜか高峰は嬉しそうにしている。
...よく分からないやつだな。