俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
翔side
「ついさっき他の人がお墓参りをしたみたいだな」
「...実は毎年ではないんですけど、よくこうして私よりも先に誰かが綺麗に掃除をしてお花を供えてくれているんです」
「誰かが...?」
「朝香伯母さんは別荘を管理してくれている方じゃないかって言っていたんですけど、会ったことがないので誰なのかは分からないんです」
「...そうか。でも、こうして綺麗に墓石を磨いて大きな花束を供えていくんだから、きっと今でもご両親を大切に想っている人なんだろうな」
「...いつか会ってみたいです。両親の知り合いだったそうなので、二人の事も聞きたいですしお礼も伝えたい...」
そういえば、絆音の親族の話は聞いた事がない。結婚して家族になるのなら、彼女の家族の事も知っておきたいが...今は聞ける雰囲気ではないな。
持ってきた掃除道具は不要になった為そばに置き、絆音が花を手向け手を合わせる姿を見ながらそんな事を考えていた。
俺もお花と御線香を供えさせてもらい、お二人に彼女を必ず幸せにしますと誓い、どうかこれからも見守っていて頂けるようお願いをした。
帰り道は、少し遠回りをして絆音が住んでいた家を見に行った。
築年数はだいぶ経っていそうな造りだが、広い庭も家の周りもきちんと整備されていて古びた印象はない。
何より、目の前に広がる景色は壮観で見晴らしは最高だ。きっとここに別荘を建てた人もこの眺望に惚れ込んだのだろう。
「ここの景色は覚えています。母が絵を描いていた後ろ姿をよく見ていたので」
「お母さんは趣味で絵を?」
「母は画家だったそうです。でもどれくらい有名だったのかは知らないので、趣味のようなものだったのかもしれません」
「画家...?そうだったのか。それはこの家に住んでいた理由も納得だな」
「はい。二人はこの景色が気に入っていたようですし、父は音楽家で一日中楽器を弾いていたので、ここだとご近所迷惑にもなりませんから」
「確かにいい場所だな。絆音が見ていた景色を俺も見られて嬉しかったよ」
彼女の手を握って、来た道を引き返し山道をゆっくりと下る。
その間、絆音は記憶のある限りでご両親の事や思い出を話してくれ、その横顔には笑みがあったが俺には寂しそうにも見え胸が痛んだ。
そして、毎年もらっていたお土産の蕎麦を買ってから東京へと戻り、絆音を実家に送り届け俺は帰るつもりだったのだが...
「あら、帰っちゃうの?翔くんもあがって行って?」と、ちょうど仕事から帰ってきた伯母さんに背中を押されお邪魔する事になった。
「絆音ちゃんお帰り!今朝作ったゼリー食べる?」
「うん、ありがとう」
そう言って彼女はキッチンの方へ行き、リラックスした笑顔で伯母さんと話をしている。
やっぱり、ここは絆音にとって安心する場所なんだなと改めて感じた。
「そういえば、もう少しで晴臣が帰ってくるそうよ」
「もう一年経ったんだね。なんかあっという間だった...」
「色々あったからそう感じるのも仕方ないわ。落ち着いたらいよいよ美雨さんと結婚ね!どこで式あげるのかしら?楽しみねー!あっ!でももしかして絆音ちゃんと翔くんの方が先だったりする?」
このタイミングで話題が振られるとは思わず、飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
「え⁈ あ、えっと...」
「翔くん、プロポーズしてくれたのよね?」
「はい、結婚を前提にお付き合いさせて頂いています。以前も少し同居はしていましたが、これから結婚に向けてまた生活を共にしたいと思っています」
俺の言葉に、隣の絆音も少し恥ずかしそうにしながら姿勢を正す。
「ふふっ、私が反対するはずないでしょ?それに、今日絆音ちゃんの両親にも挨拶して来たのよね?二人が同じ気持ちなら、私達は何も言う事はないわ」
「伯母さん...」
「私達は産みの親ではないけど、絆音ちゃんのことは本当の娘だと思っているの。だから、親代わりとして言わせてもらうわね?
翔くん、あなたの事は子どもの頃から知っているし本当に信頼しているわ。だから絆音ちゃんのこと、これからもお願いね?ずっとずっと大切にしてあげてね?」
「はい、一生幸せにし続けると誓います」
「ふふっ、ありがとう!その言葉だけで十分よ。さっ、お蕎麦茹でましょうか!」
「ついさっき他の人がお墓参りをしたみたいだな」
「...実は毎年ではないんですけど、よくこうして私よりも先に誰かが綺麗に掃除をしてお花を供えてくれているんです」
「誰かが...?」
「朝香伯母さんは別荘を管理してくれている方じゃないかって言っていたんですけど、会ったことがないので誰なのかは分からないんです」
「...そうか。でも、こうして綺麗に墓石を磨いて大きな花束を供えていくんだから、きっと今でもご両親を大切に想っている人なんだろうな」
「...いつか会ってみたいです。両親の知り合いだったそうなので、二人の事も聞きたいですしお礼も伝えたい...」
そういえば、絆音の親族の話は聞いた事がない。結婚して家族になるのなら、彼女の家族の事も知っておきたいが...今は聞ける雰囲気ではないな。
持ってきた掃除道具は不要になった為そばに置き、絆音が花を手向け手を合わせる姿を見ながらそんな事を考えていた。
俺もお花と御線香を供えさせてもらい、お二人に彼女を必ず幸せにしますと誓い、どうかこれからも見守っていて頂けるようお願いをした。
帰り道は、少し遠回りをして絆音が住んでいた家を見に行った。
築年数はだいぶ経っていそうな造りだが、広い庭も家の周りもきちんと整備されていて古びた印象はない。
何より、目の前に広がる景色は壮観で見晴らしは最高だ。きっとここに別荘を建てた人もこの眺望に惚れ込んだのだろう。
「ここの景色は覚えています。母が絵を描いていた後ろ姿をよく見ていたので」
「お母さんは趣味で絵を?」
「母は画家だったそうです。でもどれくらい有名だったのかは知らないので、趣味のようなものだったのかもしれません」
「画家...?そうだったのか。それはこの家に住んでいた理由も納得だな」
「はい。二人はこの景色が気に入っていたようですし、父は音楽家で一日中楽器を弾いていたので、ここだとご近所迷惑にもなりませんから」
「確かにいい場所だな。絆音が見ていた景色を俺も見られて嬉しかったよ」
彼女の手を握って、来た道を引き返し山道をゆっくりと下る。
その間、絆音は記憶のある限りでご両親の事や思い出を話してくれ、その横顔には笑みがあったが俺には寂しそうにも見え胸が痛んだ。
そして、毎年もらっていたお土産の蕎麦を買ってから東京へと戻り、絆音を実家に送り届け俺は帰るつもりだったのだが...
「あら、帰っちゃうの?翔くんもあがって行って?」と、ちょうど仕事から帰ってきた伯母さんに背中を押されお邪魔する事になった。
「絆音ちゃんお帰り!今朝作ったゼリー食べる?」
「うん、ありがとう」
そう言って彼女はキッチンの方へ行き、リラックスした笑顔で伯母さんと話をしている。
やっぱり、ここは絆音にとって安心する場所なんだなと改めて感じた。
「そういえば、もう少しで晴臣が帰ってくるそうよ」
「もう一年経ったんだね。なんかあっという間だった...」
「色々あったからそう感じるのも仕方ないわ。落ち着いたらいよいよ美雨さんと結婚ね!どこで式あげるのかしら?楽しみねー!あっ!でももしかして絆音ちゃんと翔くんの方が先だったりする?」
このタイミングで話題が振られるとは思わず、飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
「え⁈ あ、えっと...」
「翔くん、プロポーズしてくれたのよね?」
「はい、結婚を前提にお付き合いさせて頂いています。以前も少し同居はしていましたが、これから結婚に向けてまた生活を共にしたいと思っています」
俺の言葉に、隣の絆音も少し恥ずかしそうにしながら姿勢を正す。
「ふふっ、私が反対するはずないでしょ?それに、今日絆音ちゃんの両親にも挨拶して来たのよね?二人が同じ気持ちなら、私達は何も言う事はないわ」
「伯母さん...」
「私達は産みの親ではないけど、絆音ちゃんのことは本当の娘だと思っているの。だから、親代わりとして言わせてもらうわね?
翔くん、あなたの事は子どもの頃から知っているし本当に信頼しているわ。だから絆音ちゃんのこと、これからもお願いね?ずっとずっと大切にしてあげてね?」
「はい、一生幸せにし続けると誓います」
「ふふっ、ありがとう!その言葉だけで十分よ。さっ、お蕎麦茹でましょうか!」